2025-03-01、
本日の書籍紹介は、睡眠の起源 (講談社現代新書) なぜ眠り、なぜ起きるのか? 金谷啓之著 です。
1998年生まれ。山口県出身のまだ若き研究者です。 本書が初の著書となっています。
「動的平衡」でお馴染みの福岡伸一先生の様に若い頃から昆虫に興味があったようです。
【目次】
はじめに――生物はなぜ眠るのか?
第一章 クロアゲハは夜どこにいるのか
第二章 眠りのホメオスタシス
第三章 眠りと時間
第四章 ヒドラという怪物
第五章 眠りのしくみ
第六章 眠りの起源は何か
第七章 眠りと意識
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睡眠のデフォルトが「寝ていること」になっている理由は、生物学的な必要性と進化の過程が深く関わっています。
別な書籍で読んだことがありますが、睡眠は、覚醒と睡眠とシーソーの様になっているという事です。
そのデフォルトの状態は睡眠で、叩き起こされて覚醒する仕組みにのなっている様です。
1. 生物学的な必要性
■エネルギーの節約:
睡眠中は活動量が低下し、エネルギー消費を抑えることができます。これは、食料が常に十分にあるとは限らない環境下で、生存のために重要な機能でした。
■体の修復と回復:
睡眠中には、細胞の修復、成長ホルモンの分泌、免疫機能の強化など、体が回復するための様々なプロセスが行われます。
日中の活動で蓄積された疲労物質の除去や、脳内の老廃物除去なども行われます。
■脳の機能維持:
睡眠は、記憶の整理・定着、感情の処理、脳の休息など、脳の機能を維持するために不可欠です。
レム睡眠、ノンレム睡眠と睡眠にはサイクルがあり、それぞれの睡眠で違った脳の機能維持を行っています。
2. 進化の過程
■ 危険回避:
* 夜間は視界が悪くなり、外敵に襲われるリスクが高まります。睡眠によって活動を停止することで、危険を回避し、生存率を高めることができました。
■ 体内時計との同調:
地球の自転によって昼夜のリズムが生まれ、生物は体内時計(概日リズム)を持つようになりました。睡眠は、この体内時計と同期することで、体の機能を最適な状態に保つ役割を果たしています。
補足
睡眠は、単に体を休めるだけでなく、生命維持に不可欠な多くの機能を担っています。
睡眠不足は、心身の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
これらの要因が複雑に絡み合い、睡眠のデフォルトが「寝ていること」として、生物に組み込まれたと考えられています。
—関連記事—
■睡眠について調べたいなら、もう一冊紹介します。
・【書籍紹介】「睡眠の科学」 なぜ眠るのか なぜ目覚めるのか 櫻井 武 (著) まだ未解明な点が多い
・【書籍紹介】 「もうひとつの脳」 ニューロンを支配する陰の主役「グリア細胞」
・【書籍紹介】「腸と脳」 エムラン・メイヤー (著)です。
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