【書籍紹介】あなたがあなたであることの科学 ; 人の個性とはなんだろうか デイヴィッド・J・リンデン著

2021-12-13、
本日の書籍紹介は、あなたがあなたであることの科学 ; 人の個性とはなんだろうか デイヴィッド・J・リンデン著

人生30年以上も生きていて、自分が「何者なのか?」という疑問を持てば、「人間とは何か?」という問いになりますが、その疑問さえも感じたことのない野生動物と同レベルのヒトに、是非、読んで欲しい書籍です。

但し、how-to本を100冊読むより、遥かにマシで勉強になりますが、「自分は何者か?」を少し理解できたとしても、改善するのは難しく、今の自分を生かして生きて行くことしかできないでしょう。

なぜなら、今年「親ガチャ」などと言う言葉が出てきたが、日本の相対的な貧困問題はまさにその一つで、自分が生まれた家庭、育った環境、親が持つ経済力や文化的資本、社会的資本、知的資本がそのまま子へと受け継がれ、大きく影響を与える事も多々あるが、しかし、相対的な貧困の状態に居なくても、毎日、毎日、暇さえあれば、バカ動画、バカ漫画、バカゲームをして、書籍さえ月に1冊も読まない生活をしていれば、「親ガチャ」以前の問題で、半径5m以内しか認識できない本物の「バカ」になるでしょう。

「自己責任論」ではなく、「バカ」が習慣付いてしまっているのを変えるのは、自分でしかないように思います。

なぜなら。。。と云う事で、この書籍の本題が始まります。

1.あなたがあなたであることの科学 ; 人の個性とはなんだろうか

目次
プロローグ
第1章 個性と遺伝の関係を考えてみる
第2章 個性を生むメカニズムを知る
第3章 潜在記憶が個人を作る
第4章 女のアイデンティティ、男のアイデンティティ
第5章 誰を好きになるかということ
第6章 味の好み、匂いの好み
第7章 睡眠と夢と体内時計
第8章 人種と個人差について考えてみる
エピローグ
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遺伝の影響力、記憶のありよう、性的アイデンティティ、味や匂いの好み、睡眠時間のパターン、人種と差別についてなど、同じ人間なのに、どうして、こうも多様なんだろうという事が記載されています。

第3章 「潜在記憶が個人を作る」の中で、面白い事が書いてあります。

<人間の長期記憶の分類>
顕在記憶(陳述記憶、宣言的記憶)
来事の記憶(自伝的記憶、エピソード記憶)と事実や概念の記憶(意味記憶)が含まれる。

潜在記憶 (非記憶、非宣言的記憶)
意識的に注意を向けることなく獲得され利用されるが、人の判断や行動を導くことができる。
・スキルや習慣の記憶(手続き記憶)
・単純な連合学習(瞬目反射条件づけなど)
・非連合学習(定位反射の馴化など)

私たちは、自分が基本的に自由意思を持つ生き物であると考えたがる。思い通りに何かの事実や出来事や概念を思い浮かべることができるし、意識的に判断し、意思を持って行動する。私たちの個性は、自分が自律的に行為できるという根本的な感覚と分かち難く結びついている。
しかし、これはかなりの部分、脳が私たちに見せているごまかしだ私たちの行動の大半は無意職的、習慣的なものだ。

無意識に習慣づいてしまった事は、自分では「おかしい」と思わないのですが、他人から見ると「あいつ、ちょっとおかしい!」となるのですが、本人は気が付かないのです。 脳の配線がおかしい奴ほど、それが顕著に表れるのですが、「人畜無害」な事柄だと許されるのでしょうが、他人に迷惑が掛かることをすれば、即刻、叩かれるでしょう。

 

2.スピリチュアルズ 「わたし」の謎

その霊的なスピリチュアルとは、全く関係ありません。 ここで云う「スピリチュアル」は、著者が名付けた「スピリチュア理論」で、「無意識」に「魂」を重ね合わせた言葉だそうです。

目次
1 無意識と「ビッグファイブ」理論を最速で説明する
2 心理プロファイルを使った史上最大の「陰謀」
3 外向的/内向的
4 楽観的/悲観的
5 同調性
6 共感力
7 堅実性
8 経験への開放性
9 成功するパーソナリティ/失敗するパーソナリティ
附録 ビッグファイブの検査
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【書籍紹介】 スピリチュアルズ 「わたし」の謎 橘 玲 (著) です。 霊能の話ではありません。

特に若い人で「哲学」を学ぶのはちょっとむずかしいが。。。と思っている方で、「自分は何者なのか?」、「人間とは何か?」を認識するだけの「心」の余裕のある方は、人類学、自然科学を学ぶきっかけになる良書ですので、是非。

もう一つ、「ダイバーシティ」と云う言葉が、出てきていますが、「多様性?」なんの事でしょう? どんな多様性でしょうか? 「多様性」を語るには、人間とは何か?という事が分かっていないと、全然分らないでしょう。

また、私の読んだ書籍は「ブクログ」に登録してありますので、自然科学系の書籍の参考にしてください(当サイト左ペインの下の方にも、貼り付けてあります)。
「WEB、IT、Book、パソコン講座」管理人の本棚 :https://booklog.jp/users/step01hy

 

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