【書籍紹介】 「発達障害」と間違われる子どもたち 成田奈緒子(著) 「発達障害もどき」とは?

2023-05-08、
本日の書籍紹介は、「発達障害」と間違われる子どもたち  成田奈緒子(著)です。

初めにこの書籍を手に取って、目次を見た時に、発達障害とよく間違われるのが、愛着障害人格障害で、その話かと思いましたが違っていました。しかし、臨床経験35年以上の小児科医の経験によれば、増えているのは発達障害の子ではなく「発達障害もどき」ではないかと話します。

この「もどき」とは、落ち着きのなさ、偏食、パニック、かんしゃく、強いこだわり…もしかすると、発達障害ではなく「発達障害もどき」かもしれません。今、臨床の現場で「診断がつかないのに、発達障害と見分けのつかない症候を見せる子」を「発達障害もどきの子)」といって、増えているそうです。

本書では、子どもたちの間で増える「発達障害もどき」について解説し、そこから抜け出す方法を具体的に伝えています。 180Pくらいの書籍ですので、すぐに読み終わります。

目次
第1章 「発達障害と間違われる子」が増えている
第2章 「発達障害もどき」から抜け出す方法
第3章 睡眠が子どもの脳を変える
第4章 親と先生のスムーズな連携が、子どもを伸ばす
第5章 子育ての目標は「立派な原始人」を育てること
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著者紹介> 成田奈緒子:小児科医、医学博士。
神戸大学卒業後、米国セントルイスワシントン大学医学部、獨協医科大学、筑波大学基礎医学系で、分子生物学・発生学・解剖学・脳科学の研究を行う。
2005年より文教大学教育学部特別支援教育専修准教授、2009年より同教授。
2014年より発達障害、不登校、引きこもりなど、さまざまな不安や悩みを抱える親子・当事者の支援事業「子育て科学アクシス」主宰。これまで35年間にわたり相談に乗ってきた家族は2,000組(延べ1万人以上)を超える。
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■最近注目され始めた「第四の発達障害」

特に子どもの虐待などを扱う医師たちは、虐待を受けた子どもと発達障害と診断される子どもとが重複すること、症状が酷似していることを目の当たりにします。

「酷似」とは文字通りのことで、専門家の診断や専門のテストを行っても区別できないほどに発達障害と虐待を受けた子どもは同じ症状を示します。

社会性の障害、コミュニケーション障害、感覚過敏、注意欠陥、衝動性など、発達障害の特徴とされることがそのまま生じるのです。
参照:https://news.yahoo.co.jp/articles/bff705d76c207fcaf46343f6a9028221661f9d0d

第四」とは、
第一が精神遅滞、肢体不自由などの古典的な発達障害、
第二が自閉症やアスペルガー症候群、
第三が学習障害、ADHDなどの軽度発達障害という分類
第四が症候群という意味で、「発達性トラウマ障害(Developmental Trauma Disorder)」。

発達障害との類似性は「愛着障害」の臨床、研究においても指摘されています。「愛着障害」と、虐待や幼少期の不適切な養育などによる「発達性トラウマ」は、同様の事象をそれぞれに捉えた概念です。

「第四の発達障害」という名称で問題提起されていますが、もちろん、発達障害そのものではありません。トラウマに由来して発達障害のような症状を呈するということです。

 

最後に、

「発達障害」と間違われる子どもたちの例として、脳の段階的な成長過程において、規則正しくない生活、睡眠不足による症状が多く、それを両親も交えて生活環境を変えると、発達障害の様な症状が改善する場合が多いと述べています。

脳は「生活」で育ちますので、養育環境が悪く、脳の成長バランスが崩れると、「発達障害もどき」になると言われています。

発達障害(ADHDなど)グレーゾーンでも、歳を取ると、脳がどう変化するのか分かりませんが、だいぶ症状が薄れてくる場合もあります。

いずれにしても、発達障害以外にも、同じような症状を発生させて、診断を誤ってしまう場合がありますので、生まれつきなのか、「親の不都合な真実」をあぶりだし、養育環境が劣悪な状態で育ってきたのか、そこまで掘り下げないと、本当の所が分からないのです。

ですので、ただの精神科医には荷が重すぎ、よっぽど勉強をしている医者じゃないと、脳の知識と、クソ親からどんな環境で育てたのか尋問できる医者でないと信頼できませんね。

 

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