2020年10月10日、
本日の書籍紹介は、ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論 デヴィッド・グレーバー (著)
9月、下記の記事でも紹介した、いまは亡き、「デヴィッド・グレーバー」の書籍です。
フランスの社会人類学者、民族学者 「クロード・レヴィ=ストロース」が亡くなったのが、2009年10月でした。この時もそうでしたが、亡くなってから気が付く「知の巨人」の著書になってしまいました。
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・【追悼】アメリカの文化人類学者 デヴィッド・グレーバーが、滞在先のイタリア・ヴェネツィアで急逝した。
私などは、この方「すごい」と言うより、「面白い!」と思ってしまいます。
「ブルシット・ジョブ」の著者は、日本人では有りませんが、日本の職業、職場の中でも、十二分に蔓延っている問題でもあります。
この書籍は、毎日、「一生懸命に、働いていると勘違いしている方」は、立ち止まって考えてみる良い機会ではないでしょうか。
「ブルシット・ジョブ」でも、「高給取り」の場合は止められないでしょうね。
誰だって、楽して金が欲しいのですが、一生懸命、社会貢献している人に限って、薄給な場合が多々あります。
さて、「ブルシット・ジョブ」とは 何か?
▮ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論 デヴィッド・グレーバー (著)
<目 次>
序 章 ブルシット・ジョブ(クソどうでもいい仕事)現象について
第一章 ブルシット・ジョブとはなにか?
第二章 どんな種類のブルシット・ジョブがあるのか?
第三章 なぜ、ブルシット・ジョブをしている人間は、きまって自分が不幸だと述べるのか?(精神的暴力について、第一部)
第四章 ブルシット・ジョブに就いているとはどのようなことか?(精神的暴力について、第二部)
第五章 なぜブルシット・ジョブが増殖しているのか?
第六章 なぜ、ひとつの社会としてのわたしたちは、無意味な雇用の増大に反対しないのか?
第七章 ブルシット・ジョブの政治的影響とはどのようなものか、そしてこの状況に対してなにをなしうるのか?
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1.
▮反対に自分の仕事は有害で無意味だという認識に苛まれている人は、まさにこの理由によって、より多くの報酬を受け取ってもよいという感覚も存在しているのだという。
コロナ禍の中、最近、使われる言葉になってきましたが、病院などの医療機関、電気や水道などの公共事業、公共交通機関、物流、小売店や飲食店などで勤務する人たちが例として挙げられる。
社会の中で、社会的な地位が高くて偉そうにしている「バカ」に限って、自分たちの生活が成り立っている
の存在を忘れているのです。なぜ社会の役に立つ仕事ほど低賃金なのか。私たちの世界をむしばむブルシット・ジョブ(クソどうでもいい仕事)の実態と弊害とメカニズムを、証言・人文知等を駆使しながら解明、理論化。仕事のほんとうの「価値」を再考する。
1)クソどうでもいい仕事とは、
自分も含めて、このような「ブルシット・ジョブ(クソどうでもいい仕事)」を毎日している労働者は、結構、多いのではないでしょうか?
人類も、結局、チンパンジーの群れの中で、ヒエラルキーを上昇しようとする格下のチンパンジーと同じように、ボスのそばに居て、ゴマをするのと同じことをしている。人類の群れ(会社組織)の社内政治によって出世や報酬が決まるという現実は存在するのです。
生物学上の特性から、サルも人間も、群れの中で、少しでも優位に立つことができる様にヒエラルキーの上昇を目指してしまうので、「クソどうでもいい仕事」はなくならないのかもしれません。
3)どこかにもいますよね。
無理・無駄が、大っ嫌いな人。。。。。上の方には少し行けますが、ほぼ、昇進はそこでストップでしょう。
「飲み会」が嫌だと欠席したりする奴が、コミュニティの皆はその人を「利己的」「ワガママ」と感じるのです。 この無駄を我慢しないと出世できないのです。出世したくない人は、どんどん「飲み会」を欠席していいのです。
自分にとっての「メリット」は、人それぞれ違うので、「利己的」「ワガママ」と思われようが、自分には関係ないと思うかどうかです。
「飲み会」が好きな奴は良いが、嫌いなくせに出席する奴はコミュニティの皆から「利己的」「ワガママ」と思われて、評判を落としたくないからだけなのです。
「非効率さ=誠実さ=ムダにかけるコストの大きさ」を無視する人は、出世できないのです。
何回も言いますが、別に、万年「平」で、出世したくない人は、どんどん「飲み会」を欠席していいのです。評価されることを放棄しているのですから。
そう、われわれサピエンスの社会で繰り広げられる“評判選択”のゲームを有利に進めるためには、効率を追求し、ただ成果を上げまくるだけでは足りない。他人から利他的に見えるように振る舞う必要がある。
内心では「早く出世したい」「地位を高めたい」という利己的な欲望を燃やしている人であっても、だ。
そしてこの「利他的か否か」は、組織内においては「めんどくさいことをめんどくさがらずにやれる人かどうか」で判断・検証される。
会社というコミュニティのために、その人が費やした犠牲(コスト)が大きいほど、コミュニティのメンバーからの評判は高まる。
2.心が、病んでしまう例として、このような現象もあるのではないでしょうか。
一見、幸福そうだが、全然、満たされいない人々が、大勢、社会の中に存在するのです。
▮SNSなど「ネット炎上」参加者は、「暇な若者」でも「低学歴ひきこもり」でもない。「実は高年収」という仰天実態が有ります。
「ネット炎上」参加者は、実態を調査すると、
・「男性」が7割
・年収が高い(世帯年収は平均して670万円)
・肩書で云えば、「主任・係長クラス以上(3割)」、一般社員(3割)
といった属性であると、炎上に参加する(書き込む)傾向にあるという結果が有ります。
正義を振りかざす「極端な人」つまり「正義中毒者」の正体は、
「ある程度成功を収める一方で、定年も見えてくるなか、自分の限界が見えてきて不満を感じているのではないか」と考察していた。
しかし、「極端な人」とは、一見すると幸せそうに見えても、実はまったく満たされていない人たちなのである。
このような奴らは、きっと「ブルシット・ジョブ(クソどうでもいい仕事)」を毎日している労働者の様な気がします。
▮正義を振りかざす「極端な人」の正体 山口真一 (著)
<目次>
第1章 ネットに「極端な人」があふれる理由(「極端な人」が人の命までも絶つ
第2章 ネットだけでない「極端な人」(ネットの誹謗中傷の陰にマスメディアがある
第3章 「極端な人」の正体(「極端な人」とはどのような人なのか
第4章 「極端な人」が力を持つ社会でどう対処するか(ネットの匿名性が悪なのか?
第5章 「極端な人」にならないための5箇条(極端であることの罪)
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▮SNSでの誹謗中傷、不謹慎狩り、自粛警察、悪質クレーマー…奴らは何者か?
人は、見た目では、「クズ」かどうか、わからないのです。
やはり、「脳」が病んでいるから「クズ」になるんでしょうね。 そして、SNSなどは「クズ」が参加しやすいのでしょう。
▮「正義中毒者」の情報源は、マスメディア
しかし、炎上を知る経路として最も多かったのは、テレビのバラエティ番組(58・8%)だったのだ。一方、ツイッターは23・2%にとどまっている様です。
つまり、炎上とはネット上の現象にもかかわらず、実際にはマスメディアが最も広く拡散させて「極端な人」に情報を届けているということがいえる。
私などは、SNSなど、「クズ」や「バカ」どもの集まりに参加したことが有りませんが、ブログで、社会の「不都合な真実」を毒舌で吐きます。
ただ、人類学、生物学、脳科学、脳神経学、社会学などを学ぶと、何か、やってしまった人間を叩く前に、人間って「悲しいな」と思います。
一見、正常そうな人間でも、頭(脳)の配線は同じものは有りませんので、生れ付きか、生後の養育環境のせいか、配線が狂ってしまえば、どんなことでも、やってのけてしまうのが人間でしょう。しかも、その狂った脳の配線を直せる人は、今の所、誰もいないのです。
ただ、頭(脳)の配線のおかしい奴の特徴は、性格を「血液型」で判断するような低脳な考え方ではなく、ちゃんと、発達障害、愛着障害、人格障害などの各種類と症状をしっかり学んでおくべきでしょう。
そうすれば、「精神科医」ではなくても、ある程度、頭(脳)の配線がおかしい奴を把握できて、不毛で無用なトラブルを避ける事ができるでしょう。
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