「人類の進化」に関係した、DNAの変異に関する不思議なお話です。

本日は、「脳」のお話ではなく、「人類の進化」に大いに関係している、DNAの変異に関する知識についてです。

実は、ゲノム編集とは何か」(小林雅一著)という書籍が目に留まり、読んでいるうちに、ゲノム編集の前に、ゲノム(DNA)で、何が起こるのか? という処が、体系的に理解できていなかったのですが、この書籍をかりて、ちょっと、大切な処をまとめてみました。

ゲノム(DNA)の「変異」について、こんなにレベルが、ある事も知りませんでいたので、読みやすく、まとめて書かれていましたので、だいぶ、端折りましたが、大まかな変異について、抜粋してみました。

また、「遺伝子組み換え」の技術は今も有りますが、ものすごい手間がかかる様です。

だが、ゲノム編集は、『クリスパー』と呼ばれる最新技術を使い、直接、ゲノムを入れ替えることができる技術ですが、まだ未知の部分もあり、途上ですが、すでに世界各国の企業は、この技術の特許を求めて、水面下で、色々なことが行われています。「特許」の争奪戦になっているようです。

もしかしたら、「人工知能」以上の革新・進化になることは間違いないが、使い方を間違えれば、人類にとって「人工知能」よりも悲惨なことが起こりそうな予感もあります。

なぜなら、色々な「病」を治せるばかりでなく、優生学的に優秀な人間を作ることも可能になってくるからです。

尚、「ゲノム編集とは何か」の詳細は、自分で書籍を購入して、読破してください。
「ゲノム編集」は、「人工知能」より、恐ろしい結果に結びつく可能性を秘めている人類の進歩になるように思います。

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1.DNA(ゲノム)とは?

人間のDNAは32億個もの塩基対からなるが、「遺伝子」の占める割合は25%に過ぎません。それ以外の部分はジャンク(屑)領域とみられていたが、実は、生命を維持する上で重要な役割を果たしていることは判明しているが、詳細はまだ不明のままです。

人ゲノムは、「核ゲノム」と「ミトコンドリアゲノム」がありますが、核ゲノムの話です。
なぜ、ミトコンドリアにDNAがあるかといえば、もともと、ミトコンドリアは細胞内にいなかった生命体で、後から、細胞内に入り込み、共生しているからです。

ちなみに、ミトコンドリアゲノムは、女性からしか、引き継ぐことはできません。
なぜなら、精子が受精卵と合体する時は、精子の頭の「核」の部分だけでではありませんが、精子のミトコンドリアのDNAは、除去される仕組みになっている(オートファジー(自食作用)という仕組みによって選択的に食べられ、細胞内から除去されることを明らかにした)、男性側のミトコンドリアDNAは引き継げません。

群馬大学は、2024年2月19日、受精後に父性ミトコンドリアが入ってきたことを瞬時に検知し、分解・除去する仕組みの一端を解明したと発表した。 医療NEWSより

 

 

 

2.遺伝子とは?

タンパク質を作り出すための設計図。。。具体的には、ATGATG・・・という塩基配列からなる情報です。

タンパク質は全部で20種類あり、アミノ酸のつながり方、配列を決めるのが遺伝子です。

人の遺伝子は全部で、約2万1千個でこの遺伝子の数は、下等生物かどうかとは、無関係です。

 

3.DNAの共通性

遺伝子を基にして、各種タンパク質が生成されることを「遺伝子の発現」という。

異なる生物のDNAつまり塩基配列を比較すると、意外なほど共通していて、人間のDNAを構成するゲノム(全塩基配列)の5%は、あらゆる生物に共通していて、線虫、蝿(ハエ)、マウスでも5%の部分は、人間と全く同じです。

チンパンジーと人のDNAは、98%以上共通している。

人と人の場合は、99.9%  違いはわずか0.1%ですが、人のDNAは約32億の塩基対が存在するので、0.1%と言っても、320万個に相当しますので、絶対数を見ると人間のDNAには、多くの違いがあります。

 

4.これらの塩基配列の違いをDNAあるいはゲノムの「変異(Mutation)」と呼ぶ。

この塩基の変異(Mutation)という現象が、色々あります。

最近、ゲノム診断支援サービスを提供する会社が増えてきましたが、この様な「遺伝学的検査」で、このような「変異」を検査しているのでしょう。 しかし、まだ100%に近い信頼性は、無い様です。 まだ特定されていない部分が多数残っていますので。

1)小規模な変異

(1)SNP(スニップ):一塩基多型

DNAに書かれたゲノム(全塩基配列)の特定の場所が、その人によって違うこと。
具体的には、酒が強いか弱いかなど。

(2)SNV(Single Nucleotide Variant (一塩基バリアント))

DNAの突然変異として、ランダムに出現する。主に体を構成する60兆個の細胞が細胞分裂する際に引き起こされています。

・「体細胞」で突然変異が起こった場合は、子孫に引き継がれることは無い。

・精子、卵子など「生殖細胞」で突然変異が起こった場合は、平均では、50個~100個の突然変異を持って生まれてくる。

 

2)より大規模な変異

(1)CNV(Copy Number Variation

CNVとは、通常のDNAからまとまった分量の塩基配列が、抜け落ちたり、逆に重複したりする現象です。分量は、平均すると数千~数万個の塩基対になる。

 

(2)転座(translocation)

人類が誕生した経緯に関わる部分で、異なる染色体の間で、ある部分と、ある部分が、入れ替わってします現象です。

具体的には、同じ霊長類でもチンパンジーやゴリラなどは、24対(48本)の染色体を有しているが、人類は23対(46本)しかない。 ある2種類の染色体が合体(転座の一種)することによって人類の誕生を促した。

 

3)最も大規模なDNAの変異

染色体の「異数性」 :染色体の数が通常と異なる現象です。

(1)モノソミー:通常ペアで2本あるべき染色体が1本になってしまう。

(2)トリソミー:逆に1本増えて、3本になってしまう。

■21番染色体のトリソミーが、ダウン症候群を引き起こす。
■13番染色体のトリソミーが、パトウ症候群を引き起こす。
■18番染色体のトリソミーが、成長障害 エドワーズ症候群を引き起こす。
■性染色体のトリソミーが、クラインフェルター症候群ターナー症候群を引き起こす。

(3)テトラソミー:染色体が4本になる

(4)ペンタテソミー:染色体が5本になる

これらの異数性は、精子や卵子などの生殖細胞が減数分裂する際に、染色体が正常に分離できなかったことにより、ひきおこされる。

これらの異数性が発生する確率は、SNP、SNVと比較すると非常に小さいが、例えば、

染色体異常(主に異数性)を発生する確率は、
・20代の女性が出産する場合、500人に1人、
・35歳では200人に1人とされる。

「結婚適齢期」などは無いが、「出産適齢期」なるものは、必然的に生き物ですので存在します。 晩婚化の時代ですが、「卵子」だけでなく、「精子」も老化・劣化が、同じように35歳くらいから進んでゆくようですので、高齢になると「染色体異常」の発生するリスクが、高くなります。

 

これより、ゲノムが、最も変異を起こす要因は、「ウイルス」でしょう。このウイルスにより、生物は大きく変化、進化することもあるのです。

 

5.エピジェネティクス(epigenetics

DNAの塩基配列の異常、変化ではなく、遺伝子の転写機構の異常によって引き起こす、病気や体質の変化を研究する分野で、「エピジェネティック」と呼ばれ、現在、高い関心を集めています。

この現象は、元々、変化に対応できなかった場合に備えて、遺伝でもない、突然変異でもない事が、環境の変化によって生じる様にプログラムされた機能かもしれません。

この分野は、もう少し、DNA、RNAの仕組みまで、理解しないと、私の頭では、難解です。
新書を1冊くらい読んだだけでは、とても理解できませんので、もう少し、詳しく、お勉強してからにします。

 

 

最後に、

「生命の大躍進」で云えば、猿から、二足歩行の類人猿、ホモサピエンス(現在の人間)に進化した過程で、何が影響したのか、遺伝子か、環境か、ハッキリ分かっていませんが、確実にDNAレベルで変化が起こっている事は確かです。

例えば、猿よりもっと前の人間の祖先、ネズミが、「卵」を産んでいた時代から、胎盤を持った「哺乳類」に進化したのも、ネズミさんの時代(恐竜の時代)に、「レトロウイルス」が、蔓延して、そのレトロウイルスの遺伝子がネズミさんに取り込まれて、哺乳類が、お腹の中で子供を育てる機能(胎盤)が宿ったそうです。これは日本の研究者が、ノックアウトマウスで、胎盤の遺伝子を欠損させて、遺伝子の位置を見つけて、調べてみると、なんと、「レトロウイルス」のゲノム解析から、人間の「胎盤」を作るゲノムが同じな事を突き止めたそうです。

胎盤の機能として、ウイルスが人間の細胞に侵入する仕方をちょっと勉強すれば分かります。もう一つ、人間の母親の「胎盤」の機能は分かりますよね。 お母さんの中に、 もう 一人の人間が居るのですから、胎盤が有るから、子宮内で赤ちゃんが、異物としてではなく独立した存在として、お腹の中に居られる仕組みです。

もし、DNAレベルの変化だとしたら、はて、上記の遺伝子の異常のどの分類に入るのか?

転座以上の大規模な変異になるのでしょうか? また、課題を残してしまいましたが、分からないことがあると、いつ解明できるか。。。また書籍を探し、いつか分かる日まで、楽しみに取っておきましょう。。。。

 

参考文献
ゲノム編集とは何か 「DNAのメス」クリスパーの衝撃

 

エピジェネティクス――新しい生命像をえがく

 

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