【育児必見】愛着障害について 「愛着」とは何ぞや。。「愛着」が、なぜ必要かについて

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2017年7月17日、
本日は、3連休ですので、ちょっと、たまった記事を分散してみました。

脳のトラブルを大きく括ると、発達障害、パーソナリティ(人格)障害、愛着障害の3つに分類できるように思います(他にもたくさん、脳の配線に問題のある障害もありますが)。その中の「愛着障害」についてです。

まず、「愛着」とは何ぞや。。「愛着」がなぜ必要か。。。という処から。

いつも思うのですが、生後の3歳くらいまでは、養育環境って、ものすごく、幼児にとって大切で、一生を左右する、将来、幸福に暮らす為の人間を形作る時期です。

ですので、親も頭の配線が狂っていれば、子供も影響を受けてしまう場合がありますが、誰も責任を取りません。現代社会では、発達障害で訪れた患者をの症状をよーく分析すると、大人の場合は、「ADHD」や「ASD」ではなく、愛着障害の場合が多々あることが分かってきています。

1.「愛着」とは何ぞや、「愛着」がなぜ必要か

1)「愛着」とは何ぞや?

これ、保育園や幼稚園の先生に聞いても、ちゃんと答えることのできる「先生?」が少ないのですが、何を学校で勉強しているのでしょうか?

子供は、生まれて「目」が見えるようになってもすぐは、他人を見分けることがまだできません。生後6ヶ月頃より、幼児は「母親」をはっきりと見分けることができる様になります。

ですので「人見知り」もこの頃から発生します。2歳頃までの期間に、身近な特定の養育者に対して守ってくれる人に依存する感情「愛着」を抱きますが、これが満たされない状態で養育されると、愛着形成が上手くゆかず、成長過程で「愛着障害」になります。

 

2)愛着形成

幼児は、生後6ヶ月頃より、2歳頃までの期間に、身近な特定の養育者に対して守ってくれる人に依存する感情「愛着」を抱きますが、これが満たされない状態で養育されると、成長過程で「愛着障害」になります。

三つ子の魂、百まで」と云いますが、まさに、このことで、3歳位まで、自分が安心できる居場所(安全基地)が無い状態で、育つと、人との関わりで、色々な問題を引き起こしてしまいます。

人間の脳は成長過程の中で、徐々に配線(脳内ネットワーク)が組まれて行きますが、劣悪な環境下では、それが阻害されると言うことです。

幼児が、お母さんにべったりで、居なくなると泣き叫びますが、だんだん居なくても、泣かなくなるのは、幼児は養育者を、探索のための「安全基地」として使い始め、慣れてくるので、安心できる存在があってこそ、安定した精神状態でいられるのも、愛着を育てる事が出来たからです。

養育者は母親でなくてもいいが、愛着を育てる為には、養育者が頻繁に入れ替わるのではなく、長期的に同じ人が面倒を見る必要があります。世界大戦下のドイツの病院で、看護婦さんが、交代でちゃんと乳児の面倒を見ても、死亡する確率が高く、母親では無くても、特定の人に持続的に養育されないと、命さえ危うくなるという研究結果も有ります。

 

3)もう一つ、母子分離

甘やかされ過ぎて育つと、母子分離ができず、大人になって「困った子ちゃん」になる例として、こんな女子がいます。 この時期の幼子は、「愛着形成」ともう一つ「母子分離」が上手くできるか、どうかにかかっています。

興味のある方は、下記の記事を参照してみてください。大人になって、社会の中で、やはり生きにくい、生き方になってしまうでしょう。

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2.なぜ「愛着障害」がまずいのか?

この障害は、発達障害のように先天的な生まれ持った「脳」の障害では無く、生まれてきた後の通常、母親と愛着形成に問題がある場合に生じてくる障害です。

障害というより、「自己防衛本能」に近いもので、脳に異常な思考パターン、行動パターンが固定されてしまう状態になっている。

親にネグレクト、虐待(DV)されたり、親と早くに死別したりすることが原因とされていますが、親自身が被虐待児だったり、人格障害・精神障害を抱えていたり、親同士が不仲で離婚していたり、子供は親を選べませんので、被害をもろに受けてしまいます。また、極端に「過保護」に育てられた場合も、同じような症状をきたします。

 

1)愛着形成に問題があると、なぜ? ダメなんだろうと言う根本的なところは、

人類も、その他の哺乳類も同じですが、脳の構造、仕組みによるところが大きいように思います。脳は、情報を伝達するのに「脳内神経物質」を使って、前頭前野、側坐核、偏桃体、海馬などと連携を取り、人格を形成するのですが、生後、生き物として育つのに重要な行動が阻害されると、成長してからも、脳のネットワークの連携が変化してしまい、上手くゆかなくなる様に思います。 ですので、脳の仕組みがある程度出来上がる歳月の間は、ちゃんと母親など特定の面倒をみる人が必要なんだと思います。

ADHD、ASDなどの発達障害は、ほぼ生まれつきのものですが、「愛着障害」は、主に幼いころの養育・人間関係などの環境要因に基づくものです。そして、ちょっと厄介なのが、発達障害愛着障害は、とても見分けにくいことがあるようですし、この生まれつきの障害により、「愛着障害」も一緒に発症してしまうことも、あり得ることでしょう。

もう一つ、
医学的に「パーソナリティ(人格)障害」などの精神疾患としてとらえがちな症状は、実は、「愛着障害」のパターンが、非常に多いと云っています。

つまり、医学的に薬などで、治療するのではなく、この障害のもとは、親などの人との関係を改善することによって回復することが多々あるという事を言っています。

ですので、本人の問題だけでなく、幼いころから、養育してきた親とのかかわりですので、簡単に言えば、親を治せば、親との関係を改善させれば、回復する事柄がたくさんあるそうです。 そして、岡田先生のところに来るまでは、「パーソナリティ障害」扱いされている場合が、多々あるそうです。

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3.乳児の、親密さを維持するために広範囲に愛着行動を示す。

乳児は、親密さを維持するために広範囲に愛着行動を示すことがありますが、下記のパターンに分類されます。 「愛着障害」(岡田尊氏 著)から参照

私見ですが、結婚適齢期になり、異性とお付き合いをするときも、幼少期の脳の配線パターンを引きずっていますので、成人していても、下記の様な特異なパターンで、人に接してくることがあるでしょう。

その時に、「愛着障害」を背負った相手のパターンをちゃんと見抜けるかどうかは、あなた次第です。 何も知らないと、振り回される確率は高くなるでしょう。

1)行動を支配する愛着のパターン

母親から離された時の行動と、母親と再会した時の行動

■安定型(60%強)
再会を喜び、近寄ってくる(通常の愛着行動)。

■回避型(15%から20%)
引き離されても、ほとんど無反応、再会しても、目も合わせず近寄らない。

■不安型(10%程度)
引き離されると泣き叫んで、強い不安を覚えるが、母親と再会した時は拒絶してくる。

■混乱型
回避型と不安型を併発している。虐待を受けている子供や精神的に不安定な場合に多い。

 

2)統制型と3つのコントロール戦略

 不安定な愛着状態におかれた子供では、3,4歳の頃から特有の方法によって周囲をコントロールすることで、保護や関心が不足したり不安定だったりする状況を補うようになる。

■支配的コントロール
暴力や心理的優越によって、相手を思いどうりに動かそうとする戦略。

■従属的コントロール
相手の意に従い恭順することで、相手の愛顧を得ようとする戦略。

■操作的コントロール
支配的コントロールと従属的コントロールが、より巧妙に組み合わさったもので、相手に強い心理的衝撃を与えて、同情や共感や反発を引き起こすことにより、相手を思いどうりに動かそうとする戦略。

 

3)私の知っている例では、

青年に達していても、悪い奴ではないのですが、年上の人間に、急になついて、人との距離の取り方が分からない人間に合った事は無いでしょうか?

結婚して、2人の子供までいるのですが、子供のように嫁に、どうしようもなく、べったりくっ付いてしまう行動を取り、嫁に嫌われて、離婚した若い男性を知っていますが、話を聞くと、やはり幼いころの養育環境が影響している様に思われます。 嫌われた事に気がついても、どうしたらよいかわからないのです。嫌われた事に気がついてても、その時はもう遅いのです。

普段、会社の中でも、自分に親切にしてくれる人に、異常に接近してきて、ちょっと、うっとうしがられますし、冷たくすると、逆にすごい態度で接してきます。 一見、人懐っこくて良いのですが、やはり、他人との距離の取り方が下手で、相手が限界を超えると、嫌われてしまいます。

「愛着障害」は、幼児が養育者との関わりで発生しますので、先天的な物ではないので、防ぐことが可能だと思います。だた、「親(養育者)」自体が「発達障害」、「愛着障害」を抱えている場合、子供が小さい時にちゃんと「愛着」を育てさせることが可能なのか、と云う事もあり、非常に難し問題でもあります。

 

■愛着障害 子ども時代を引きずる人々

 

■愛着障害の克服 「愛着アプローチ」で、人は変われる

 

愛着障害」、「サイコパス(精神病質)」などは、自分で身銭を切って、書籍を購入して、自分で学習して下さい。得る物は、非常に大きいと思います。

「岡田尊司」氏著 上記の3冊を10回くらい読むと、大体、理解できると思います。

生後、生まれてきた後の養育環境によって生じるのが「愛着障害」で、発達障害や人格障害と間違えられやすいと云われています。

関連記事
・岡田 尊司氏の著書3冊紹介します。 最新版「愛着障害の克服 「愛着アプローチ」で、人は変われる」

【面白記事:重要】 “普通の子”たちがなぜ凶悪事件を…危ない親子関係の傾向

 

4)「保育園落ちた日本死ね」の書き込みに思うのですが、

1歳にも満たない子供を保育園に預けて、働きに出る。。。。。貧乏や、シングルマザーなら致し方ないが、身分不相応に家を建て、ローンを抱え、夫婦とも稼ぎに行かなくてはならない状況を作ってしまう場合も十分あるだろう。

幼児を抱えた「母親」には、大切な、大切な「役目」がある事をお忘れか?と思うのですが。もしかして、わずらわしい子育てから、一時でも逃れる為に、働こうとしている輩は居ないでしょうね?

幼児を抱えた、貧乏でも、貧困でもない「母親」が、無理矢理、社会で働くことが「一億総活躍社会」か? この国、どこかおかしい。。。と思うのですが。。。

子供を、まともな大人に育てることは、国力に繋がるのですが、「そんなの知ったことではない!」状態に陥っている。

関連記事
・はてな匿名ダイアリー、「保育園落ちた日本死ね」の書き込みに思う。

・NHKスペシャル「ママたちが非常事態!?」 子育てがつらすぎる! なぜこんなに不安で孤独なの?私って、母親失格? 母親になる前に知っておくべき「脳」の仕組みについて。

 

追記
この記事を書いている間に、書籍1冊が、関連性があり、気になりましたので紹介します。

1)「ひきこもる女性たち」 池上正樹著

女性の引きこもりはあまり意識したことは有りませんが、男性の様にカウントされない引きこもりの方が居るのを初めて知りました。

「心の傷」、「性暴力」、「トラウマ」、「発達障害」など、男性よりも女性の方が、傷つきやすく、ダメージ(被害)を受けると、中々、回復するのが困難です。

私は「フェミニスト」ではありませんが、「男社会」の中で、特に女性の方には、とにかく「生き抜いて」ほしいと云う思いが有ります。

「戦闘」する「脳」を身につけてほしいと思います。 社会学者の上野千鶴子さんの様に。。

関連記事
・「引きこもり」が高年齢化。。。の記事に思う。

 

4.最後に、

色々、脳科学、人類学などの書籍を読み漁り、感じるのは、自分と云う人間は、全部、自分の意志で、すべて「行動」しいていると思っていたら、それは大きな間違いと云うことです。

なぜなら、人類も脳の「無意識」下の部分に支配され、突き動かされている様に思います。脳内の色々な部位や脳内ホルモン(神経伝達物質)などによって、突き動かされている。それに「腸」の中には100兆個を超える細菌が入っていますが、それも人間の精神活動に影響しています。

「歴史は繰り返す」と云いますが、人類の愚かな歴史も、「脳」の特性上、最悪な人間を、狂ってしまった「脳」を持った人間を、無意識に選択してしまい、気が付くと最悪な状態に陥り、延々と愚かな歴史が繰り返されているのが、人類なのかもしれません。

不思議なのは、「脳」が使うエネルギーの内訳です。
・意識活動に5%
・脳細胞の維持・修復に20%
・無意識活動に75%

人類って、ほとんど、無意識で動いているのか?。。。。自分の自由意思で動いている時は5%しかエネルギーを消費していません。しかも、注意している処しか観ていません。

未だに「意識」、「無意識」が、どのように出来上がってくるのかも、分からないのです。

神経ネットワークと神経伝達物質などを合わせたバランスが、外的な刺激、遺伝的要素によって崩れた時に、体や行動までおかしくなる様に思います。

人工知能は、まだ「計算」しているだけですが、人間の様に心を持ち、人間と同じように「弱さ」を身に付けてしまうと、同じように気が付けば「化け物」の様な人間に支配されて殺し合いが起こる可能性があります。

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以上のようなことから、
この幼児期の「愛着形成」が上手くゆくように子育てをすることが、重要になってきます。他にも、生まれつきの障害などもありますが、「愛着障害」とは、親の資質、環境にもよりますが、養育過程で改善できる、唯一の「障害」ではないでしょうか。

崩壊家庭における愛着障害
https://www.hitachi-zaidan.org/mirai/02/paper/pdf/okada_treatise.pdf

 

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