2023-01-08、
本日の書籍紹介は、地球外生命を探る 生命は何処でどのように生まれたのか 松井 孝典 (著)です。
この書籍は、 2021年7月にNHKラジオで13回に渡って放送された「地球外生命を探る」を元に、追加取材を行い、著者の加筆を経て構成したものです。
著者は、NASA客員研究員、日本政府の宇宙政策委員会委員長代理を務め、「アストロバイオロジー(宇宙生物学)」の日本の権威です。最先端の研究と知見をもとに、「地球外生命は存在するのか」、「人類以外の知的生命体の可能性」、「生命は何処でどのように生まれたのか」という、人類最大の謎への解答に挑戦したものです。
「宇宙生物学」の話をするには、生物学、人類学、ウイルス学、宇宙物理学などいろいろな知見を総動員しないと語ることができません。人類とウイルスの関わりについても、最先端の知見を紹介しています。
とにかく、この書籍は、地球外生命を探るとなっていますのですが、しっかりと地球上の生き物に関する知識、知見も含めて、いつもそばに置いて読みたい書籍です。 難解な書籍ではなく、生物とはと云う所の情報量が豊富で、一度読んだだけでは、覚えられないのです。
「動的平衡」でお馴染みの分子生物学者の福岡伸一先生の著書とは、ちょっと、生物に関する内容が濃いのです。
私にとって、この書籍は、年に何度も読み返す必要のある書籍になりそうです。
■地球外生命を探る 生命は何処でどのように生まれたのか 松井 孝典 (著)
<目次>
はじめに――この宇宙は、生命を生む宇宙である
1章 この宇宙に地球外生命が存在する可能性 ――地球外生命探査の最前線――
2章 そもそも生命とは何か
・生命は進化する
・生命とは細胞である
・生命とは生きている状態
3章 生命はどうやって〝生きている状態〟を維持しているのか
4章 生命はいつ何処でいかにして生まれたのか
5章 ウイルスは生命の祖先なのか
6章 地球という惑星において、生命が、なぜ進化したのか ――「地球」と「地球もどきの惑星」の違い
・地球は、なぜ「地球」になったのか
・地球上でなぜ生物進化が起こったのか
・実際、地球上でどのように生命は進化してきたのか
7章 生物進化が起こる惑星の条件
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火星をはじめ、金星、土星、木星、木星の衛星エウロパ、土星の衛星「エンケラドス」、「タイタン」といった惑星・衛星の探査が現在行われ、計画されています。
また太陽系外でもトラピスト1、プロキシマ・ケンタウリ、ケプラ−452のような「ハビタブルゾーン」を持つ惑星系に、生命が存在する可能性が探られています。
無人探査機「カッシーニ」が、地球を飛び立ったのは1997年10月、スイングバイ航法を駆使して加速して、やっと「土星」の周回軌道にたどり着いたのは2004年でした。2005年には、子機「ホイヘンス」が最大の衛星「タイタン」に着陸。そして、12年間という長期にわたって土星系を観測し、多大な成果を残してきましたが、最後のミッションは、燃え尽きることでした。
なぜなら、「カッシーニ」の燃料が尽きて制御不能になってしまうと、この機体を「土星」上に残しておくことになり、「土星」の環境保護・保全(なんと、地球からの移住先としても考慮されている土星の衛星で生命が存在する可能性があるタイタンやエンケラドスを汚染しないた為に)を考える必要があるそうで、最後は、燃え尽きて原子に帰すしか方法はないようです。 地球上から無人機を打ち上げても、完全に殺菌した状態にはならず、機体には地球の細菌が付着して、宇宙でも生きている可能性が有るのです。ちょと悲しいですが、人類が搭乗していませんので、致し方ないことだと思います。
<補足説明>
▮恒星、惑星、衛星の違い
太陽系で云えば、光っている太陽が「恒星」、太陽を周回している地球、土星、火星などが「惑星」です。 そして、地球を回る月は「衛星」と云います。
■エンケラドス
土星の第2衛星。直径498 km、土星からの距離は約24万km、土星の周りを33時間ほどで公転している。生命の可能性を持つ衛星として知られています。
2005年、「カッシーニ」が地中から吹き上げる間欠泉を発見し、凍った表面の下には水があることを確認した(エンケラドスの南極地点の亀裂から氷の粒子と水蒸気、有機分子が噴出している)。つまり、太陽系にある星で生命体が存在する可能性が最も高いということです。
▮「ハビタブルゾーン(Habitable zone)」とは、
地球と似た生命が存在できる天文学上の領域で、日本語では生命居住可能領域や生存可能圏、生存可能領域と呼ばれる。
最後に、
「地球外生命を探る」と云うタイトルですが、その前に生命とは何かという所まで、地球上に存在している生命を土台に考え、想像できる事が、すごいところでもあります。
2023年を迎えて、色々な社会問題、経済問題など解決しなければいけないのでしょうが、政府だけが頑張っても、掛け声ばかりで何も動かない状態が、これからも続くのでしょう。
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