2018年10月7日、
本日の書籍紹介は、「神は、脳がつくった」 200万年の人類史と脳科学で解読する神と宗教の起源 E.フラー・トリー (著)
まず始めに、この書籍は「宗教」や「神」の事を書いた書籍ではありません。
先日(10月4日)「人工知能はなぜ椅子に座れないのか」を紹介しましたが、皮肉な言い方をすれば、「人工知能は、なぜ神を作れないのか」になるのではないでしょうか。
何故なら、人工知能は、どんなに賢くなっても人間の「脳」と全然違うからです。
– 目 次 –
序章 神々の住まい、脳
第1部 神々の創造
第1章 ホモ・ハビリス<より賢くなった自己>
第2章 ホモ・エレクトス<自分がわかる自己>
第3章 古代型ホモ・サピエンス(ネアンデルタール人)<思いやりのある自己>
第4章 初期ホモ・サピエンス<自分の心を見つめる自己>
第5章 現代ホモ・サピエンス<時間を意識する自己>
第2部 神々の出現
第6章 祖先たちと農業<霊魂を信じる自己>
第7章 政府と神々<神を信じる自己>
第8章 神々の起源を説明するほかの理論
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もちろん、神がいる・いないなんて低レベルのお話しではありません。
猿人—->原人(ホモ・エレクトス)—>旧人—>新人(ホモ・サピエンス)と進化してきた人類の歴史の中で、人の頭の中に「神」がどのように出現したか。
「サル」「チンパンジー」「ボノボ」「人工知能」に「神」は居ません。
はて、なぜでしょう?
これを脳の進化、発達心理学などを通して、「心」「自己認識」の側面から探ってゆきます。
人類進化の歴史、脳科学などの知識を織り交ぜながら、どのように「宗教」が出来上がってきたかが記載されています。
宗教について書いた書籍というよりは、人類進化の歴史、脳科学で、ホモサピエンスがどう進化してきたかを解説している。
新発見だったのは、子供の発達過程つまり発達心理学的に、人類が進化してきた過程が、成長してゆく「心」の育ち方が参考になると言う点です。
「心の理論」で云えば、「自己認識」、「内省的自己意識」の発達と「脳神経学」的な発達の脳の場所などが、解説されています。
最後に、
「人工知能が、人間を超える」とか、「仕事が奪われる」のではないかと訳もわらない国民は、漠然とした不安を覚えていますが、所詮、心の無い、ハード・ソフトウエアの塊です。
それに、「人工知能」が仕事を奪うのではなく、経営者が奪うのでしよう。
ビックデータを利用して予測したり、「心」が無くてもできる仕事が「人工知能」が得意な仕事ではないでしょうか。。。。
「ノア・ハラリ」氏が、面白い事を言っています「近い将来、役立たず階級が大量発生する」と、これは将来、発生するのではなく今でも「役立たず階級」が堂々と存在しています。 政府が、「はたらき方改革」と言っていますが、労働者の「役立たず階級」が、すでに大量に発生しているように思います。
そうならないようにするには、唯一「心」を持った人間なら自分で考えることができるでしょう。
それができなければ。。。。。そんなの知った事ではない。
人工知能に「神」は必要ないのです。 なぜなら。。。と考えると、人間と人工知能の違いが、少し見えてきますので、是非、参考に。
—参考書籍—
■神は妄想である―宗教との決別
■暴力の人類史
■人類進化の謎を解き明かす
■AIは「心」を持てるのか
—関連記事—
・【書籍紹介】人工知能はなぜ椅子に座れないのか: 情報化社会における「知」と「生命」 (新潮選書)
・【書籍紹介】 「第三のチンパンジー」 ジャレド・ダイアモンド (著)
・【書籍紹介】未来を読む AIと格差は世界を滅ぼすか
・【書籍紹介】脳の意識 機械の意識 – 脳神経科学の挑戦 (中公新書)
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