【書籍紹介】 発達障害と人間関係  カサンドラ症候群にならないために  宮尾 益知 (著)

本日の書籍紹介は、 発達障害と人間関係 カサンドラ症候群にならないために  宮尾 益知 (著) です。 筆者は児童精神科医で、どんぐり発達クリニックの医院長です。

世の中、本当に色々な人間が居ます。
平気で、列に割り込みしてくる奴。。。こんな奴は、ちゃんと、みんなの前で、叱らないといけないのです。 モラルを守らないのは、「ケーキの切れない非行少年たち」で紹介したように、境界知能(ボーダー)」の人もいるのです。 老人なら「認知(痴呆)症」の人もいるのです。

1.「カサンドラ症候群

このお話も、前置きで散々、記載したように、自分が何者なのか認識できないで、身近にいる人に、悪い影響を与えてしまう発達障害の中の「ASD」の人と生活をしている人の事柄です。

発達障害の人との人間関係が原因で起こる「カサンドラ症候群」とは? 知らない人は、なんなのか、多分、全然想像がつかないでしょう。

カサンドラ症候群」を知る前に、発達障害について、認識していないと分からない問題なのです。 発達障害の分類の中でも、ASDについて知らないと、何が書いてあるかも理解できないでしょう。

ASD」とは、自閉症スペクトラム症のことですが、過去には、アスペルガー症候群、高機能自閉症と呼ばれていましたが、米国の精神医学会の規定書「DSM-5」では、自閉症も含めて、「自閉症スペクトラム症(ASD)」として定義されています。

この「ASD」の特性を背負った配偶者と、関わることによって生じる、精神的な問題が「カサンドラ症候群」と呼ばれる状態に陥ってしまう問題なのです。

ここまで、記載しても、まだ、理解できない方は大勢いるでしょう。 だから、こんな男と女と結婚してしまい、後になって、自分自身も病んでしまうのです。

多分、こう言うでしょう、「結婚前に気がつかなかったの?」 これが中々、気が付かないと言うより、「ASD」の人間は、社会的には能力が高く、仕事もできるのです。 ですので、人を多面的に見る能力のない人は、騙されると言うより、気がつかないのです。 結婚して、一緒に暮らして、初めて、あれ? と気づき始めるのです。 もう、遅いのですが。。。

日本の世の中では、未だに血液型で人の性格を判断しているほど低脳のですので、仕方ないと云えば仕方ないのですが、痛い目に遭うのは私ではありませんので、頑張って勉強してくださいとしか言いようがありません。 ちょっと、身も蓋もありませんが。。。

本書は、「カサンドラ症候群」は元より、「自閉症スペクトラム症(ASD)」を背負っている人間が、どのような人か、ちゃんと説明していますので、特に、結婚前の女性の方は、よーく読んで理解を深めておいた方が良いでしょう。 イケメンで、ハイスペックな男性を捕まえて、しめしめと思い居ていたら大間違いです。 ASDの特性を持った男性の傾向では、イケメンで、ハイスペックな人が、けっこう多いのです。

恋は「盲目」。。。いやいや、恋は「無知」ですか?

目次
第1章 発達障害とカサンドラ症候群
1 発達障害の基礎知識
2 いま増加中の「カサンドラ症候群」とは

第2章 職場と人間関係――上司や部下がASDの場合


第3章 家庭と人間関係――家族の誰かがASDの場合

1 夫(父親)がASDのケース
2 子どもがASDのケース
3 妻(母親)がASDのケース

第4章 発達障害と夫婦関係


第5章 発達障害と親子関係


第6章 どうすればラクになれるのか
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世の中に、自分と同じ脳をしていない人間も居るんだと云う事をまずは、決めつけるのではなく、認識すべきです。

まずは、ASDのそれぞれの特徴をケース別に記載されていますので、認識して下さい。

発達障害の中で、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などがあります。

「ASD」、「ADHD」の人たちの共通する特徴で、一番押さえておきたい点です。

通常、私たちはみんな「報酬」を得られる行動を無意識に繰り返す傾向があります。つまり、空気を読んだり、忖度したりする。相手に興味が無くても、ある振りをする。つまり、普通の人は「ずるさ」を身に着けているが、それが無い人たちなのです。

通常、自分にとって好結果をもたらす行動はどれかを「無意識」で学んでいける心を持っていますが、彼らには、その「」が無いのです。 無意識で学んでいける、感じ取る「脳」の配線がちょっとおかしいのです。 正確には、脳内ネットワークの情報伝達に問題があるのです。

悪気があるのではなく、自分に取っての「報酬」を求めていないので、他人に関して無関心で居られるのです。

ある意味、素晴らしいのです。 回りに気を使わない、こんな人でないと、世の中で「イノベーション」は起こせないのです。

 

▮ネットでは、小学生の「ゆたぼん」君の事が、話題になっています。

ゆたぼんパパは、「選択をする権利がある」と言っていますが、ひろゆきさんは先日、ゆたぼん君の記事を引用し「子供の教育を受けさせる義務を放棄している親には罰則が必要だと思います」など、「親の責任」についてツイートしています。

一般論で云うのではなく、「この子は、こういう脳をしているから、学校に行けない」と認識できているならば、正直に親は云えばいいだけです。 一般論で「選択をする権利がある」と言ってしまうと、普通の脳をした子供まで、真似をしようとします。

虐待、DV、不登校、いじめなど、色々な社会問題が発生していますが、加害者や被害者、学校に行けない子供の中には、頭が良い悪いという次元より、もっと根底の部分で、「境界知能(ボーダー)」、「発達障害(ADHD、ASDなど)」、「人格障害」、「愛着障害」を背負った親も子供も、世の中に沢山いる事をちゃんと、認識していないだけです。

被害に遭う子供は、単に打たれずよくない子供もいるだろうが、これは母親だけに育てられていれば、ひ弱な精神のまま育ってしまう場合も在るが、それより、脳に障害を背負っている子供と親たちをどう支援して行くかなのですが、難しいのです。

なぜなら、親もちゃんと認識できていないので「どうしよう。。」で止まっているので、支援の手も届かないのです。

 

どんぐり発達クリニック
https://www.donguri-clinic.com/doctor.html

・カサンドラ症候群について NHKハートネット
実際にこのような状態に陥っている人たちのコメントが多数掲載されています。
https://www.nhk.or.jp/heart-net/new-voice/bbs/51/60.html

 

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・今年、一番面白かった、他人のブログ記事。。「察してほしいの取扱説明書」。もう「最高傑作」です。

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