【大事な知識】「死ぬくらいなら、その前になぜ仕事を辞めなかったのか?」その疑問に答える「科学的な理由」

Overworked Employee lying in front of Laptop

2024-03-03、
本日のお題は、大事な知識として、「死ぬくらいなら、その前になぜ仕事を辞めなかったのか?」その疑問に答える「科学的な理由」 です。

大抵の人なら、死ぬくらいならと思うでしょう。
でも、自死する前に発症している「うつ病」の原因は、「心の弱さ」ではないのです。

警視庁の令和5年の自殺者数について、総数は2万1千件を超えています。更に、自殺者の年次推移をみると、平成8年から平成9年の間には、急増していて日本経済はいわゆる「平成不況」の中にありました。この期間は、バブル経済の崩壊後の経済的な困難が続いていました。

自殺の原因は、それぞれ、日本社会の経済状況にも大きく影響を受けている部分も在りますが、少なくても働きすぎで「疲労」が貯まってしまうと、体に変化が生じて、「心が弱い」人でなくても、うつ病状態から自殺にまで至ってしまうのです。

 

そのメカニズムを解明する前に。

1.私もこのような経験をしたことがあります。

それは、コンピューターの学校で8階で授業中に、見ず知らずの人が教室の中に入ってきて、窓を開けて、ベランダに降りて、そこから、飛び降りました。生徒でも、先生でもない、関係者でもない人が、学内に入り、授業中の教室の後ろの窓を開けで、外に出てすぐに飛び降りたのです。 先生は、一部始終見ていたと思うが、止められなかったでしょう。

この様に、自殺をする人にとって、死ねる場所ならどこでも良いのです。 もう頭(脳)が、尋常じゃない状態になっているので、どうしようもないのです。 拘束しない限り、誰も止められない状態になってしまっていたのでしょう。

授業中の教室のベランダから「投身自殺を図る」なんて誰も思い付きません。

人間「死にたい」と思う事は、人生のうちで何回かあるでしょうが、死ねないのは「脳」がまだ正常の範囲内だと、自らはなかなか死ねないもんです。 「命根性が汚い」訳ではないのです。

多細胞生物の「細胞」には、アポトーシス(Apoptosis)と云う機能がありますので、プログラムされた細胞死はありますが、ヒト単体にはありません。

 

さあ、問題の解明はこれからです。

2.疲労とウイルスの関係について

自殺をしてしまうのは、「過労」による脳内炎症のため、すでに正常な思考ができなくなっているのだと、現在は考えられています。

「疲労」は、「ヘルペスウイルス」の一種である「HHV-6」が再活性化することで引き起こされることが報告されています。また、疲労物質が溜まるとHHV-6が再活性化して、唾液中のウイルスが増えるとも報告されています。

◆どれだけ疲れているかは、唾液中のヘルペスウイルス(HHV-6)の数でわかる
人類のほとんどが幼いころに感染する「ヒトヘルペスウイルス6」は、その後、潜伏感染しているが、宿主が疲労すると、 逃げ出そうとして口中に出てくる。

◆うつ病は、疲労とウイルスから生じる遺伝子が原因である
疲労が高じ、「ヒトヘルペスウイルス6」が再活性化することで、うつ病の原因遺伝子が発現する。この遺伝子を発見した著者は、ダークサイドの力を操る『スターウォーズ』の暗黒卿にちなんで「SITH-1」(シスワン)と命名した。

うつ病患者では、疲労が火種となり、「SITH-1」がその消火を阻むことで脳内炎症が引き起こされる、という現象が生じていることが明らかになったのです。SITH-1」によって脳にかかるストレスや、HPA軸の亢進といった現象が重なって、うつ病が発症するのだと考えられます。

◆新型コロナ後遺症は、うつ病と同じ病的疲労の症状だった
世界で数億人にのぼる新型コロナ後遺症の患者は、うつ病患者と同じように脳内炎症を起こしている
その研究から、いま世界で疲労研究が活気を帯びてきている。

 

■参考書籍
疲労とはなにか すべてはウイルスが知っていた (ブルーバックス)

実は「日本」が世界を一歩リードしている「疲労の研究」ついての成果です。

一般的に使用される用語である「疲労」には、2つの意味が含まれています。
疲れたという感覚である「疲労感」と、疲労感の原因となる「体の障害や機能低下」です。
科学の対象としやすいのは、「体の障害や機能低下」です。

「ぐうたらな生活」をしている人には全く関係ありませんが、興味のある方は、是非、読んでみて下さい。

関連記事
【書籍紹介】疲労とはなにか  すべてはウイルスが知っていた  (ブルーバックス) 新書  近藤 一博 (著)

 

 

 

 

 

 

 

コメント