【書籍紹介】「脳の誕生」大隅 典子 (著)  神経細胞とシナプス間のネットワークの情報伝達

2018年2月、
本日の書籍紹介は、「脳の誕生」 大隅 典子 (著) です。

今まで、脳の機能に関係する、人類学上の脳の発達、脳神経学、発達障害・人格障害(パーソナリティ)・愛着障害などの脳の障害に関する書籍を多数読んできましたが、全部「脳の誕生」に関係しています。

この書籍は、たった1つの受精卵から、どのように「脳細胞」が形成され、どのように「シナプス」でネットワーク(配線)を構築するのか、その仕組みを発生段階から分かりやすく、記載されています。

人の神経細胞(ニューロン)は、約1,000億ほど有り、胎児から生まれてきた後、どのように成長するのか? 同時に、人の神経細胞は、「シナプス」という接合部分が約100兆個有り、「神経細胞」同士が繋がろうとしますが、どのように成長してして繋がるのか、その繋がる仕組みも、ちょっと難しいですが記載されています。

■脳の誕生

– 目 次 –
Ⅰ 脳の「発生」
第1章 脳を構成する細胞の世界
第2章 始まりは「管」
第3章 脳の区画の成立
第4章 ニューロンが生まれるとき
第5章 ニューロンの移動

Ⅱ 脳の「発達」
第6章 脳の配線はどのようにつくられるか
第7章 ニューロンの生存競争
第8章 生後ののうの発達
第9章 脳は「いつも」成長している

Ⅲ 脳の 「進化」
第10章 神経系の誕生
第11章 脳の進化を分子レベルで考える
第12章 脊椎動物の脳
第13章 霊長類の脳、ヒトの脳
————————————————————

人間社会の中では、頭のおかしい奴が沢山いますが、驚くことでもありません。

なぜなら、たった1つの受精卵からどのように脳細胞が形成されて、シナプスでネットワークを形成してゆくのは、殆ど、奇跡に近いくらいの仕組みですので、脳内で人間が同じネットワークを構成するはずもなく、同じ脳の人間などいないのです。

自閉症などの発達障害も、「神経細胞」と「シナプス」間のネットワークの情報伝達がうまく繋がっていない為に起こる事が、分かってきています。体の障害と違い、どこが悪いのか?。。。 脳細胞とシナプスでのつながりに問題があるので。。。見えませんので、分かりません。

生後の「養育環境」により脳は影響を受けますが、しかし、生まれつき「脳細胞とシナプス」のつながりに問題がある場合は、本人のせいではないでしょう。

脳みそが足りない」。。よくこんな事を云う奴がいますが、全然、違います。 認識不足です。「脳みそが足りない」のでは有りません。 脳内の配線(ネットワーク)がうまく繋がっていないのです。

人間も生まれて数カ月で脳細胞はフルスペック状態ですが、確かに、使わないと、「刈り込み」と云って、「神経細胞」の繋がり「シナプス」を切ってしまいます。

神経細胞」の数ではなく、重要なのは、ちゃんと「シナプス」で繋がったネットワークが構成されているかどうかです。

つまり、脳の神経細胞は、人並み(フルスペック状態)なのに、怠けて生きていると、脳内の「シナプス」が、ちゃんと「脳神経細胞」に繋がっていなく、ネットワークが、配線が、うまく繋がっていない状態になってしまいます。

いわゆる「ポンコツ頭」、「バカ頭」ですね。 気が付いていない奴も居るが。。。

これは誰のせいでもなく、自分のせいですので。

関連記事
【書籍紹介】脳の意識 機械の意識 – 脳神経科学の挑戦 (中公新書)
「記憶を思い出すための神経回路を発見」 脳の謎についての研究成果です。
【ちょっと、この記事が面白い】ミツバチにもアスペルガーが?社会性に乏しいミツバチに人間の自閉スペクトラム症に似た遺伝症状を確認(米研究)
【書籍紹介】2017年 冬休み 読んでおきたい「脳」に関する書籍6冊です。 AI(人工知能)に興味を持つ前に

 

コメント