【書籍紹介】不安をしずめる心理学 加藤 諦三(著)なぜ、心が痛むのか?「不安ではなく不幸を選ぶ」と「脳の障害」について

2022-01-23、
本日の書籍紹介は、不安をしずめる心理学  加藤 諦三 (著) ですが、著者の書籍は、久しぶりです。 もう、ご高齢ですがお元気なようです。今から十年以上前になりますが、著者の書籍を最初に読んだのは「自分に気づく心理学」でした。 誰もが持ちうる「依存心」の存在を解き明かし、心の冷たい人と別れ、自立した大人になる道を説いていました。 

何かに悩んでいた時で、「ロボット」から「人間」になりたいと考えていた時期かもしれません。この書籍はお勧めです。

著者は精神科医ではありませんので、ちょっと違っていて脳の問題と云うより、心理学的なアプローチで書かれています。 あとで自分で、脳の問題(脳神経学、発達障害、人格障害、愛着障害)など、「脳」に関する障害を学ぶと、心理的にこのような状態に陥る人間の仕組み、様子がよくわかるようになると思います。

私は、よく「心理学が詳しいのですね」と言われますが違うのです。「心理学」は現象を表現していますが、なぜ、そうなるかという所は、脳科学、脳神経学を学ばないと分からないでしょうから、心理学はそれほど詳しくありませんというより、「脳」の仕組みです。

なぜ、このような心理になるか?は、心理学ではなく、脳のトラブルで、脳科学、脳神経学で説明しないと認識できないでしょう。

 

1.脳のトラブルで配線(脳科学、脳神経学的に)がおかしいから、そんな心理になるのです。

1)「機能不全家族」

コロナ過になる以前からですが、虐待事件があとを絶ちません。ヒトは、生れつきの場合もあるが、生後の養育環境が劣悪だと、脳の配線が狂ってしまい、大人になっても、人間関係がうまくゆかず、歪み、生きにくい人生を送ってしまうのです。

だから、虐待、ネグレクトなどを止めないと、その人の人生が狂い、そしてそれが連鎖するからダメなのです。 「機能不全家族」を生まないようにすることも必要だと思います。

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2)「不安」には、「現実的な不安」と「神経症的不安」の2つがある。

ヒトは「自分の意思だけで行動していると思っていたら大間違いなのです」という事を理解するには、ちょうどいい書籍だと思います。

「現実的な不安」は分かり易いのですが、「神経症的不安」は厄介です。
パッと見ただけでは、全然、分らないのです。 でも、モヤッとしている人を観たり、感じたりすることがないでしょうか?

私は、「幽霊」は見えないが、なんか、憑りつかれている様な、こんな症状の人は分かります。 幽霊より、不気味なこんな人間が一番怖いのです。

神経症性障害
・恐怖
・不安
・パニック発作
・強迫観念
・抑うつ
・記憶の喪失
・別人格の形成
・攻撃性
・こだわりの強い考え(検査上で異常は認めないが「自分は病気だ」という事も含む)
・息切れ、動悸、吐き気、頭痛、腹痛、自律神経失調、等…何でも生じ得ます。
パニック障害、強迫症、社交不安障害、全般性不安障害、身体表現性障害(心気症)、解離性障害などが含まれてきます。

自分が病んでいるかも「認知」できない状態にいる様な方に、是非、お勧めな1冊です。

 

2.人間が1番怖いのは「不幸」ではなく、「不安」という状態になること。

人間は、脳の配線が何らかの理由で、おかしくなると、不思議な行動を取るのです。

生れつきなら仕方ないが、そうでない場合は、解消させたいが、1度そのような状態に陥るとそこから抜け出すのは困難を極める。なぜなら、脳の無意識の働き、特性があるからです。

1)不安のために無意識に取ってしまう行動1

脳の配線がおかしいと、なってしまう具体例ですが、なぜこんんな「脳の配線」になってしまうかが、一番重要な所です。

ギャンブル依存症の夫がいるとしましょう。
その夫は働かないばかりか妻がパートで働いたお金まで巻き上げ、妻の親戚にまで借金をして、またギャンブルに行ってしまう。そして家に帰ってきたら、暴力ばかり振るいます。

クズです。

ところが、こうしたケースでも、ほとんどの女性が離婚しようとはしないのです。ギャンブル依存症の夫を持つ妻の調査をしてみると、日本でもアメリカでも、多くの人が「私が何とかしてあげなければ」と考えるといいます。

どういうことかといえば、
実は「何とかしてあげたい」から別れないのではなく、本当は一人になるのが不安だから、別れないのです。これは「合理化」という心理です。不安から逃れるために別れないことを「何とかしてあげたい」ということにして、自身で納得しようとしているのです。

実に「哀れ」だと思いますが、本人は、不安より不幸を選択するのです。

命がけで「不幸」にしがみつく

人が何よりも求めているものは安心です。安心は生きる土台です。
だから人は、不幸と不安と、どちらを避けるかというと、やはり不安を避けて不幸を選ぶのです。

我々はみんな「幸せになりたい」と思っていますし、そう口にもします。しかし、実際には幸せにはなれない場合も多いのです。なぜかというと、不安か不幸かという二者択一で、ほとんどの人は不幸を選んでしまうからです。

「自分がもっとも恐れているのは不安」というこの事実を理解しておかないと、自分の不幸を正当化してしまいます。

本当に怖いのは、夫と別れていまの生活が変わる不安なので、それを「立派な人=自分」と「合理化」してしまうのです。

この「共依存」的な状態の背景には、人格障害、トラウマ、アダルトチルドレンなど機能不全家族で育った生きづらさを抱えた人たちが多いのです。

このように、恐ろしいまでの状態になって、傍から観れば「あんたバカじゃない」という事を平気でやってしまうのです。

 

2)不安のために無意識に取ってしまう行動2

DV彼氏の下を脱出して、キャバ嬢時代の元客の20歳年上の予備校講師と結婚したが、DV彼氏との生活に、戻ってしまいます。。。。

「なぜトラブルまみれの人生に戻るのか」。。。。

「非定型発達者は、非定型発達者同士のコミュニティの中にいるかぎり、比較的高いQOL(生活の質)を感じながら生きることができる」ことである。

という言い方もできますが、
生育環境により、「脳」が、下記のような「状態」になってしまう場合もある。

これは私の聞いた話ですが、例えば、合コンなどで、幼少期に虐待やネグレクト(放置)を受けた子は、普通の子には目もくれずに、同じような境遇の男性を「嗅覚」でかぎ分けて、見つけて、くっ付いてしまう傾向があるようです。

愛されたいために、普通の男性には目もくれず、ダメな男を見つけだし「私が居なくてはダメ」的な男を選んでしまう。

よく、自分で「私、男運がないの」という子、男運がないのではなく、「クズ」を自分で選んでいるだけなのです。

そう、「自分の存在価値が、誰かの役に立っていないと見いだせない」という感覚になっている。だから「クズ」を選んでしまう。そして、DVをまた受けても、「共依存」の関係に陥っているので別れられなくなったり、「クズ男」と別れたとしても、また同じことを繰り返してしまう。

傍から見れば、すぐに別れればいいが、幼少期に愛情を受けずに、虐待やネグレクトの中で育った子は、クズ男を自ら引き寄せてしまう傾向があるようです。

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3)不安のために無意識に取ってしまう行動3

人が必要以上の大金を求めるのは、お金があれば安心できると思い込んでいるからで、それは不安から逃れるためです。このように安心への願望はすべてに優先します。

しかし、貧乏人が、宝くじで大金を手にした後、よく身を崩すのは、今まで無かったもの(金)が沢山あると、不安になるのです。 だから全部なくなるまで、使ってしまうのです。金持ちはケチで、金が無くなるのが不安になるから、使わないのです。

「宝くじ」だけではなくても、「悪銭身に付かず」も含まれるでしょう。

人間の心(脳)は、願望や欲望と同時に、「平静」を保とうとするのです。平静を保てなくなると不安になり、変化が生じると、元に戻そうとする心理が働き、不安を解消しようと無意識に行動してしまうのです。

 

▮不安をしずめる心理学 (PHP新書)

目次
第1章 人はなぜ、不安に苦しむようになったのか
第2章 「現実的な不安」と「神経症的不安」
第3章 不安よりも不幸がいい
第4章 擬似成長と隠された敵意
第5章 不安と怒りの深い関係
第6章 不安から逃げる「消極的解決」
第7章 乗り越えるための「積極的解決」
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▮自分に気づく心理学(愛蔵版)

目 次
・人づきあいが苦しいのはなぜか
・「甘えの欲求」は心の秘密をとく鍵である
・不安なのは本当の自分が見えないからである
・なぜかイライラしてしまう人は人生全体の方向が間違っている
・人を愛し、人から愛される能力
・自然の感情があなたをよみがえらせる
・自分を大切にすることからすべてが始まる
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最後に、

自分や他人の心(脳)の動きを理解できないと、中々、人間になれません。ただ単にダメな奴ではなく、脳の配線がおかしい場合がありますので、このようなことも学ばないと、今流行りの「ダイバーシティ(多様性)」を理解することもできないでしょう。

特に、姿形ではなく「ニューロ ダイバーシティ(脳神経構造の多様性)」についてですが。

 

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