【書籍紹介】 社会学史  大澤 真幸 (著) 「本物の教養は頭に染み込む」ほんとかな?

2019年4月5日、
本日の書籍紹介は、社会学史  大澤 真幸 (著)です。

帯のタイトルに「本物の教養は頭に染み込む」と書いてありますが、これ一冊では無理ですね。

私も知りませんでしたが、なぜか、「社会学史」の本が、ほとんど無いのが現状だそうです。読んでみると分かりますが、「えっ、この人も社会学者」と思われる人もたくさん登場します。

経済学「マルクス」も、心理学「フロイト」も、哲学ミシェル・フーコー」も、実は社会学者なんです、と言っています。文化人類学者で構造主義を唱え、サルトルの「実存主義」を批判した「レヴィ・ストロース」も出てきます。

■「野生の思考」なんかは最高です。

野生の思考によれば、無意識のレベルの思考の構造(パターン)には普遍性があり、そこに進歩などないのです。近代人は古代人よりも深く多くを考えている、という思い込みは完全に否定されます。

これは、当時の「西洋人」と「未開の国の人たち」との比較でも、同じことだと言っています。

 

社会学史  大澤 真幸 (著)
この書籍は、「学史」として、まとめられていますので、当然ですが、今まで得た知識を元に、歴史的にも、どのように繋がり、影響を受け、どんな思想が、その時代に、どう受け入れられていたのかも分かるように書かれています。

– 目 次 –
序 社会学に固有の主題

第1部 社会学の誕生 近代の自己意識として
1.古代の社会理論 アリストテレス
2.社会契約の思想 社会学前夜
3.社会科学の誕生
4.マルクス――宗教としての資本主義

第2部 社会の発見
1.フロイト 無意識の発見
2.デュルケーム 社会の発見
3.ジンメル 相互行為としての社会
4.ヴェーバー 合理化の逆説

第3部 システムと意味
1.パーソンズ 機能主義の定式化
2.〈意味〉の社会学
3.意味構成的なシステムの理論 ルーマンとフーコー
4.社会学の未来に向けて
———————————————————

1.読書とは? と考えると。。。

一見、無駄なような「好奇心」を大きく育てることで、その先に何かが見えてくると思います。

更に、読書って、初級も上級も無いと思います。あるとしたら、世の中や、自分に対する「好奇心」の強さだけだと思います。文系、理系など関係なく、人間って何だろう? 自分は何者なんだろう?という疑問を持つことのできる「知的」レベルにあれば、好奇心が湧くでしょう。

つまるところ、自分は、「何者」なんだろう?。。。と思う「心」が有るか無いかです。

how-to本などは、何とかの使い方など、実用的な書籍を読むのも良いのですが、それは自分の専門のスキルを身に付けることを目的とした「お勉強」でしょう。それは、黙って、こっそりと1人でお勉強しましょう。しかし、一見、今、役に立たない様な「知識」を含んだ書籍(人類学、歴史、思想、脳科学、心理学、生物学、物理学、宇宙科学など)をたくさん読んでいると、例えば、頭の中で分散していた情報・知識が、たくさん書籍を読むことによって、点と点が繋がってくるが、実に、楽しいのではないでしょうか。

これが、「本物の教養は頭に染み込む」につながるのではないでしょうか。。。

■具体的に、脳のメカニズムで云えば、
頭の中の「脳」と同じで、「ニューロン(脳細胞)」が「シナプス」で、ちゃんと繋がらないと、色々な情報を保存したり、再生したりする事もできないのと同じでしょう。保存してある情報が、色々な刺激や知識により脳内のネットワークで接続する状態なのでしょう。

書籍を例え体系的に読んでいなくても、バラバラでも色々なジャンルを読んでいれば、色々な繋がりが沢山あり、それを発見した時に、楽しいのですが、「社会学史」として、まとめてありますので、是非、その繋がりを発見する上でも、読んでみたい一冊です。

■脳科学的に言えば、
「脳」が使うエネルギーの内訳ですが、
意識活動に5%、無意識活動に75%、脳細胞の維持・修復に20%(睡眠時に実施しています)

人間って、すべて自分の意志で行動していると考えているなら、大きな間違いなのです。
行動は理性よりもはるかに、「喜び」「怒り」「悲しみ」「恐怖」などの「情動」に強く支配されているようです。

この様に、哲学、経済学、人類学などの小難しい書籍を多少なりとも読んでいる方なら、本書を読むと、「脳」の中で、一気に今まで得た知識が、繋がってくるでしょう。

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