【書籍紹介】「死に至る病 あなたを蝕む愛着障害の脅威」 (光文社新書) 岡田 尊司 (著)

2019年10月10日、
本日の書籍紹介は、「死に至る病 あなたを蝕む愛着障害の脅威」 (光文社新書) 新書
岡田 尊司(著)です。

精神科医の岡田 尊司氏の書籍ですが、過去に何冊も拝読していますが、ちょっと視点を変えて「愛着障害」が発生すると、どのような影響が出るのか、「死に至る病」として記載されています。

「愛着障害」の場合、生まれつきではなく、生後の養育期間で劣悪な環境下で育つと、脳が機能不全を起こし発症しますが、劣悪な環境下とは、養育者である親の責任でもあります。親の脳が「正常」でないと、育てる過程で、子供の脳も、親の行動や言動により「正常」に育ちません。それも後から問題が起こりますので、親も自分のせいだとは、考えも及びません。

動物もそうですが、特にヒトの場合、「高度な社会性」を身に着けるためには、精神的に、養育過程で、正常な養育者の愛情が無いと、正常な「脳」が形成できなくなります。

決して、大げさではないと、最近、思うようになっています。 何故、そう思うのか?

豊かになったはずの社会で、生きづらさを抱える人が増え続けるのはなぜか。

心も身体も苦しく、死んでしまいたいと思う人が増え続けている理由は。

現代に突如現れた、治療困難な数々の障害の背景にある、共通の原因とは。

「愛されず、愛せなくなった」社会、「世話をしなくなった」社会で、生きる意味を見出す術はあるのか。

どの階層にいる親でも同じで、「脳」の配線のおかしい人間は、下層の人間だけとは、限らないのです。 「毒親」然り、「発達障害」、「愛着障害」、「人格障害」など精神疾患を背負っている人々は、貧困だからではなく、社会の階層に関係なく存在しています。

昨年度の調査で、いじめ54万件、不登校16万人で過去最多を記録、引きこもり幼児虐待、シングルマザーの貧困問題など、学校で生徒同士のいじめの問題が深刻化している状況で、今度は、先生同士、「脳」の配線が完全におかしい、サイコパスのような脳を持った「女性教員」が現れた。 反省もできないでしょう。なぜなら「反省」するしない以前の脳の「認知機能」が完全に「いかれて」いる。

数は少ないが、定期的に認知機能がいかれた「バケモノ」が現れ、表面化する。

一体この国は、どうなっているのだろう?

なぜ、なんだろう? と考える時、今回は、2つの事柄から、世の中の人間たちの「脳」が、どうなっているのか、考えてみたいと思います。

答えは、ファクトは、不明です。
確実に言えることは、モンスターペアレント、モンスタークレーマーも含めて、世の中の下層階級の「自己肯定感」の極めて低い人間たちが、自分のストレスのはけ口を求めて、暴れ始めているのだけは確かです。

現代社会では、何が起こっているのだろう? と不思議に思うと同時に、何が原因だろうとふと、考えてしまい、色々なジャンルの書籍を読み漁るのだか、ふとした事で、腑に落ちる事がある。

 

死に至る病 あなたを蝕む愛着障害の脅威

– 目 次 –
はじめに――死に至る病とは、愛着障害のことである
第1章  現代人は、なぜ幸福になれないのか
第2章 「現代の奇病」と、生きづらさの根本原因
第3章  生命をつなぐ仕組み、愛着
第4章  オキシトシン系の異常と、愛着関連障害
第5章  愛着障害の深刻化と、その背景
第6章 「大人の発達障害」にひそむ愛着障害
第7章 「死に至る病」からの回復
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愛着障害の問題が、如何に見逃されているかです。

どこまで、エビデンスがあるのか? 「脳」の機能部品が壊れて、脳内のネットワークが正常でなくなる問題ですので、残念ながら、そんな、脳の配線のどこが壊れているかどうかを測定するアナライザー(分析)装置など、どこにもありません。 ぜいぜい脳波計くらいか。

人間がまともに成長するには、いかに幼少期の社会や親との関係が重要か、ヒトの脳の機能、いかに「脳」が、どんなタイミングで発達するのかが、読んでいて認識するしかありませんが、高等教育のレベルでも、未だに教えていません。

 

人間の脳は成長過程の中で、徐々に配線(脳内ネットワーク:主に前頭前野、大脳辺縁系)が組まれて行きますが、劣悪な環境下では、それが阻害されると言うことです。

幼児が、お母さんにべったりで、居なくなると泣き叫びますが、だんだん居なくても、泣かなくなるのは、幼児は養育者を、探索のための「安全基地」として使い始め、慣れてくるので、安心できる存在があってこそ、安定した精神状態でいられるのも、愛着を育てる事が出来たからです。

養育者は母親でなくてもいいが、愛着を育てる為には、養育者が頻繁に入れ替わるのではなく、長期的に同じ人が面倒を見る必要があります。 実際に世界大戦下のドイツの病院で、看護婦さんが、交代でちゃんと乳児の面倒を見ても、死亡する確率が高く、母親では無くても、特定の人に持続的に養育されないと、命さえ危うくなるという研究結果も有ります。

もう一つ、
甘やかされ過ぎて育つと、母子分離ができず、大人になって「困った子ちゃん」になる例として、こんな哀れな女子がいます。 この時期の幼子は、「愛着形成」ともう一つ「母子分離」が上手くできるか、どうかにかかっています。 興味のある方は、下記の記事を参照してみてください。大人になって、社会の中で、やはり生きにくい、生き方になってしまうでしょう。

参考図書
精神科医
の岡田 尊司氏の書籍です。
・【書籍紹介】 岡田 尊司氏の著書2冊紹介します。 最新版「愛着障害の克服 「愛着アプローチ」で、人は変われる」

■愛着障害 子ども時代を引きずる人々

■回避性愛着障害 絆が稀薄な人たち

 

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