【書籍紹介】オスとは何で、メスとは何か? 「性スペクトラム」という最前線  「生物の性は生涯変わり続けている」

2022-11-27、
本日の書籍紹介は、オスとは何で、メスとは何か? 「性スペクトラム」という最前線  諸橋 憲一郎 (著)  です。

今年読んだ書籍の中では、特にお勧めの1冊で、200ページに満たない文庫本ですが、動物とヒトを含めた生物学的に大切な「性(オスとは、メスとは)」についての仕組みについて、読みやすく記載されています。

LGBTQ」の問題を理解する上でも、大事な観点になります。 ヒトは「男女」も居れば、「女男」も居るんです。これは、育った環境ではなく、どうにもならない事で、制御しているのは「遺伝的制御」と「内分泌(性ホルモン)制御」によるものなのです。

また、多様性(ダイバーシティ)などを議論するときにも、ここまで認識してからでないと、議論の中身が空っぽでしょう。

そんな中、現代人の性ホルモンに異常が発生していて、性の「中性化」が進んでいるというお話をNHKの番組で放映されたばかりですが、本書では、「生物の性は生涯変わり続けている」と言われています。

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オスとは何で、メスとは何か? 「性スペクトラム」という最前線

目次
第1章 雌雄は果たして分けることができるのか?
第2章 性は生涯変わり続けている
第3章 オス/メスはどのように決まるのか?――「性決定遺伝子」の役割
第4章 オス化とメス化はどう進むのか?――「性ホルモン」の力
第5章 全ての細胞は独自に性を持っている
第6章 「脳の性」という最後の謎
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生涯にわたるヒトの「性スペクトラム」上の位置は、性のレベルは、成人後もある一定の位置に留まらず、年齢によって移動しているのです。ヒトの場合は、性ホルモンにより、メスは「閉経」により急激に中央へ移動するが、オスは穏やかに減少してゆく。

▮ヒトの脳の性の場合、2つの観点から議論されるべきであると言っています。
性自認:自身の性をどのように認識しているか
性指向:どちらの性を恋愛対象とするか
性自認に関する性スペクトラム、性指向に関する性スペクトラムがあります。

 

重要補足
長期的な「性の中性化」の問題もありますが、短期的な問題もあるのです。
性差別をしてはいけないと言われていますが、ちゃんと男女の性の違いを認識していないと、特に、オスはひどい目に遭います。

 

1.「女性ホルモンについて」

ついでに、本書には記載されていない「女性ホルモン」に関する最新の情報ですので、男子は特にこれを覚えておかないと、女子に、ひどい目に遭います。 

対策としては「触らぬ神に祟りなし」ですが、しかし人間社会で、メスは「排卵を隠蔽していますので、排卵のタイミングが不明ですので、オスは困ってしまう。何故困るのかも含めて、性ホルモンの作用を説明しましょう。

1)PMS (月経前症候群)、PMDD(月経前不快気分障害

私が知らなかった1つ目は、「PMS(月経前症候群)」や「PMDD月経前不快気分障害)」という言葉です。これはヒトのメスの全員当てはまるかと言えば、そうではありません。

■妊娠可能な女性特有の「PMS(月経前症候群)」や「PMDD月経前不快気分障害)」などの症状は、このホルモンのバランスが崩れることによって、発生していると云う事柄です。

こんな事は、学校では、決して教えてくれませんので、自分で学ぶしかありません。

女性の体は、排卵後から生理前にかけて分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)は妊娠しやすいような体を作る働きをしています。

エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)は排卵前と後では優位性が逆転します。

このように、月経までのおおよそ14日間、女性の体は妊娠に備えて多くの変化が起こります。

黄体期と呼ばれる排卵から月経が起こるまでの間に卵胞ホルモン黄体ホルモンが急激に低下し、脳内のホルモンや神経伝達物質の異常を引き起こすことが原因ではないかと言われています。

また脳内では、それらの変化を起こす様々なホルモンの影響で、「セロトニン」や「ドーパミン」などといった脳内伝達物質の濃度にも変動が起こることにより、脳や体が、自分の意思で、うまくコントロールできなくなります。

PMSとは「月経前、3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経が始まると共に軽快ないし消失するもの」と定義されています。

PMSPMDDの違いは、厳密に区別することが難しい場合もありますが、月経前に心身の不調が出現するPMS(月経前症候群)と似ていますが、PMSの場合は精神症状だけでなく下腹部痛・腰痛・頭痛・めまい・肩こり・むくみなどの身体的症状も伴っており、精神的症状の深刻度合いがPMDDに比べて軽いという違いがあります。

世の中の男どもは、決して女の前では口にしないが「女性は感情的な生き物だ」という考え方が一般的でしょうが、私は、そう考えてはいなかった様に思います。 同じ人間だが、通常は、生物学的には、メスとオスですので、特有の性差があり、それを理解して、色々な人と付き合えればいいだけです。

ところで、大きい声では言えませんが、症状がきついメスは、排卵を隠蔽せずに、胸に「排卵中」の缶バッチでもつけてもらうと助かります。 絶対、近寄りませんので。。。

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