【書籍紹介】 社会という荒野を生きる。 宮台真司(著) 「感情の劣化」と「承認欲求」?

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2023-03-05、
本日の書籍紹介は、社会という荒野を生きる。 宮台真司(著)

東京都立大の教授で社会学者の宮台真司さん(63)は、去年11月、キャンパス内で、暴漢に襲撃され重傷を負いましたが、回復されたのでしょうか。 宮台先生は、最近はテレビではあまりお見掛けしなくなりましたが、出ていた頃は怖かったですね。

私なんかより遥かに、辛辣で、相手を攻撃するので、きっとテレビ局では困っていたでしょう。でも、私は好きでした。そして事件後に出版された新書がありましたので、手に取ってちょっと立ち読みすると、何でも過去にラジオ番組で話していた事をまとめたもので、タイムリーではないのですが、社会的な問題点は引きずっていますので、面白い事がたくさん書かれていた為、購入してしまいました。

社会学者の先生たちで云えば「小熊 英二」先生、東大の「上野 千鶴子(女性ですが一番辛辣(しんらつ)で怖い)」先生達の書籍は読んだことがありますが、このお二人とは、ちょっと違う視点で、社会のありようを観察していますので、とても面白いのです。

ただ私の場合、勉強不足ですので、書籍を読みながら「用語」をググって意味を調べながら読み進める必要が一部ありましたが、読みにくい文章ではないので苦にならないでしょう。

社会という荒野を生きる。 (ベスト新書)
著者 : 宮台真司
ベストセラーズ
発売日 : 2018-10-12

目次
はじめに 「社会という荒野を生きる。」とは何か

第一章 なぜ安倍政権の暴走は止まらないのか
——対米ケツ舐め路線と愚昧な歴史観

天皇皇后両陛下がパラオ訪問に際し、安倍総理に伝えたかったこと
安倍総理が語る「国際協調主義に基づく積極的平和主義」の意味とは
戦後70年「安倍談話」に通じる中曽根元総理の無知蒙昧ぶりとは
盛り上がった安保法制反対デモと、議会制民主主義のゆくえ
安保法案の強行採決に見られる日本の民主主義の問題点とは

第二章 脆弱になっていく国家・日本の構造とは
———感情が劣化したクソ保守とクソ左翼の大罪

なぜ三島由紀夫は愛国教育を徹底的に否定したのか
「沖縄本土復帰」の本当の常識と「沖縄基地問題」の本質とは
大震災後の復興過程で露わになった日本社会の「排除の構造」とは
除染土処理の「中間貯蔵施設」建設計画はすでに破綻している!?
なぜ自民党はテレ朝・NHKの放送番組に突然介入してきたのか
憲法学の大家・奥平康弘先生から学んだ「憲法とは何か」について
広島・長崎原爆投下から70年と川内原発再稼働の偶然性とは

第三章 空洞化する社会で人はどこへ行くのか
———中間集団の消失と承認欲求のゆくえ

ISILのような非合法テロ組織に、なぜ世界中から人が集まるのか
ドローン少年の逮捕とネット配信に夢中になる人たちの欲望とは
元少年Aの手記『絶歌』の出版はいったい何が問題なのか
地下鉄サリン事件から20年。1995年が暗示していたこととは
「お猿のシャーロット騒動」と日本のインチキ忖度社会とは
戦後日本を代表する思想家・鶴見俊輔氏が残したものとは何か

第四章 「明日は我が身」の時代を生き残るために
———性愛、仕事、教育で何を守り、何を捨てるのか

なぜ日本では夫婦のセックスレスが増加し続けているのか
労働者を使い尽くすブラック企業はなぜなくならないのか
「仕事よりプライベート優先」の新入社員が増えたのはなぜか
「すべての女性が輝く社会づくり」は政府の暇つぶし政策なのか
ISILの処刑映像をあなたは子供に見せられますか
青山学院大学学園祭の「ヘビメタ禁止」騒動は何が問題だったのか
「ベビーカーでの電車内乗車」に、なぜ女性は男性より厳しい目を向けるのか
—————————————–

■地下鉄サリン事件から20年。1995年が暗示していたこととは
なぜ、オウム真理教に高学歴の人間が、あーも沢山いたのが?

上野千鶴子先生は、「二流エリート」と言っていたそうですが、そうではなく、「目標に到達できなかった」と云う挫折感ではなく、エリート教育を受けているのに、もっぱら「目標に到達したのに自分は輝いていない」という、<こんなはずじゃなかった感>が強く、社会の中で共同体としての価値を承認してもらえなかったので、宗教団体に代替え的なチャンスを探すようになってしまったと分析しています。

 

■ここからは、私の意見ですが、
ではなぜ、エリートなのに、なぜ<こんなはずじゃなかった感>を抱くのか? なぜ、社会の中で共同体としての価値を承認してもらえなかった?の中身を分析すれば、組織の中で、上手くやって行けなかったのでしょう。なぜ、やっていけなかったのか?

こつこつと学問を研究する研究室でさえそうでしょうが、やはり、人とうまくやって行けなかった場合でしょう。知能の高い人間に多いのが、発達障害、今はASD(自閉症スペクトラム症)、昔の呼び方は、「アスペルガー症候群(高機能自閉症)」の人達で、知能は非常に高いが、人とうまくやってゆく事が困難な特性を持った人です。

そして、こんな属性の人間達が吸い寄せられた様に集まってしまい、集団を裏切らない様に恐怖に包みこまれ、抜け出すことができなかったのでしょう。このような人たちが、他人を平気で利用する「サイコパス」の様な教祖の元に集まってしまう危険性をはらんでいますので、早く潰すことが大事ですが、警察(公安)もカルト教団であっても、事件を起こしても、手を入れるのが後手後手になってしまいます。

目次を見ると分かるように、種々の「クソ」みたいな出来事が、なぜ起こるのかについて、面白く分析していますので、参考までに。

 

次回は、2035年 + – 5年以内には発生するであろう 南海トラフ地震のことに関して、記載してみたいと思いますが、NHKの番組で、二夜連続で放映していましたが、この地震広範囲ですので、半割れで、東西二度の大地震に襲われる可能性が大いにあると言う事です。

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