本日の書籍紹介は、「胎児のはなし」です。 最相葉月、増崎英明 (著)
まさに、胎児と妊娠・出産のお話です。
男には理解不能な事が多いのですが、知識として知っておいても無駄にはならないと思います。母親が子供を産むということがいかに大変なことなのか、少しでも理解できればと思います。
産婦人科医の増崎 英明さんと、ライターの最相 葉月さんとの対談形式で書かれた物ですが、とにかく、男性には「すごい内容!」の書籍です。
例えば、
・胎児はなぜ子宮の中で頭が下にあるのか?
・羊水はどこからくるのか?
・お父さんとお母さんはDNAでつながっている!?
・母はなぜ胎児を拒絶しないのか?
経験していない人はいない。なのに、誰も知らない「赤ん坊になる前」のこと。
出産経験のある人も、ない人も、男性も――読んで楽しくて、ためになる!
全人類(?)必読の一冊。
■胎児のはなし
– 目 次 –
第1章 みんな胎児が見たかった
第2章 超音波に一目惚れ
第3章 胎児
第4章 胎児を救う!
第5章 胎児の表情七変化
第6章 胎児の世界
第7章 妊娠・出産の世界
第8章 周産期医療最前線
終 章 私たちはどこから来て、どこへ行くのか
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1.私の医療系の人たちとの関わり
1)私の母方の祖母は「助産婦」さんでした。祖父は公務員。 変な組み合わせです。
もうこの世にはいませんが、私にとっては、穏やかで優しい「お婆ちゃん」でした。 私をとりあげてはいないようですが、姉妹も医療系の仕事をしており、昔、おばさまたちが集まってお話をしていると。。。もう、うるさくて、箸が転がっただけでも、爆笑していました。女3人寄れば「かしましい」と言われていますが、その域は、完全に超えていました。
母も、若い時、一時期、看護師として働いていた経験があるが、手術室でオペ中に血を見て倒れるという大きな欠点を持っていたようです(使い物にならない)。
私が若い頃、妊婦さんの「逆子」を直している様子も、実際に観ていたことが有ります。そんなんで直るの?。。。ですが、この書籍を読んで、より詳しくなりました。
この書籍で知りましたが、胎児は、「子宮口」に頭を向けているのが普通ですが、子宮は「洋ナシ」を逆さにしたの様な形をしていて、お尻が下の方(子宮口)に来ているのが「逆子」だそうです。 ですので、足から生まれるのではなく、お尻から出てきそうになるのを「逆子」と云うそうです。 全然、知りませんでした!!! また、「逆子」になる要因も色々あるようです。
2)「クズ親父」
私の場合、長女が生まれようとしている時、中々、出てこないので、産院から抜け出し、洗車場でクルマを洗っていました。。。。結局、帝王切開でしたので、なおさらです。
これは、多分、一生言われ続けるでしょう。
娘が言っていました、お母さんが「お父さんは、あなたが生まれる時、洗車していたんだから」と。。。本当に「クズ親父」です。
つい最近まで、クズだと思ってもみませんでしたが、NHKのドラマ10で「透明なゆりかご」というドラマを観てしまいました。産婦人科医院 看護師見習い日記なのですが、命のはかなさ、大切さ、女性にとって出産は命がけなのだ。と言う事をこのドラマを観て初めて実感した次第で、「クズ親」を自認した時でもあります。
完全に、私の「共感力」の欠如でしょう。
「共感」とは、2種類あるようですが、この二つとも無かったという事ですか。。。
■情動的共感:
相手の思考や感情に対して「情的に繋がって、自分の事のように反応できること」。感情としてはこちらの方が原始的です。
■認知的共感:
相手の思考や感情を「知的に認識することができること」
認知的共感が無いのがASD(自閉症スペクトラム症)、情動的共感が無いのがサイコパス(非社会性人格障害)と言われていますが、両方とも無い奴は、どんな障害だ! と自分でも感心します。
3)看護師さんの友人
■以前、「整形外科」の病院に務めていた、バリバリの看護師さんですが、今は、訪問看護のお仕事をしていて現役です。下記の記事で紹介した女性です。
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■私は、若い頃、「肺結核」で入院生活が長かったのですが、看護婦さんの言う事は絶対服従です。
当時は、看護婦さんでし。 「No」とは絶対言えません。 「Yes」のみです。
彼女のお家に遊びに行った時、ちょうど「腰痛」が悪化して痛そうにしていると、ゴソゴソとシップをいつの間にか探し出し、「はい、後ろ向いて、お尻を向けて!!」。。。ズボンまで脱がされるのかと、ちょっと焦りましたが、無事、腰にシップを2枚張ってもらいましたが、何て言われたと思います。
「はい、要介護1ね!!」ですって。。。
そんなに歳は違わないのに「ひどい!!」。。のですが、言い返せません。「Yes」のみです。「ありがとう!!」と付け加えるのを忘れずにね。
2.マイクロキメリズムとテレゴニー について
上記の2点についても、このキーワード自体は、特に記載されていませんが、関連している事を先生がおっしゃっていましたので、ちょっとびっくりです。
胎児と母親は、胎盤で繋がっていますので、父親の遺伝子は、母親の体内に入り込んでくるようです。 夫婦は血のつながりは無いと言われていますが、子供ができれば、遺伝子レベルで、子供がいる「夫婦」は繋がっている様です。 ワオ!です。
私は感動もんですが、母親は「キモイ!」と思うかもしれませんね。
この話を若い女子に話すと、「だから、夫婦って似てくるんだ!」と言ったので、なんと勘の鋭い子なのかと感心しました。
1)マイクロキメリズム (:Microchimerism)
マイクロキメリズムは血液または臓器移植、妊娠などで起こることが知られている。特に妊娠中は母親と胎児の間で少量の細胞の相互移動が発生することが明らかになっているが、妊娠終了後も互いの免疫系に排除されないまま体内に定着し数十年経った後にもマイクロキメリズムの存続が確認されている。実子であっても免疫学的には他者と見なされるはずの受精卵が、免疫寛容によって排除されない現象に関係があると言われている。
芸能界で云えば、喜多嶋舞さんとの子供が、大沢樹生さんが行ったDNA鑑定で「自分の子供ではない」との判定結果に、喜多嶋舞さんの主張が真実なら、「マイクロキメリズム現象」を考慮していないと云う事になります。
この現象は、「DNAキメラ」とも呼ばれています。
「DNAキメラ」とは、同一の個体内に異なる複数の遺伝情報を持つ細胞が入り混じっている状態であり、発現率は10億人に1人という極めて稀な現象ではあるが、実例の報告もあるのだ。
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2)テレゴニー(:telegony)
ある雌が、以前ある雄と交わり、その後その雌と別の雄との間に生んだ子に、前の雄の特徴が遺伝する、という説、理論。
ハエ(ショウジョウバエ科)を使った実験では、交尾と子どもの形質の分析が行われ、研究では、交尾をして生まれたハエの子どもの身体の大きさが、本来の父親よりも以前に交尾をしたパートナーの影響を多く受けているという驚きの結論が導き出されたそうです。
これが人間にも当てはまるとしたら、過去にセックスした男の「精液」は、何らかの形で女性の体内に残り、DNAレベル、タンパク質レベルで、分子生物学的に、吸収、COPYされていたとしたら、生まれてきた子供が、父親に似ていなかったと云う事も起こりうると云うことです。
ですので、中世ヨーロッパの王家が、「離婚歴」のある女性を嫁に取らないと云う根拠にされてきたという経緯もあるようです。
未婚の女子は、注意です。。。
分かりやすく云えば、男出入りが激しいと、複数の男の遺伝子が、遺伝子レベルで入り込んでくる可能性があるのです。
こんな例もあります。
生物学的には、昆虫ですが、交配後、複数のオスの精子をとっておいて、一番良いのを受精させることができるのです。
イエバエの場合、交尾開始10分後くらいに、精液に含まれる浸食性の化合物が膣壁に穴を開けて、細胞で構成されている薄い層が破れて、精液が雌の血中に吸収され性欲抑制のタンパク質が作用する。
最後に、
こんな感じで、医療系と云うか、生物学、遺伝学、人類学的なこの様な著書は、非常に興味があり、300ページくらいのボリュームですが、一気に読んでしまいました。
対話形式でお話が進んでゆきますので、難しい処は、ちょっと印を付けておいて、後で調べれば、一層、理解が深まるのではと思います。
若い女子とお話をする機会が、多々有りますので、「女子トーク」の際のネタに、色々な情報を仕入れておく必要があるのです。
もう、絶対に男性より、結婚前、出産前の女性に読ませたい書籍です。
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