【書籍紹介】 「第三のチンパンジー」 ジャレド・ダイアモンド (著)

2018年3月12日、
本日の書籍は、若い読者のための「第三のチンパンジー」: 人間という動物の進化と未来です。

NHK Eテレで放映中の「ヒトの秘密」に出てくる進化生物学者「ジャレド・ダイアモンド」博士の著書です。

もう後、1週くらいで終了しますが、また再放送されるでしょう。

■「第三のチンパンジー」 ジャレド・ダイアモンド(著)

—– 目  次 ——
第1部 ありふれた大型哺乳類
□第1章 三種のチンパンジーの物語
□第2章 大躍進

第2部 奇妙なライフサイクル
□第3章 ヒトの性行動
□第4章 人種の起源
□第5章 人はなぜ歳をとって死んでゆくのか

第3部 特別な人間らしさ
□第6章 言葉の不思議
□第7章 芸術の起源
□第8章 農業がもたらした光と影
□第9章  なぜタバコを吸い、酒を飲み、危険な薬物にふけるのか
□第10章  一人ぼっちの宇宙

第4部 世界の征服者
□第11章 最後のファーストコンタクト
□第12章 思いがけずに征服者になった人たち
□第13章  シロかクロか
□第14章 黄金時代の幻想
□第15章  新世界の電撃戦と感謝祭
□第16章  第二の雲

自分は、何者なのか? という疑問を持てば、「人間とは何か?」という問いになりますが、昔でしたら「哲学」なんでしょうが、現代では、自然科学の分野でいえば、人類学、文化人類学、生物学、分子生物学、遺伝学、脳科学(脳神経学)、心理学、発達心理学、言語学など様々な個別の学問に踏み込まなければなりません。

この書籍は、このような学問を横断した形で、「人間とは何か?」と云う問いに答えるような形で記載されています。

アフリカから、世界各地に出ていった直立二足歩行の類人猿が、なぜ、 ネアンデルタール人はなぜ滅んでしまったのか?  人類(ホモサピエンス)だけ生き残ったのか?

現代に至っては、人類は、なぜ、ジェノサイド( genocide:集団虐殺)を繰り返すのか? など、人類は「類人猿」とは違うが、生き物としての本質的な部分は、他の動物たちの生存をかけた本能と本質的な違いがあまり無いことが、理解できるようになると思います。

特に若い、「哲学」を学ぶのはちょっとむずかしいが。。。と思っている方で、「自分は何者なのか?」、「人間とは何か?」を認識するだけの「心」の余裕のある方は、人類学、自然科学を学ぶきっかけになる良書ですので、是非。

また、私の読んだ書籍は「ブクログ」に登録してありますので、自然科学系の書籍の参考にしてください(当サイト左ペインの下の方にも、貼り付けてあります)。
「WEB、IT、パソコン講座」管理人の本棚 :https://booklog.jp/users/step01hy

 

本書の最後の解説にも記載されていますが、現在、日本の中学校・高等学校では「人間とはどんな生き物なのか」を考える授業が殆ど有りません。

生物の授業に限りませんが、カエルの解剖ではなく、「生き物とは何か?」、「人間とは何か?」など、もっと大きなテーマを通年に渡り教える時代に来ている様に思います。

人間の不都合な「厄介な部分」を若いうちから、ちゃんと教え込んでおく、考えさせるのも、教育の一つのような気がします。

余談ですが、
母親たちの間でも、人の「性格」を判断するのに、未だに「血液型」を持ち出します。もう、ここまで来ると地球100周以上周回遅れですが、自分が遅れていると自覚していない所が「哀れ」です。

追記
博士の有名な書籍としては『銃・病原菌・鉄』、『文明崩壊』、『昨日までの世界』などが有りますが、特にピュリツァー賞を受賞した『銃・病原菌・鉄』(上・下巻)は必読書です。

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