【書籍紹介】2019年 今年、読んで良かったと思う書籍をまとめてみました。 メインは社会学、脳神経学です。

pile of assorted-title books

2019年11月、
今年も残すところ、一ヶ月になりました。今年の後半、読んで良かったと思う書籍をまとめてみました。

人それぞれ、興味のある事柄は違うでしょうが、テレビやネットでそれほど話題になってはいないけど、今、社会で問題になっている事柄が、数多く存在します。

「How-to」本や、「自己啓発」本を今更読んで、目先の勉強するのも良いのですが、30、40歳にもなって、「社会」で起きていることに関心が浅い、認識できていないと云うのは、仕事ができる、できない以前に、心の中、頭の中が「おチビ(20歳前後)」ちゃん達とたいして変わらないだけでなく、そこから成長していないのです。

ネット社会が発達したと云っても、「腐れガキ」と同じように、社会に出て10年以上経ったも、バカ動画、エロ動画、バカ漫画しか観ない生活習慣で、極めて、狭いレベルの低い集団の中で毎日、社会生活をおくっていれば、頭の中は、半径5m以内しか感知できない「おチビ」ちゃん達や、「脳」に何も詰まっていないくせに、ただクソ生意気な「女・子供」と同じレベルでしょう。

 

1.日本の社会について

私ごときが、日本の社会を語るのは、ちょと、はばかるが、いろんな年齢、どの階層に位置しているのかによって、世の中の見方が全然違うのでしょうし、例え気が付いたとしても、そこから、抜け出すのは困難を極めますので、今の居場所でやってゆくしかない。

ただ、どんな世の中で、どのような階層があり、自分の位置はどの辺に存在するのか、悲観せず、落胆せず、考えてみるのも良いのではないかと思います。

そうです。慣れ親しんだ「半径5m以内の世界」ではなく、少なくても「Googleアース」で日本列島を見渡すくらいの「俯瞰(ふかん)」的な見方で、日本を覗いてみるのも良いものです。

 

歴史社会学者の「小熊 英二」氏の書籍を2冊と「橘 玲」氏の1冊を紹介します。

1)日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学  小熊 英二 (著)

目次
第1章 日本社会の「3つの生き方」
第2章 日本の働き方、世界の働き方
第3章 歴史のはたらき
第4章 「日本型雇用」の起源
第5章 慣行の形成
第6章 民主化と「社員の平等」
第7章 高度成長と「学歴」
第8章 「一億総中流」から「新たな二重構造」へ
終章 「社会のしくみ」と「正義」のありか
————————————————

現代日本での生き方を「大企業型」「地元型」「残余型」の3つの類型に分けて説明しています。 60年代後半から70年代のはじめに完成したその構造を「社会のしくみ」と呼んでいます。

「大企業型」が約26%、
毎年、賃金が年功序列で上がっていく人たち。大学を出て大企業の正社員や官僚になった人などが代表です。

「地元型」が約36%
地元にとどまっている人。地元の学校を卒業して、農業や自営業、地方公務員、建設業などで働いている人が多いです。

「残余型」が約38%
平成の時代に増加してきたのが、所得も低く人間関係も希薄という「残余型」。都市部の非正規労働者などがその象徴です。

この3つの類型に分けて、国民を階層構造に分類すると、世の中で起こっていることが、3つの類型では、不満の持ち方が違うでしょうね。

こんな階層構造で分類で区別すると、今まで見えなかったものが、見えたり、見えなくなったりすることが認識できます。

■「大企業型」の場合は、日本的経営の特徴は、「終身雇用」「年功序列」「企業内組合」の3点であるが、これが崩れてきているといわれているが、しかし未だに維持されている。

学生に求める人材も、何を学んだかではなく、どの大学に入学できたのか、偏差値でしか評価していない。

一方では、
先日、テレビ東京の番組で、経団連加盟の大手トップが、「企業が求める人材は、どう変化したか」で、トヨタの副会長が、「グローバル化に対応できる人材、ITリテラシーの高い人材」これが国内で足りなくて、競争で取り合いになっている状況になっている。そして、これを大学に助けてももらい、連携してゆくことが必要と。。。

本当に、今更ながら、空いた口が塞がりません。 遅い!のです。 気が付くのが。
今まで、学生を「偏差値」でしか見ていなかったくせに、今更です。

これから、増々「知識集約型の高度な情報処理能力」が必要な時代になってきます。

学生の皆さん、「ジェネラリスト」より、「スペシャリスト」を目指して専門分野を在学中に勉強して、将来を目指したほうが、くいっぱくれがないように思いますが、いかがでしょうか。

現在、「人工知能」ブームが到来して、2040年ころに「シンギュラリティ」が起こると言われていますが、今までと同じ、会社組織での労働環境なら、まだまだ先の話でしょう。

日本の場合、「大企業型」26%、「地元型」36%、「残余型」38%と言われていますが、どこがメイン「エンジン」なんでしょうか? それともハイブリットエンジンか?

それとも、「大企業型」26%が「頭」で、「地元型」36%、「残余型」38%が、手足・胴体なんでしょうか。

年収が200万円台でも、とりあえず、食ってゆければ、暴動を起こすような問題を起こすべくもなく、経済格差の広がる中、選挙が一番いい例ですが、世の中、政治にさえ関心を持たず、風呂で屁をこいた位の文句しか言わずにひっそりと生きてゆく。

■「士農工商」の時代でいえば、百姓は「生かさず殺さず、一揆を起こさず、そのまま政治にも無関心で、年貢を納めていればいいい。。。。

■現代社会で云えば、「地元型」36%、「残余型」38%は「生かさず殺さず、暴動を起こさず、そのまま政治にも無関心で、税金を納めていればいい。。。。

これが、支配者、権力側の人間の思うところでしょう。

人類学的には「ホモサピエンス」は、弱さ故に、集団で生活するようになり、生き残ってきましたが、何万年たっても、「民主主義」など、とうそぶいても、何も変わらないのだなーと思います。

 

2)私たちの国で起きていること 朝日新聞時評集  小熊 英二 (著)

数ページで、一遍終わる「時評集」ですので、とても読みやすく、その中に、ぎゅっと凝縮された強烈な言葉が込められています。

例えば、下記の文章は、

その変動とは、人々の個人化が進み、関係の安定性が減少していく流れである。それは、人々が固定化した関係を嫌い、自由になろうとすることで促進されている。

そこからはプラス面とマイナス面が表れる。

まさに、「変動」という事で云えば、貧乏な時代は、みんな寄り添って暮らしてきたが、経済が成長して、ある適度、貧乏でも食ってゆけるようになると、核家族化してき、みんな自由になると同時に、格差が広がり、食っていけないほど貧乏ではないが、何一つ経済的に余裕のない相対的な貧困化が進んでしまう要因でもあります。社会が階層化してきて、それが固定化してきています。

「士農工商」の時代でいえば、百姓は「生かさず殺さず」です。

現代版、「自由」の代償ですか。格差があるから相対的貧困で、どちら側にいるかでですが。

 

3)上級国民/下級国民 橘 玲 (著)

「橘 玲」氏の書籍は、以前に出版されてたものを読んでいると、なおの事、守備一貫した内容がぶれずに記載されていて面白いのです。

社会を色々な角度から、階層に分けているのですが、雇用の側面からも、人類学的な側面からも、面白く、記載されいます。

– 目 次 –
「下級国民」の誕生
1平成で起きたこと
2令和で起きること

「モテ」と「非モテ」の分断
3日本のアンダークラス
4「モテ」と「非モテ」の進化論

世界を揺るがす「上級/下級」の分断
5リベラル化する世界
6「リバタニア」と「ドメスティックス」
—————————————————

特に、4「モテ」と「非モテ」の進化論などは、本当に面白い、人類学的に見てもそう思います。欧米、日本の最近の大きな殺傷事件の犯人像を観ても、「モテ」と「非モテ」が、関係しているといっています。

「女どもが、だれも相手をしてくれなかった」と。。。そして「自爆」してしまう。

私的には、「どうしようもなく、誰からも相手にされない奴」は、「どうしようもなく、自分が、どう見られているか認識できていない奴」かつ、「自分を変えることのできない、変える能力のない奴」だと思う。

食う虫も好き好き」と言われるように、様々ですが、出会う確率は極めて低いのです。

そこに気づいて、自分を変えるか、偽装する心が無ければ、「女どもが、だれも相手をしてくれなかった」と、負け犬の遠吠えを一生するだけです。

「ありのままー」なんて通用するか! 「ありのまま」がダメだから、だれも相手をしてくれないのが、認識できていないのです。

そして、この問題は、本人自身のせいではなく、頭(脳)に障害を持っている場合や生後の養育環境も大きく影響して、本人の性格の問題ではなく発生する場合が多々あります。 そして社会の問題でもあります。

私など、「性愛」などとは、関係のない処に来ていますが、若い女性に、「良いお父さん」、「エロ親父」と言われても、近づいて、仲良くしてもらえるように努力します。私が、若い女性に期待しているのは「性愛」ではなく、可愛さ、無邪気さ、冷酷さ、身勝手さ、甘えくらいでしょうか。これが分かっていれば、相手に振り回されることは無いのです。

寂しくて、飲み屋のお姉さんの処に何とかしたくて、通うような努力は「金」がないので、一切しませんが、若い女の子のお友達なら沢山います。思うのですが、「彼女が欲しい」を丸出しにしている、若い男の子には、女の子はあまり近寄りたがらないのです。 そこが、どうも分からないようで、誰も気が付きません。

本書の中で面白いことを言っています。

男と女では「モテ」の仕組みがちがう。

進化論的には「愛の不条理」とは、男の「乱交」と女の「選り好み」の利害(性戦略)が対立すること。

この「面倒くささ」を「勝ち抜いた」としても、「幸福」になれるとは。。全く限りません。

「人生」とは、生きている間、いかに上手に「暇つぶし」ができるか。。。特に歳をとってくるとなおさらです。生れつき「脳」機能に柔軟性がないと固執してしまう。 怒りっぽくなる。

 

2.ヒトの仕組みについて

日本を「俯瞰」的に見るところから、今度は、人間の「脳」の中を覗き込む事にしましょう。

人間は、皆、一人ひとり、自分の意思で行動していると思ったら、大間違いです。

自分の脳に支配されています。 その支配(配線構造)している脳は、生まれていからの環境で大きく変化して、普通の人間にもなるし、「バケモノ」の様な脳をした人間にもなります。

<生まれてくるときに親を選べないのです>
普通の親に、普通に育てられるかという事が、いかに難しいことか、そこからはみ出すと、生きにくい生き方を送らなければならなくなります。 過酷な環境で、生きてゆかなくなくてはならなくなるのは、本人のせいでは無く、殆どの場合は、親のせいでしょう。

虐待、ネグレクトどれも、「病んだ親」の仕業です。 これをなくすには、「病んだ親」を無くす事ですが、病んだ親の「脳」を治すのは、現代医学でも難しいいでしょう。

ヒトは、「脳」が狂うと、社会的な生き物として、幸福に生きてゆけなくなるのです。

子供の脳の配線は見えませんので、低能な親にはそんなことは理解していませんし、認識不能でしょう。 おそらく、親と同じように、社会の中で「生きにくい」生活を送る羽目になるのです。 このように連鎖するので、始末に悪いのです。

これは、どの階層にいる親でも同じで、頭の配線のおかしい人間は、下層の人間だけとは、限らないのです。 「毒親」然り、「発達障害」、「愛着障害」、「人格障害」など、社会の階層に関係なく、精神疾患を背負った親が存在しています。

 

「ダイバーシティ」の問題
ダイバーシティと云っても、人種、ジェンダー、LGBTの問題も在りますが、極めて認識の薄い「ニューロダイバーシティ神経構造の多様性)」の問題です。

・性別、年令
・ワークスタイル(価値観)
・障害者
・LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーなどの性的嗜好)
発達障害など脳の障害

この中で、教育のカリキュラムに入っていなかった自閉症などの脳の発達障害の問題は、国民の大多数は「無知」の状態でしょう。

自閉症(ASD)、ADHDなどの発達障害などを含めると、「ニューロダイバーシティ神経構造の多様性)」というキーワードの方が、この先、重要になると考えます。

 

上記のような事がなぜ起こってしまうのか? ヒトの「脳の仕組み」をちゃんと認識すれば、悲劇の源が、少しでも理解できるでしょう。

1)ヒトの発達の謎を解く 明和政子(著)

目次
序章 ヒトが直面する二つの危機
第1章 生物としてヒトを理解する
第2章 学習し続ける脳と心
第3章 他者の身体なくしてヒトは育たない
第4章 脳が集中して学習するタイミング
第5章 発達の本質が崩れるとどうなるのか?
第6章 人類の未来を考える―ヒトが育つための条件
——————————————————-

ヒトの発達
ヒトの子供は、生まれ、25歳くらいに達するまでに、どのように脳が発達してゆくのか、生きてゆく上で、養育環境により、「脳」が、どのように影響を受けてしまうのかが論理的に記載されています。

人間がまともに成長するには、いかに幼少期の社会や親との関係が重要か、ヒトの脳の機能、いかに「脳」が発達するのかが、読んでいて認識できるでしょう。

神経細胞の刈り込み
脳の機能で面白いのは、1つ挙げると、神経細胞の刈り込みで、胎児や生後1歳、思春期の各段階で、脳神経細胞がフルスペック状態になった後、使わないネットワークを刈り込んで切断してしまいます。 例えば、言語を覚える時期にその環境に育たないと(狼に育てられたなど)一生、言語を使いこなすことができないでしょう。 目も、生まれてすぐ、目をふさいでしまえば、脳の「視床下部」の視神経が刈り込まれ、一生、目が見えない状態になるでしょう。

よく「お前、脳みそ入っていないだろう!」と云いますが、完全に間違っています。

「脳みそ」が、入っていないのではなく、神経細胞ネットワークが刈り込まれていて、ニューロン(神経細胞)が、ちゃんと「シナプス」で繋がっていないだけです。 例えシナプスで繋がっていたとしても、神経伝達物質が出なかったり、受容体で受け取れず、正しく情報が伝達されなくなるのです。 悲しいですが。。。

本書では、生まれてから、どのような時期に「神経細胞」のネットワークが、構築されてゆくかについて、タイミング(時期)も含めて記載されています。

親の資質も含めた養育環境
愛着障害」がなぜ発生してしまうのか、なぜまずいのか、が、この1冊で分かり、愛着がどれだけ大切かも理解できると思います。 将来、子供を産み、育てる可能性のある女子には、必携の書籍です。

現代社会の中で、上位ではなく、下層の方で大きく変化、変動していますが、少子高齢化の中でも、子供を身近で育て上げるのは、母親ですが、この養育者が狂っている状態が、親子代々連鎖すると、取り返しのつかない事が起ってしまいます。

ただ、産めや増やせの問題ではなく、質の高い子育てができる環境を作れるかどうかも重要で、人を観る目が無い女性が、クズと結婚して、ダメと分かり離婚して、子育てに困り、貧窮しても、自己責任としてとらえるのではなく、もっと安心して子育てできる環境を与えてあげる社会福祉的な考え方がもっと必要でしょう。

 

2)ケーキの切れない非行少年たち  宮口 幸治 (著)

目次
第1章 「反省以前」の子どもたち
第2章 「僕はやさしい人間です」と答える殺人少年
第3章 非行少年に共通する特徴
第4章 気づかれない子どもたち
第5章 忘れられた人々
第6章 褒める教育だけでは問題は解決しない
第7章 ではどうすれば?1日5分で日本を変える
————————————————

児童精神科医の著者は、多くの非行少年たちと出会う中で、何で悪いことをしたのか「反省する以前の子ども」が沢山いるという事実に気づき、少年院には、認知力が弱く、「ケーキを等分に切る」ことすら出来ない(丸いケーキを3等分にできない)非行少年が大勢いたが、問題の根深さは普通の学校でも同じなのだということを実感したそうです。

人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々に焦点を当て、困っている彼らを学校・社会生活で困らないように導く超実践的な方法(メソッド)を公開しています。

今の学校教育の中で、

先生は、少年院などで子供たちを見ている過程で、問題を起こして、少年院に入ってこなくても、軽度知的障害(知的障害の8割)、ボーダー(境界知能)の人たちは、知能検査で、問題なしと判定され、認知機能が低いのですが、健常者と見分けがつかなくなり、「忘れられた人々」として、普通の学校でも、困っている子供たちがたくさん居ると言っています。

普通の社会でも、困っている大人たちがたくさん居ると考えると、社会の中で、色々なものが見えてきます。

先生は、「忘れられた人々」と言っていますが、私は、ある程度見えますので、忘れてはいません。頭を傾げてしまう「不思議な人々」とでも言いましょうか。

発達障害に注意を向けていましたが、知的障害にも目を向ける必要があるように思います。

 

この人、何者なんだろう?。。。という不思議な人たち
私の場合、長期間、色々な業種の会社(中小零細企業)を定期的に訪問しているのですが、 通常の日常会話は、なんとかこなせるのですが、どう考えても不思議な人たちが、見え隠れします。

私には、幽霊は見えませんが、発達障害、愛着障害、人格障害などの特徴を持った人は、大体、分かりますが、その中でも、ちょっと分かりにくいのが、ボーダー(境界知能)と呼ばれている人がいるのです。

この人、何者なんだろう?。。。という不思議な人たちです。

今回、この書籍を読んでいて、分かりましたが、どんなことをしても、仕事ができない人がいるのですが、人手が足りない為、あろうことに、経営者は、不向きな事務仕事をさせてしまうのですが、周りが困ってしまうくらい仕事できず、困った人のですが、ほぼ、1社に1,2名くらい存在します。

もちろん、中小零細企業ですので、まともに「入社試験」などを実施して採用していませんので、しょうがないと言えば、その通りなのですが。。。。。。。

働き方改革」などと掲げていますが、中小零細企業などの働き方改革など進まないでしょう。

補足説明———————————————————-
知的障害
■IQ:70 – 85 ボーダー(境界知能)と呼ばれている 知的障害者とは認定されない。
■IQ:69以下が、知的障害(IQにより、軽度、中等度、重度の分けられる)

認知機能とは
外界を正しく認識し、正しく実行するための機能のことで、記憶力、知覚、注意力、言語理解、判断、推論などの幾つかの要素が含まれた知的機能を指します。

歳を取って「認知症」になる場合もありますが、若くても「認知機能」に偏りのある人もいるのです。

人間は、皆、同じ物を観ていると思ったら、大きな間違いなのです。 観る人によって、大きく違っている場合が、多々あるのです。「認知」の差が生じるのです。どうしてもです。

それは「脳」の配線(シナプス)と脳の機能部品の性能が、一人ひとり違うからです。

————————————————————————

3)誤解だらけの発達障害  岩波 明 著

脳の障害に関する書籍は、新刊書をメインに、もう百冊を超えるほど読んでいますが、この書籍は、よくまとめられた良書です。

特に、中途半端な知識しか持っていない「無知」な人達にでも、分かるように、よくある誤解点を沢山上げて、分かるように解説しています。

ただ、「発達障害」に、大きく関連している、その他の3つの障害「愛着障害」、「人格障害」、「認知機能の障害」について、それぞれちゃんと学んでいなければ、どんな症状が、どう関係しているのかが理解できていないと、いくら説明しても意味さえも認識できないでしょう。

最近、WHO(世界保健機関)が、「ゲーム症(障害)」を採用しましたが、要は、依存症の一つで、「発達障害」、「人格(パーソナリティ)障害」の影響でも、発症してしまう事もあるでしょう。

目次
第1章 ハンディを乗り越えながら成長した子どもたちの証言(相談しても消えない親の悩み;
子どもたちは自分のかつての言動をどのように感じているか ほか)

第2章 教育こそが改善のための第一歩(発達の遅れをめぐる5つの傾向;
「教える難しさ」「学ぶ難しさ」がすべての根っこ ほか)

第3章 家庭での効果的な接し方・教え方(特別なことではなく、当たり前のことを考える;
子どもが目を見ているか、常に確認し適切な指示を出す ほか)

第4章 学校との信頼関係を構築する(先生たちも悩みを抱えている;
「思うようにはいきません」と話す先生たち ほか)

第5章 発達の遅れを乗り越えるために(教え方はどの子も同じである;
学習には、決められた約束事とレベルアップの仕組みがある ほか)
——————————————————————

 

4)死に至る病 あなたを蝕む愛着障害の脅威  岡田 尊司 (著) 

目次
はじめに――死に至る病とは、愛着障害のことである
第1章 現代人は、なぜ幸福になれないのか
第2章 「現代の奇病」と、生きづらさの根本原因
第3章 生命をつなぐ仕組み、愛着
第4章 オキシトシン系の異常と、愛着関連障害
第5章 愛着障害の深刻化と、その背景
第6章 「大人の発達障害」にひそむ愛着障害
第7章 「死に至る病」からの回復
————————————————

豊かになったはずの社会で、生きづらさを抱える人が増え続けるのはなぜか。

心も身体も苦しく、死んでしまいたいと思う人が増え続けている理由は。

現代に突如現れた、治療困難な数々の障害の背景にある、共通の原因とは。

「愛されず、愛せなくなった」社会、「世話をしなくなった」社会で、生きる意味を見出す術はあるのか。

どの階層にいる親でも同じで、「脳」の配線のおかしい人間は、下層の人間だけとは、限らないのです。

毒親」然り、「発達障害」、「愛着障害」、「人格(パーソナリティ)障害」など精神疾患を背負っている人々は、貧困だからではなく、社会の階層に関係なく存在しています。

昨年度の調査で、いじめ54万件不登校16万人で過去最多を記録、引きこもり、幼児虐待、シングルマザーの貧困問題など、学校で生徒同士のいじめの問題が深刻化している状況で、今度は、先生同士、「脳」の配線が完全におかしい、サイコパスのような脳を持った「女性教員」が現れた。 反省もできないでしょう。なぜなら「反省」するしない以前の脳の「認知機能」が完全に「いかれて」いる。

数は少ないが、定期的に認知機能がいかれた「バケモノ」が現れ、表面化する。

人間がまともに成長するには、いかに幼少期の社会や親との関係が重要か、ヒトの脳の機能、いかに「脳」が、どんなタイミングで発達するのかが、読んでいて認識するしかありませんが、高等教育のレベルでも、未だに教えていません。

人間の脳は成長過程の中で、徐々に配線(脳内ネットワーク:主に前頭前野、大脳辺縁系)が組まれて行きますが、劣悪な環境下では、それが阻害されると言うことです。

 

5)虐待死 なぜ起きるのか、どう防ぐか    川崎二三彦(著)

弱い人間は、自分より「弱い者」を全力で、あたかも無かったかのように「つぶし」ます。

「困窮の中で孤立した家族が営む、救いのない生活」こんな状態に陥れば、人間はほぼ同じことをする。

こんな「動物」以下に簡単に成り下がった「鬼畜」や「悪魔」が、世の中に沢山いる中で、私たちは、普通に生活しているのです。

所詮、他人事なのですが、誰かが犠牲者になる。

ただ1つ言えることは、人間 自分が行った行為でも平気で何も無かった事に出来る「感覚」、「 倫理観」、 「道徳観」など 「脳」が病んでいても、病んでいなくても、自分の都合が悪くなると 何も無かった事にする感情、環境が悪ければ自分の思い通りの行動を平気でしてしまう、動物とほぼ同じような行動をする生き物なんでしょう。いや動物よりダメかもしれません。

とても正常な人間ではないと云うが、正常も異常もない。 元々人間は、「困窮の中で孤立した家族が営む、救いのない生活」に落ちれば、何でもやるのです。

脳が病んでいても、病んでいなくても、何でもありの世界になり、子供が犠牲になる、病んでいない人間でも、自分の周りの環境の劣悪化により、このような状態に、十分になりうるということなんですが、誰も想像しようとは思わないし、加害者をひどいとしか思えない。

元々、頭(脳)の配線がおかしい奴は別としても、劣悪な環境に身が置かれていれば、ひどいことを平気でしてしまうのが人間で、私は大丈夫と思っている事こそが想像力の欠如で、都合のいい勘違いでしょう。

どんなことが、起こっているのか、想像も付かない方は、是非、読んでおいたほうが良いと思います。 ほんの一部の人間だけが、起す事件では無いのです。

人間社会の中で、一番「弱い人間」達が、一番、非道な事を平気で行うのです。

どこにもぶつけるところが無い、自分自身の不遇さを一番弱い身内にさえ、ぶつけてしまうのが、人間の本性でしょう。 この最大の「醜さ」さえ抑えられないのです。

「弱い」人間を救わないと、平気で色々なことが起きてしまうのが、人間の世の中です。そして、子供が大人になり、脳が「破壊」されてしまっているので同じことをする、「連鎖」が発生してしまうのです。

 

「児童相談所」と云う言い方。ちょっとおかしいと思います。

「児童相談」ではなく、「子供を持つ親の相談所」でしょう。

子供に問題があるのではく、親の「脳」に、「行動」に問題があるのですから、ただ、子供を引き離しただけでは、何も問題解決にならない。

子供を育てる「親」が、自分が悪いと相談しに来るわけがありません。

子供を見て初めて発見できますので、児童相談の専門家ではなく、「親の人生相談所」そうではなく、「親の矯正施設」にするような専門家と分離する必要があるのではないでしょうか。

 

教師が「敬遠したくなる」子どもを持つ親の特徴

●親と同伴時に、子どもにあいさつをさせない(来客、近所の人、訪問先、など)
●子どもに食事マナー違反を注意しない(口に入れたまましゃべる、食べ散らかして片付けさせない、食べ物で遊ぶ、出されたものに「嫌い、まずい」などと平然と言う、など)
●スーパーや電車内など公共の場での迷惑行為を注意しない(商品や用具で遊ぶ、床に寝転ぶ、走り回る、など)
●言葉遣いについて教えない(相手の立場に関係ない言葉遣い、「てめえ」「うざい」「きもい」などの言葉を本人、または親自身が使う、不適切なほどの大声、など)
●子どもが言う、他人に対する悪口や批判に同意する
●子どもの反社会的行為や暴力行為を注意しない

子供に「」が必要と云いますが、親が「チンピラ」レベルの場合は、子供より先に、親を誰が躾ければいいんでしょうか? 

必ず居るんです。「脳」が壊れているのに親をしている奴が。 野放し状態でしょう。

 

関連記事
【書籍紹介】脳の意識 機械の意識 – 脳神経科学の挑戦 (中公新書)

【書籍紹介】「毒親」の正体 ―精神科医の診察室から 水島広子(著)

【重要記事:子育て】子どもを「大切に大切に」しながらダメにする親と云う記事が、面白い。

コメント