2017年10月7日(土)夜9時から放送した
「衝撃スクープSP 30年目の真実~東京・埼玉連続幼女誘拐殺人犯 ~宮崎勤の肉声~」(フジテレビ系)を観てしまいましたが、ちょっと感想を。
1.普通の人間って何?
再現ドラマの中で、最後、私たちと同じ「普通の人間だった」ような言い回しになっているのが、非常に気になりました。
明らかに、完全に狂っていれば、良かったのか。。。。人間の「脳」の異常さとは、ある個所がおかしいだけで、何が正常で、何が異常か。。。。そんなに簡単ではないでしょう。
「普通の人間だった」事に、そんなに意外性が、あるはずがないのです。
人間として生まれ、親に養育され、学校で教育され「社会性」が身ついて、普通の人間が絶対にしてはいけない事を「やってしまう」超えてしまう「情動」の変化は、何が正常なのか、何が異常かです。
2.「異常者」と「正常者」の区別なんて、ほんのわずかな部分でしかないのです。
もう一つ、異常なら、全部が異常か。。。そうではないように思います。
人間の脳は、無意識に行動している部分が沢山ありますので、意識下の異常なのか?、無意識下の異常なのか?
普通の人間の部分(意識)と、ある一部の脳が異常をきたしている場合が十分あり、ここが正常だから、他も異常はないはず。。。という考え方は、当てはまらないのではないかと考えます。「他は、普通なのに、なぜ異常なことをするのか?」という考え方自体が、おかしいように思います。
例えば、「認知症」になって、どんなに「ボケ」ても、「自尊心」と「プライド」だけは、ちゃんと持っています。 これだって、なんで、ボケているのに、「自尊心」と「プライド」だけは持っている事を説明できますか?
もう一つ、取り調べで会話している時の再現ビデオを観ていて感じたのは、犯行時の当事者意識がまるで欠如している。 どうしてか?
3.サイコパスか?
「良心の呵責」が感じ取れなければ、何か重大な、絶対やってはいけないような残忍な行為をしても、「自分は悪い事をしてしまった、とんでもない事をしてしまった」という思いがわいてこないのでしょう。ここが普通の人には理解できない所でもあり、ここだけが異常と云われれるところです。
だから、至って冷静にかつ淡々と自らの犯行を語っていたように思います。しかし、自分が捕まりたくないと思うのは心は当たり前で、この部分は至って普通なのです。でも、ここが理解できない点です。
サイコパス(反社会性人格障害)を装っていた可能性もあると言われていますが、まさしくサイコパスの「症状」によく似ていると思うのですが。。。
普通に人間社会の中で、生活していて、他人の痛みは感じ取れないが、「ヤバい、自分が捕まる」と自分の危険・痛みを感じ取れる部分は、普通に持ち合わせているのです。
「サイコパス」は、非常に知能が高くて、狡猾な人間のように思われがちですが、そうではないサイコパスも沢山いるのです。 「知能の高くない」、自分の身の危険を察知することが鈍い、すぐ捕まってしまうサイコパスも居るのです。
捕まるという「危険」を察知する能力が、同じ「サイコパス」でも違うのです。 危険を鋭く察知できる「サイコパス」、例えば、「シリアルキラー(連続殺人鬼)」などは、なかなか捕まらないのはそのせいです。
4.脳の異常が原因の場合もある
犯人は捕まってから、「脳」のCTまで撮ったようですが、CTで異常が見つかる場合もあります。それは、情動を司る脳の部分に「癌」などがある場合です。
その結果、「小児性愛(ペドフィリア)」が発生してしまう場合も医学的には実際にありますが、しかし、それも無かったのでしょう。
池田小事件の宅間守(吉岡守)元死刑囚には、脳腫瘍がありました。
人間は、生まれてから「社会に飼いならされた動物」だと思うしかないのです。
その中に、「飼いならされない」、「飼いならされることのない」、「飼いならされることに失敗した」脳をもった人間もいると云うことだけです。
そして、見分けることが、非常に難しいだけです。 脳の配線は、誰も治せません。
何故なら、普段は、普通で、異常が無くても、何かのはずみで、激しい「情動」を脳の仕組みの中で、自ら抑え込むことが困難な状態になっている事など、誰が分るのでしょうか?
普通の人は、「怖い」というが、心の中に、人間みんな持ち合わせている感情です。
人間は「おばけ」より、はるかに「怖い」という事を自分自身も含めて感じることです。
この世に、「神」も「悪魔」も存在しないが、「悪魔」のように飼いならすことの出来ない「脳」を持った人間は確かに居るのです。
<参考記事>
・東京・埼玉の連続幼女殺人 元死刑囚はサイコパスを装っていた可能性も
・幼女を連続で誘拐し殺害 元死刑囚の供述が判明「犯人を仕立てたかった」
■シリアルキラーズ
■サイコパス
■サイコパス・インサイト
■暴力の解剖学
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