2025-06-14、
本日の書籍紹介は、脳と免疫の謎: 心身の不調はどこからくるのか 毛内 拡 (著) です。
脳を支える陰の主役「グリア細胞」から神経免疫学の最前線に迫ります。ニューロン(神経細胞)やシナプスの研究に比べ、百年くらい遅れていると言われていますが、近年、研究が進んでいます。
脳細胞の中でも電気信号を発生しないタイプの細胞が「グリア細胞」です。
最近の研究では、ニューロンとの比率は大体1:1、つまり脳の半分をグリア細胞が占めるとされています。
<目次>
第1章 脳と免疫の謎に迫る
第2章 脳細胞はいかに心身を司るか
第3章 グリア細胞と脳の健康との複雑な関係
第4章 心身の不調はどうして起こるのか――脳ー免疫相関から考える
第5章 脳ー免疫相関を鍛える
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■「脳の免疫細胞」グリア細胞の重要性
従来の脳科学では、脳の主役は神経細胞(ニューロン)であり、電気信号によって情報が伝達されると考えられてきました。しかし近年、神経細胞以外の「グリア細胞」の重要性が注目されています。
本書では、このグリア細胞が「脳の免疫細胞」とも呼ばれるように、脳内の異物や老廃物の除去、炎症の制御に深く関わっていることを解説します。このグリア細胞の働きが乱れることが、心身の不調や精神疾患に繋がるという、最新の知見が提示されています。
■ 脳疲労と炎症のメカニズム
私たちは日常的に「疲労」を感じますが、この本のポイントは、その疲労が単なる身体的なものだけでなく、「脳疲労」という形で脳にも生じることを示している点です。脳疲労は、脳内で炎症反応が起きることで生じ、これが心身の不調の根源となるという考え方が提示されます。
—関連記事—
・【書籍紹介】疲労とはなにか すべてはウイルスが知っていた (ブルーバックス) 新書 近藤 一博 (著)
■ 心身の不調、精神疾患、依存症との関連
本書は、脳と免疫の密接な関係が、様々な心身の不調だけでなく、うつ病や不安障害といった精神疾患、さらには依存症にまで影響を及ぼしている可能性を探ります。
■ 脳と身体の「相互作用」の強調
脳は「司令塔」として身体に一方的に指令を送るだけでなく、身体の状態が脳にフィードバックされ、脳の状態に影響を与えるという「相互作用」の視点が強調されています。
■脳パフォーマンス向上とセルフケアの具体策
理論的な解説だけでなく、読者が日々の生活で実践できる「セルフケア」についても触れられています。
—関連記事—
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