【書籍紹介】 ジェンダーと脳――性別を超える脳の多様性 女脳/男脳は存在しない ダフナ・ジョエル(著)

2021-09-07、
本日の書籍紹介は、ジェンダーと脳――性別を超える脳の多様性 ダフナ・ジョエル(著)

イスラエルの神経科学者(Ph.D.)。
テルアビブ大学で神経科学・心理学を教えている。人間と動物の行動の脳メカニズムが専門。本書が初の著書です。

■性差はある。だが女脳/男脳は存在しない。
30分間、ストレスを受けたからといって、あなたの生殖器が女性から男性へ、男性から女性へと変わることはありえない。だが、このありえないことが脳の神経細胞では起こりうる。脳はホルモン、ストレス、薬物、環境などあらゆる影響を受けて驚くほど柔軟に変化する。脳に見つかる男女間の平均的な性差は、現れてはまた消える。だから、脳には性別はないのだ。人の脳は、一人ひとり異なっており、様々な特徴の入り混じる《モザイク》になっている。

■女/男という二分法にとらわれているかぎり、人間の複雑性は理解できない。
話を聞かない人が攻撃的とは限らないし、地図の読めない人が優しいとも限らない。
画期的な「脳モザイク論」で脳の性差をめぐる議論に一石を投じた気鋭の神経科学者が、すべての人をジェンダー・バイアスから解放するすべを提案する。

 

▮ジェンダーと脳――性別を超える脳の多様性

目次
I 性別と脳
第1章 覚醒
第2章 ねじ曲げられた事実の歴史
第3章 脳の性差が積み重なると
第4章 生まれか育ちか

II 人間はモザイク
第5章 変化する脳
第6章 性別がすべてではない
第7章 脳のモザイク
第8章 現れては消えるわけ
第9章 ブラインドデートに何を期待する
第10章 脳のタイプ――典型的な脳と稀な脳
第11章 ストレス下の女と男
第12章 健康のモザイク
第13章 心のモザイク

III ジェンダーの何が問題か
第14章 男女というバイナリーから多様性のモザイクへ
第15章 ジェンダーという幻想
第16章 バイナリーの洗脳

IV ジェンダーのない世界へ
第17章 ジェンダーという神話にどう対処するか
第18章 混ざりあうジェンダー
第19章 ジェンダーフリーの教育
第20章 子どもたちをジェンダーから解放する
第21章 ジェンダーへの気づき
第22章 行動に移す
第23章 未来の展望
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脳に見つかる男・女間の平均的な性差は、現れてはまた消える。だから、脳に性別はないのだと言っています。

生物の発生学的な原型は、女性(female)、そこから男性(male)が分化していきます。

よく日本の世の中では「おとこ脳・おんな脳」などと言いますが、脳に性別はない、ただ、ホルモンのバランスと、生物学的な男と女の形状差はオスとメスですので明瞭に違うのでしょう。

・ひどい言葉ですが、子供のできない女を「いしおんな」と書いて「石女(うまずめ)」と言いますが、でも女は女です。男の場合は「石男」と言いません。 「種無し」と言います。

自分が、いくら女だと言い張っても、雄の生殖器が付いていれば、生物学的には男(雄)でしょう。

LGBTQ」の問題を理解する上でも、大事な観点になります。 これは、育った環境ではなく、どうにもならない事で、制御しているのは「遺伝的制御」と「内分泌(性ホルモン)制御」によるものなのです。

また、多様性(ダイバーシティ)などを議論するときにも、ここまで認識してからでないと、議論の中身が空っぽでしょう。

性は年齢と共に、揺れ動きます。 もちろん、脳にも影響されるのですが。

 

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