2022-10-30、
本日の書籍紹介は、格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか オデッド・ガロー(著)
本書の目的は、国家間の計り知れない格差の究槇の原因を理解し、その軽減を助るためにホモ
サビエンス出現以降の各社会の進化について科学的根拠のある学際的な解釈を正確に示すことにある。
この人類学的、遺伝子学的な視点を持った内容が、本当に大好物で、同じイスラエルの歴史学者「サピエンス全史」の著者ハラリ教授より、興味深い内容が多いのです。
▮格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか
<目次:人類史の二つの謎>
第1部 何が「成長」をもたらしたのか
□第1章 最初の一歩
□第2章 停滞の時代
□第3章 水面下の嵐
□第4章 蒸気エンジン全開!
□第5章 停滞から成長へ
□第6章 約束の地
□第1部のまとめ――成長の謎を解く
第2部 なぜ「格差」が生じたのか
□第7章 光と影
□第8章 制度の痕跡
□第9章 文化的な要因
□第10章 地理が落とす影
□第11章 農業革命の遺産
□第12章 出アフリカ
□第2部のまとめ――格差の謎を解く
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▮経済格差の根源は十数万年前の東アフリカに起因する
オデット・ガロー教授の「統一成長理論」
30万年近く前に「ホモ・サピエンス」が誕生して以来、人類史の大半で、狩猟採集の時代から農業を中心とする定住生活が進んでも、人間の生活水準は生きていくのがぎりぎりだった。そして、2000年前から、長きにわたり、ほとんど経済は成長していなかった。
図1 成長の謎 (本書より参照)
a)経済が長き(人類史の99.8%)にわたり、停滞を続けたのはなぜか?
b)いかなるメカニズムによって、経済は停滞から脱出したのか?
c)現代的な経済成長期に飛躍できた国と、そうでない国の違いは何か?
▮それが19世紀以降に突如、平均寿命は2倍以上に延び、1人当たりの所得は地球全体で14倍に急上昇したのはなぜか?
この劇的な経済成長の鍵は“人的資本の形成”だったことを前半で説く。
それを踏まえて後半では、なぜ経済的な繁栄は世界の一部にとどまり、今なお国家間に深刻な経済格差があるのかを検討する。
▮ガローが発見したのは、「経済の停滞が飛躍を導く」という驚くべき事にある。
彼が指摘する通り、確かに人口増加や技術進歩はあったものの、大局的に見れば「マルサスの罠」で示された通り、人口や経済は長きにわたって制約を受けていた。しかし、その帰結として「人口全体の質的な構成」が変化していたのである。わかりやすく言うと「質の高い人材」の割合が、世代を経るごとに増えていったのだ。それは当然、さらなる技術進歩および人的資本の形成につながっていく。
▮「マルサスの罠」
なぜ、長い間、生活水準が、貧困のままなのか、余剰食料を生み出し生活水準が上がるが、そうすると、出生率が上がり、食料が足りなくなる。このサイクルから抜け出せなかったからでしょう。
制度的・文化的・地理的要因に加え、“社会の多様性”が根源的な要因だったと論じる。人類史を動かす根本要因に着目した〝統一理論〟にもとづいて、究極の謎を解き明かした世界的話題作!
最後に、本書の命題と反れてしまいますが、
公正な選挙、人権の尊重、言論の自由、法の支配など、民主主義にとって必要な事柄がありますが、うまくいっていない部分があり、経済的格差がどんどんひらいていっています。
通貨、株式などが「幻想」の代表的な例で、「通貨」自体に価値は無いが、これで経済が回っています。しかし人間の持っている、あくなき「欲望」のせいで、米国での株が大暴落して、1929年「世界恐慌」を引き起こす。
科学技術がいくら発達しても、その本当の意味で「恩恵」を受ける者は僅かで、あとは、依存症を助長するような、金儲けをするための「道具」にしかなっていないものが、世の中に広がっていて、世の中が豊かになっているとは、とても思えません。
「民主主義」で大事なことは、統治者の能力は元より、圧倒的多数の「国民の能力」が大切なのですが、これができない国民が住んでいる国は、経済も何もかも統制された「権威主義国家」のほうが良いのではと思います。しかし、今度は権威主義の国家は、権力が集中しすぎて、いつの時代にもサイコパスの様な為政者に支配されしまうと、悲惨な目に遭ってしまいます。
世の中には、いつの時代にも、為政者に「バケモノ」のような人間が現れますが、国民が経済的に困窮すると、このバケモノに、簡単に騙される国民が多く居るのも確かです。発展するしないよりも、民族と云っても、ヒトは皆、ネアンデルタール人のDNAは入っていますが、人種は白も黒も黄色も「ホモサピエンス」一種ですので、もう少し、仲良く暮らせないものでしょうか。
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