2020年9月3日、
本日の書籍紹介は、「これからの時代を生き抜くための生物学入門」 五箇公一 (著) です。
今回、初めて五箇(ごか)先生の著書を読みましたが、容姿はロックンローラー。。。でも、研究分野は、生態学、集団遺伝で、国立環境研究所の研究者です。
私の最も興味のある分野「生物学」、「遺伝学」について、面白いことが沢山、記載されていますので紹介します。
生物が、生き抜いてきた「仕組み」を知れば知るほど、『
偶然、生を受けて、ちょっとだけ生きて、また、次の生物に引き継がれれ、死んで行く。表面上は、たったこれだけですが、この凄さを感じ取ることができるのは人類だけでしょう。
▮これからの時代を生き抜くための生物学入門
<目 次>
第1章 性のしくみ
第2章 生物学からみる人間社会
第3章 遺伝
第4章 遺伝子優生論
第5章 生物の多様性
第6章 生物学と未来
第7章 私と生物学
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1.「生き物」に優しくなれる一冊です。
生き物は、それぞれ生き方は壮絶ですが、愛おしくなるのです。
人間は、一人ひとり、すべて自分の意志で、行動していると思っていたら、それは大きな間違い、思い違いで、殆んどは、自分の「脳」の無意識の部分に支配されています。
同じように、体も「遺伝子」という、生命を操る「DNA」に支配されて、進化したり(退化も進化の一つ)したりしながら、環境に対応した種が、絶滅しないで繁栄してきました。
この先、どうなるのかは誰にもわからないのです。 地球や宇宙の環境の変化に対応できなけれ、絶滅するのでしょう。 しかし、地球上の生物すべてが、絶滅することは、太陽系が爆発する前までは無いでしょう。 虫より小さな生き物たちが、必ず生き残るでしょう。
「ウイルス」も、生物が全滅しない限り存在するでしょう。なぜなら、生物から出てきた物質だからです。だから、生物の「細胞膜」を通過して、中に入り込むことができるのです。
1)生物は、実にうまくできています。 本当に感心します。
例えば、どんな仕組みかと云えば、
生殖には、有性生殖、無性生殖(クローン繁殖)が有ります。 カタツムリは、両性生殖です。
有性生殖の場合は、必ず、メスとオスが居ますが、人間の場合、「染色体」で云えば、オスはXY、メスはXXですが、このオスのYの遺伝子が段々少なくなっているそうです。そのうち、Y遺伝子が消えてしまうかもしれません。 ちょっと危ないのです。
もともと性ができた究極要因は、遺伝子を交換=シャッフルして、多様性を高めるものだったのです。
無性生殖(クローン繁殖)だと、遺伝子の単なる「コピー」ですので、多様性が無くなります。 ですので絶滅する危険性があるのです。
有性生殖で、オスとメスの遺伝子を合体する時や、旨く遺伝子のミスコピーをしたりしながら、進化を続けてゆく運命にあるのですが、「エピジェネティック」と云って、生まれた後に、環境などにより遺伝子のスイッチがONになり、変異することも分かっています。
一番、大きく進化(退化)するタイミングは、おそらく、「ウイルス」などに感染して、遺伝子を書き換えられた時でしょう。現に、卵を育てていた人間の祖先のネズミが、お腹の中で子供を育てられるように、「胎盤」ができたのも、数億年前の「レトロウイルス」のおかげなのです。 このことは、日本の研究者が発見しています。
2)ダイバーシティと云うが
多様性があるから、絶滅しないで命を繋いでいるのですが、世の中の「マイノリティ」と言われる、例えば「LGBT」、「脳に障害を持った人」たちも多様性の1つなんでしょう。きっと、そのためにちゃんと、昔から絶滅しないで存在しているのは理由があるのです。
人類は、無性生殖(クローン繁殖)ではなく、有性生殖ですので、「ダイバーシティ」になるのは当たり前なのです。 だから生き残ってこれたのです。
このように、例え「頭の配線がおかしい人」が居たとしても、人それぞれで、生物としてしかたない事なのでしょう。
優生学的にも、「奇人、変人を排除してはいけないのです」
この奇人・変人が、世の中で「イノベーション」を起こすのです。
どんなに頭が良くても、こずるくても、普通の人間は、「イノベーション」を起こせないのです。そして、そのイノベーションが、善か悪かは、歴史が証明してくれるだけです。
過去に、日本も、スエーデンなども、「優生学的」な政策を実施していました、特にナチスドイツなどは、とんでもない事をしていました。
人間は、脳の配線がおかしい人が出てきて、旨く転んだ場合は「イノベーション」を起こしますが、悪く転んだ場合は、争い事を起こし「戦争」を阻止できないのです。
3)歴史は繰り返す
歴史は繰り返すと言われていますが、「戦争」で云えば、なぜか弱さ故に、人類は「バケモノ」の様な人間が現れた時に、これを阻止できないのです。
良い方向に進めばよいのですが、「バケモノ」の様な人間に引きずられて、弱さ故に、とんでもない方向に進んでしまうのです。 後から、反省しても遅いのです。
後から、反省しても意味が無いのです。
「バケモノ」の様な人間に、騙されないようにするには、どうしたらいいかですが、ほぼ、不可能ですので、歴史は繰り返します。
遺伝子は、残念ながら、それを阻止してくれません。
4)この書籍を読んでいると、この世に、偶然、人間に生まれてきてよかったのか。。。
ヒトは「脳」が発達したおかげで、死ぬまで、メンドクサイことに悩みながら、寿命が来れば、嫌でも一人で死んでしまうのです。
現在の人口は? 当時の人口は? と云うが、そんなのどうでもよくて、いままで、地球上に、何人の人間が生まれ、高々、40年~80年の短い期間生き延びて、寿命が来て死んでいったのだろうか?。
20万年前くらいから、トータル、何人生まれて、死んでいったのだろうか?
「頭のおかしい人」は、生き物は、生まれ変わると信じていますが、そうではなく、本当は、人間や生物の体を構成する分子、原子は、地球上で使い回されているだけで、何回、使い回されているのでしょう。 「そんなの分かるわけないだろう。。。」です。
5)人間、生まれて死ぬまで、暇つぶしの連続です。
どう生きてゆくか? 一生懸命生きても、そうでなくても人生です。
自分で決めればいいのですが、そうも行かない事があり、他人のせいにする人も居ますが、それも自由でしょう。
どうせ、死んでしまえば、みな同じです。
どんなに偉そうなやつも必ず、世の中から消えるのです(中々、消えない奴も居る:憎まれっ子世にはばかると。。。)。
せめて、生きている間、良い思いをしたいと思っているのは「人間」だけでしょうが、そうは行かないのです。
ほかの生物と違い、人間は、お互い弱い「人間社会」の中で生きていますので、差別され、格差の中から抜け出すことができず、一生を遂げるのです。
他の動物も、助け合うことが有りますが、それは「利他的」な行動なのかどうかは分かりませんが、それも生き延びる戦略として機能している場合が有ります。
6)最後に
死ぬまで、一生、もがき苦しみながら、必ず生きるのです。 寿命が来るまでは。
厄介な生き物ですが、それが「人間」として生まれてきた「運命」なのです。。。。と思う今日この頃です。
生物の細胞には、アトポーシスという機能も有りますが、決して、人間の場合、自分で自分を殺さない事です。
明日は、どんな「暇つぶし」をして、すごそうか。。。。元々、人生に意味など無いのです。
なぜなら、「生物は遺伝子によって利用される乗り物に過ぎない」のですから。
残りの人生、死んでしまう、その日まで「暇つぶし」と思えば、楽勝です。
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