【書籍紹介】 ウイルスは悪者か  ―お侍先生のウイルス学講義 髙田礼人 (著)  レトロウイルスの痕跡

本日の書籍紹介は、「ウイルスは悪者か」―お侍先生のウイルス学講義 髙田礼人 (著)

この地球は、数えきれないほどの「ウィルス」で溢れています。そして人類の体の中にも「ウィルス」の痕跡があります。
例えば、お腹の中で赤ちゃんを育てるための「胎盤」ができたのも、人類の先祖であるネズミのころ、レトロウイルスに感染して、その影響で「卵」で生むのではなく、赤ちゃんをお腹の中で育てることができる様になったのです。 「胎盤」を形成するゲノム解析で、これを発見したのは日本人夫婦の研究者です。

 

ところで、皆さんは「インフルエンザ」の予防注射は、もうお済でしょうか?

この書籍でも扱っているウイルスの一つ「インフルエンザ」ですが、私の場合、今まで、一度も、インフルエンザの予防注射をした覚えがありません。インフルエンザなど一度も罹った事がありません。 大体、10年に1回くらいの割合で、発熱して、1日間くらい寝込みます。 その他は、鼻かぜくらいしか引きません。

なぜだか分かりませんが、今まではそうでした。 もう歳ですので、これからも、こんな状態でやり過ごせるとは思いませんが、なぜか、「免疫力」が高いのか、、はたまた、私の「存在自体が細菌、ウイルス」なのかしれません。

いまだ、日本では「血液型」で人の性格を判断するような地球100周くらい周回遅れのバカたれが、多く存在しますが、世界中で、国により血液型の割合が違っていますが、これは性格に偏りがあるのではなく、顕微鏡の無かった時代の流行り病(伝染病)、黒死病(ペスト)などがあるが、血液型によりかかりやすい病気と、そうでない病気があり、それによって淘汰された結果ではないかと云われています。

ですので、「血液型」で人の性格を判断するようなことだけは、止めた方が良いでしょう。「アホ」扱いされますよ。

そんなことは、どうでも良いのですが、著者の「髙田礼人」先生は、北海道大学 獣医学部出身の研究者で、生れは「志村けん」さん同じ東村山市ですが、ご両親は2人とも北海道の田舎(失礼)のご出身ですので、先生は北海道に非常に馴染み深い方の様です。

よく、札幌駅横の「紀伊國屋書店」1階ホールで、公演が週末の夕方などに行われているのですが、そこで一回公演していただき、お目にかかり、先生のお話を伺いたいです。

– 目 次 –
プロローグ エボラウイルスを探す旅
第1部 ウイルスとは何者なのか
1章 ウイルスという「曖昧な存在」
2章 進化する無生物
3章 ウイルスは生物の敵か味方か

第2部 人類はいかにしてエボラウイルスの脅威と向き合うか
4章 史上最悪のアウトブレイクのさなかに
5章 研究の突破口
6章 最強ウイルスと向き合うために
7章 長く険しい創薬への道程
8章 エボラウイルスの生態に迫る

第3部 厄介なる流行りもの、インフルエンザウイルス
9章 1997年、香港での衝撃
10章 インフルエンザウイルスの正体に迫る
11章 インフルエンザウイルスは、なぜなくならないのか
12章 パンデミックだけではない、インフルエンザの脅威

エピローグ ウイルスに馳せる思い――ウイルスはなぜ存在するのか
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エボラ出血熱、デング熱、新型インフルエンザなど、ウイルスのお話ですが、そもそもウイルスは生物なのか、無生物なのか?。。。。。

私の大好きな分子生物学者の「福岡伸一」先生の「動的平衡」のお話まで出てきます。

生き物なのか、そうでないのか、ウイルスが人の体に侵入できるかどうかは、細胞膜を通過できるかどうかです。一旦、侵入できると中の遺伝子と入替を始め、自己増殖を始める不思議な物質、そうウイルスは、「遺伝子」そのものなのかもしれません。

最悪「パンデミック」が起きないように、北海道の最北端の湖で、渡り鳥の糞を採取して、鳥インフルエンザ(人獣共通感染症病原体)に感染していないか、調査を続けている様です。

読んでいて、研究者の書く文章で、難しい文章かというと、かなり分かりやすく、読んでいて、眠くなることは有りません。

分かりやすく、ウイルスについて説明している一冊だと思います。

 

「ウイルス」について、もっと勉強したいなら、下記の3冊の書籍なんかどうでしょう?

人類の進化も、ほんのちょとした、遺伝子の変異(1本多いとか、少ないとか)では、とても説明がつかないというか、大きな進化は起きないでしょう。

やはり、ウイルスなどの影響で、遺伝子を大きく、変化させる要因が無いと、進化出来ないでしょう、そして、その変異は、たまたま、環境の変化に適応していると、引き継がれてゆく、偶然の重なりが産んだ産物なのではないでしょうか。

ドーキンス博士が「生物は、遺伝子の単なる乗り物にすぎない」と言っていますが、何だか納得する部分が多いような気もします。

生物はウイルスが進化させた 巨大ウイルスが語る新たな生命像 (ブルーバックス)

目次
第1章 巨大ウイルスのファミリーヒストリー―彼らはどこから来たのか(見えていなかったもの
第2章 巨大ウイルスが作る「根城」―彼らは細胞の中で何をしているのか(ウイルスは何をしている?
第3章 不完全なウイルスたち―生物から遠ざかるのか、近づくのか(「区画」とリボソーム
第4章 ゆらぐ生命観―ウイルスが私たちを生み出し、進化させてきた!?(細胞核はウイルスが作った!?
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■ウイルス・プラネット  カール・ジンマー (著)

目次
プロローグ 「感染力をもつ生きた液」タバコモザイクウイルス
1章 「ただならぬかぜ」ライノウイルス
2章 「天の星々のしわざ!?」インフルエンザウイルス
3章 「角の生えたウサギ」ヒトパピローマウイルス
4章 「敵の敵」バクテリオファージ
5章 「ウイルスに充ち満ちた海」海洋ウイルス
6章 「ゲノムにひそむ寄生者」内在性レトロウイルス
7章 「新たな病魔の出現」ヒト免疫不全ウイルス
8章 「目指すは自由の国アメリカ」 ウェストナイルウイルス
9章 「新興感染症の予測」 SARSウイルス、エボラウイルス
10章 「長いお別れ」天然痘ウイルス
エピローグ 「冷却塔のエイリアン」ミミウイルス
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生物と無生物のあいだ 福岡 伸一(著)

目次
第1章 ヨークアベニュー、66丁目、ニューヨーク
第2章 アンサング・ヒーロー
第3章 フォー・レター・ワード
第4章 シャルガフのパズル
第5章 サーファー・ゲッツ・ノーベルプライズ
第6章 ダークサイド・オブ・DNA
第7章 チャンスは、準備された心に降り立つ
第8章 原子が秩序を生み出すとき
第9章 動的平衡(ダイナミック・イクイリブリアム)とは何か
第10章 タンパク質のかすかな口づけ
第11章 内部の内部は外部である
第12章 細胞膜のダイナミズム
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