【書籍紹介】ぼけの壁 和田秀樹(著) 認知症は実は進行がゆっくりで、決して「かかったら人生おしまい」ではない。

2023-02-16、
本日の書籍紹介は、ぼけの壁 和田秀樹(著)です。 いよいよ、これから先の「高齢化社会」の中で、発生する問題についての色々な事柄の認識を深めてゆきましょう。

遠い国のお話ではないのです。今は若くても、将来、自分が「認知症」になるかもしれませんし、年老いた両親が「認知症」になるかもしれません。 「明日は我が身」です。

■世の中、「認知症」になっていなくても、認知症の症状が出ている奴は、たくさん居るのです。

生物多様性(ダイバーシティ)ですので大勢いるのです。 若い頃から認知症の様な症状が出ていても、認知症と診断されていない「脳の認知機能の低い人」も沢山いるでしょう。

自身の母も92歳になりますが、多分、現在は「MCI」の状態でしょうが、人によっては、認知症になっても、色々なことを忘れて、何をしたいか、何をしてはダメなのか、認知機能も低下して分からなくなるのですが、「自尊心とプライド」は消えない、無くならないのです。 ここが一番「不思議」に思う点です。

■私は、本当に不思議に思います。 

脳がだめになっても、「自尊心とプライド」は消えない、無くならないのです。

暴れる訳でもないが、ここが一番始末に負えない部分で、宗教などを長年やっていて人格が出来ていると思ったら大間違いで、ちょっと指摘すると、人にもよりますが「クソガキ」の様に頑固に逆らうのです。素直さに欠ける。

健常時の人間性(性格)が、認知症になっても、そのまま継続しますので、ちょっと始末が悪い老人も確かに居るのです。 この部分はなくならいと云うか、改善できない様です。

ですので、性格の悪い、ジジイ、ババアは、子供たちに嫌われないように、気をつけた方が良いですよ。
多分、財産をたくさん持っているかどうかでも、扱われ方が変って来るでしょうね。

「地獄の沙汰も金次第」と言われていますが、認知症発症後の扱われ方も金次第です。

ぼけの壁 (幻冬舎新書 677)
著者 : 和田秀樹
幻冬舎
発売日 : 2023-01-04

目次
第一章 「認知症」という病気を誤解していませんか?
第二章 「老親がちょっと変!」と感じた時の心得
第三章 認知症よりも恐ろしいのは老人性うつ
第四章 「脳の健康寿命」を延ばす考え方・暮らし方

和田秀樹(わだひでき)1960年、大阪府生まれ。
東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、三十年以上にわたって高齢者医療の現場に携わっている。
<著書>
『80歳の壁』、『70歳の正解』、『マスクを外す日のために』、『感情バカ』、『バカとは何か』(すべて幻冬舎新書)など著書多数。
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1.認知症の基準になる症状

「良い物忘れ」の例は、体験の一部を忘れる、でも、ヒントで思い出す。忘れている事を自覚しているので、こんな奴、程度の差こそあれ、老若男女どこにでも居る。
「悪い物忘れ」は、体験自体を忘れてしまう。 忘れている事を自覚できない状態。 これが認知症。

1)認知症の誤解

①認知症は急速に進行する:
10年ほどかけてじっくりと進行する。

②認知症は暴れたり叫んだりする:
認知症はおとなしくなる。暴れる、叫ぶは別の原因が多い。

③認知症になると何もできなくなる
中期前半ごろまで知能は正常に保たれる。

2)今後、高齢者の5人に1人が認知症に。

認知症とは、脳の病気や障害など様々な原因により認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態。
2025年(団塊の世代が、全員75歳以上になる年)には、認知症高齢者(65歳以上)は約700万人(推計)、MCI(軽度認知障害)を含めると一千万人を超える。

健常者–>MCI—>初期認知症–>中度認知症–>重度認知症と移行してゆきます。

認知症は、実は進行がゆっくりで、決して「かかったら人生おしまい」ではない。他方、「老人性うつ」は死に至る病で認知症より怖いとも言えるが、適切に治療すれば治る病気だ。そもそも脳は臓器の中でも頑強にできていて、正しく知ってメンテナンスすれば、ぼけが始まっても簡単には衰えない。

「高齢者の5人に1人が認知症に」と言っているが、やはりかからない人も現実に居るのです。この事実も不思議です。この病は、癌と違って、すぐに死んでしまう訳ではないので、現実味が薄いでしょう。

 

3)「まさか自分が」と考えている人が殆んどでしょう。

バカは認知症になっても分からない。 元々、脳が低性能だからです。
電車の中で横を見れば、スマホ片手に、バカゲーム、バカ動画、バカ漫画三昧です。
もう、世の中「バカ」が圧倒的多数を占めていますので、非難すれば逆に怒られてしまいます。

4)脳を老化から守るための秘訣がありますので紹介します。

 

身体をよく動かす
・夜はよく眠る
人づきあいを絶やさない
・食事に気をつける
学び続ける
・常に前向きでいる

殆どは、その人間の生活習慣に関わる事柄ですので、自分で意識して変えようと思わなければ、元々、ポンコツで、グダグダな奴は、無理でしょうね。

毎日運動もしない、100m先のコンビニに車で出かける、年に1冊の書籍も購入して読まない、ソファーに座り、テレビばかり観ている、好きな物しか食べない様な生活習慣病を抱えている「腐れ老人」は、認知症にまっしぐらに進んでいるしょう。

 

5)認知症になった時の症状の悪化について

確か、ニューヨークの州立大学の研究結果だと思いますが、頭の非常に良い患者とそうでない患者と、認知症にかかった時の症状の悪化について、研究結果が出ていました。

▮頭の非常に良い患者とそうでない患者とでは、頭の非常に良い患者の方が、非常に早く悪化するそうです。

そうでない患者は、元々、脳を広範囲で使っていませんので、脳がダメになっていっても、症状の悪化が遅いそうです。

認知症の耐性が強いというより、「シナプス」と「ニューロン」が繋がっていないのだから、「脳細胞」が死んでも影響を受けないだけだと思いますが。。。。。

なんとも皮肉なもので、脳(頭)の性能の低い奴の方が、認知症の耐性が強い様です。

 

2.認知症の原因になる4つの病気

アルツハイマー型認知症は女性に多いのですが、レビー小体型認知症は男性に多いという特徴があります。
主にアルツハイマー型が多いのですが、重複しているばあいもありますので医者でも診断は難しいでしょう。

1)アルツハイマー型認知症

アルツハイマー病は、混合型も含め4つのタイプに大別できる
・炎症性アルツハイマー病:脳の炎症が原因で起き、食事も深く関与している。
・萎縮性アルツハイマー病:脳機能の維持に必要な栄養素やホルモンの欠乏で起こる。
・糖毒性アルツハイマー病(炎症性と萎縮性の混合型):いわゆる糖尿病から起きる。
・毒物性アルツハイマー病:カビ毒や歯の治療に使われる材料に含まれる水銀などの毒素から起き、治療が最も難しいとされる。

2)レビー小体型認知症:

脳にαシヌクレインという物質が沈着して、神経細胞の障害が起こります。アルツハイマー型認知症で見られるような記憶障害や判断力の低下のほかに、幻聴、幻視(存在しないのに虫や人物がみえたりする)が特徴的な症状です。
ほかに嗅覚低下、睡眠中の異常行動(夢をみているときに大声を出す、体を激しく動かす)、パーキンソン症状(動作が鈍くなる、小刻み歩行)など、さまざまな症状がみられます。

3)脳血管性認知症

脳の血管に障害を引き起こすのは、「高血圧」「糖尿病」などの生活習慣病です

4)前頭側頭型認知症

脳の「前頭葉」「側頭葉」が変性する指定難病(人格・性格が極端に変わる

最後に、
これから増々、認知症の人が増えてきますが、それは仕方ないとしても、若くても認知症の様な症状を発症している国民がたくさん居る方が、問題なような気がします。バカやアホや無知を撲滅する「薬」ができたら、ノーベル賞をもらえるでしょうか?

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