【書籍紹介】「日本人の承認欲求」 太田肇(著) 閉ざされた組織に巣くう特異な「承認欲求」

2022-05-21、
本日の書籍紹介は、「日本人の承認欲求」 太田肇(著)です。 閉ざされた日本独特の組織に巣くう特異な「承認欲求」とは?

コロナの感染拡大が広がる中、リモートでの在宅勤務が始まりましたが、この勤務形態が、日本人にはなかなか慣れない原因を探ると、日本独特の閉ざされた組織に巣くう特異な「承認欲求」にあると言っています。

組織研究の第一人者が、日本的「見せびらかし」文化の挫折と希望を解き明かす。

主に、オフィスで働く労働者の事柄ですが、社会の中で、目に見えない、人間の本来持っている「承認欲求」という、厄介な「心」の特性について、記載されていますので、興味深い一冊です。

 

日本人の承認欲求

目次
序章 テレワークの普及を拒む、最大の「壁」

第一章 「テレワークうつ」の正体は承認不足
一 なぜ出社しないと不安になるのか?
□二 テレワークで気づいた会社の存在感
日本人にとって「会社で認められる」意味は/能力・個性が認められる唯一の場所
日本の企業人は社外に友人がいない/会社は「見せびらかし」の場

第二章 「見せびらかし」文化の罪
一やる気の原動力は「見せびらかし」?
二「働き方改革」と生産性向上の足を引っ張る承認欲求
三承認の相互依存がゆがめる人事

第三章 「見せびらかし」から「チラ見せ」へ
一 奪われた「ハレの舞台」
二 「チラ見せ」に長けたZ世代も……

第四章 テレワークで反転攻勢に……そのカギは
一 日本人の価値観も「ハイブリッド型」に?
二 消える承認の「床」と「天井」、そして「壁」
三 副業が「個」を解き放つ
四 日本人が捨てるもの、生かすもの
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■本書にも出てくる「マズローの欲求5段階説」について、
特に、「SNS」が盛んになるのは、ヒトは、承認欲求(尊重欲求)を発揮する場所として利用しているのでしょう。

マズローの欲求5段階説

■第1段階:生理的欲求
「食欲」「排泄欲」「睡眠欲」など、生きていくために必要な、基本的・本能的な欲求。

■第2段階:安全欲求
安心・安全な暮らしへの欲求。

■第3段階:社会的欲求
友人や家庭、会社など、集団への帰属や愛情を求め、受け入れられたい欲求。
この欲求が満たされない状態が続くと孤独感や社会的不安を感じやすくなり、時には鬱状態に陥るケースもあります。

■第4段階:承認欲求(尊重欲求)
他者から尊敬されたい、認められたいと願う欲求を指します。

名声や地位を求める「出世欲」もこの欲求の1つに当てはまり、外的部分を満たしたい第3段階までとは異なり、内的な心を満たしたい欲求へと変わります。また、こちらは第3段階における「帰属」の欲求が前提となっており、他人からの賞賛を求める欲求はその後の自然な行為とみなします。

承認欲求における尊重には「低いレベルの尊重欲求」と「高いレベルの尊重欲求」があります。
・「低いレベルの尊重欲求」は、
他者からの尊敬、名声、注目などを得ることによって満たされるのです。
・「高いレベルの尊重欲求」は、
自己尊重の意識付け、技術や能力の習得、自立性などを得ることで満たされ、他人からの評価より自分自身の評価を重視する傾向に。

この第4段階の欲求が妨害されると、劣等感や無力感などの感情が生じます。

■第5段階:自己実現欲求
自分の世界観・人生観に基づいて、「あるべき自分」になりたいと願う欲求を指します。潜在的な自分の可能性の探求、自己啓発行動、創造性の発揮などを含み、自己実現の欲求に突き動かされている状態。

晩年、マズローは、この5段階の欲求階層の上に「自己超越」の段階があると発表しています。

 

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