2025-05-08、
本日の書籍紹介は、なぜヒトだけが幸せになれないのか (講談社現代新書) 小林武彦(著) です。
『なぜヒトだけが幸せになれないのか』は、生物学的な視点から「幸せ」について考察した書籍で、ヒトが他の生物と比べてなぜ幸せを感じにくいのか、その理由を探っています。
小林武彦氏の「なぜ・・」シリーズの最新版です。
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<目次>
第1章 進化からみた生きものの幸せ
第2章 ヒトの幸せとは一体なにか
第3章 「幸せ」は遺伝子に刻まれている
第4章 なぜヒトは「幸せ」になれないのか?
第5章 テクノロジーはヒトを「幸せ」にするのか
第6章 「幸せ」になるために――生物学的幸福論
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<内容>
- 「生存」と「幸福」のズレ:
生物は子孫を残し、種を存続させることを至上命題としていますが、人間は生存とは直接関係のない「幸福」という概念を追求します。このズレが、現代社会における多くの問題や個人の苦悩の原因となっていると指摘します。 - 「過剰適応」としての人間:
人間は環境に適応する能力が非常に高い一方で、その「過剰適応」が心の不調和を生み出していると論じます。例えば、情報過多な社会や、常に他者と比較される環境が、ストレスや劣等感を生み出す背景にあることを示唆します。 - 遺伝子から見た人間の本質:
遺伝子レベルで見た人間の特徴や、他の生物との共通点、相違点に触れながら、人間の行動や感情がどのように規定されているのかを考察します。 - 進化の視点から解き明かす「不幸せ」:
人類が進化の過程で獲得してきた特性が、現代社会においてどのように「不幸せ」につながっているのかを、具体的な例を交えながら解説します。 - 科学で解き明かす「幸せ」のヒント:
最後に、絶望的な状況を提示するだけでなく、生命科学の知見を活かし、現代を生きる私たちが「幸せ」を追求するための具体的なヒントや考え方を提示します。
最後に、
一見、ありきたりな「なぜ?」の答えですが、人類学的に、なるほどと思えるような考え方が、随所に見られます。
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