2020年5月6日、
「緊急事態宣言」が、今月末まで延長されましたが、とりあえず、あと1日で連休(GW)が終わりますが、こう自粛生活が続くと、やることがなくなるのです。
そこで、コート、ジャンバー、セーターなどは、この季節になれば、もう着ないでしょうから、金を出して、クリーニング屋さんに出さなくても、暇を持て余しているなら、全部、自分でやりましょう。
大量にある場合は、もう、男の仕事です。 奥方にお伺いを立てながら、実施してみてはどうでしょう。 暇つぶしにもなります。
しかも、家族の分まで、全部、冬物を洗えば、万単位のお金を使わなくても済むでしょう。
元、クリーニング屋の「おやじ」をしていた時代もありますので、大丈夫です。未だに、ウールのジャケット、スラックスも、クリーニング屋に出しません。 自分で洗って、アイロンで仕上げます。
ポイントは、洗濯機の中に入れて、ガラガラ回して洗いませんので、簡単ですが、ちょっとだけ手間がかかります。
主に、かさばる「コート」や「ジャンバー」などの洗い方です。「ウール物」などの洗濯は、最後の関連記事を参照してください。
1.洗う前処理
ズボンなどは、ポケット、裏地など、ひっくり返して、まずは、「綿ほこり」などを掃除しておく。 道具は、使い終わった歯ブラシでOKです。
この処理は、安いクリーニング屋では、絶対にやってくれません。 ですので、年に1度、自分で実施すれば良いのです(1年履くと、ほぼ、綿埃が一杯です)。
もう一つ、汚れが気になる部分がある場合、お湯に浸した時に、汚れやシミが分からなくなりますので、「洗濯バサミ」で挟んで、位置を特定しておきます。
糸を縫い付けるのも良いですね。
コートなど、裏地(インナー)などが、分離するタイプは、ボタンやファスナーを外し、ちゃんと分離してください。
2.洗う
1)お湯張り
浴槽、バスタブを利用します。 洗濯機の中ではありません。
なぜ、バスタブを利用するのか? これから説明します。
まず、浴槽に栓をして、温度は40度強くらい、お湯の量は衣類の量にもよりますが、衣類を浸して水面から隠れる程度の湯量でOKです。
浸すだけで、かき回す必要が無いので、バスタブで十分なのです。
水道水の塩素を中和する為に「ハイポ(チオ硫酸ナトリウム)」と云うカルキを除去する錠剤を入れる。(ここまでやると本格的ですが、衣類の色合いが落ちるのを、どうしても気になる方は、ここまでやりましょう)。
ハイポの量は、水40リットルに対し1gくらいなので、1~2粒程度で良いのではと。
2)洗剤を投入して、お湯をかき混ぜる。
洗剤は、蛍光剤が入っていないもの、アルカリが強いと洗浄力は有るのですが、素材を痛めやすいので、「アルカリ性」ではなく、「中性」洗剤を使います。
私が使用している洗剤は、アタック ZEROまたは、SUPERナノックスです。
上記、いずれも、蛍光剤(白物を白く見せる)は配合されていません。
特に、セーターなどのウール物を洗う時は、中性洗剤でないとダメです。ジャンバー、コートと別々に洗った方が良いでしょう。 色物は、特に蛍光剤の入っていないもの。
3)コート、ジャンバー、セーターなどを浸す。
洗剤を入れて、お湯を良くかき混ぜて、衣類を浸して、20~30分くらい付けておきます。
尚、色が出ていないか? 汚れと色は違いますので、間違いないようにチェックしてください。
そのあと、決して、ごしごし、もみ洗いしてはいけません。 酵素は36度くらいで30分くらいでないときかない。ですので、最初40度強のお湯にすると、時間が経過すると、冷めて36度以下になる。
・どうして、30分も付け置きしておくのか?
洗剤には、酵素が入っている物が有りますが、酵素の効果が出るのは。人間の体温付近の温度で、酵素が働くまで30分くらいかかるからです。 洗剤メーカーによっては、30分もかからないで効果が出るのも有ると思いますが。。
<補足説明>
酵素は、特定の汚れだけを落としてくれて、生地にダメージを与える様な影響がでないという性質を持っています。
下記のような酵素が有り、酵素の良い所は、特定の物質にしか効果が無いと云う事です。 コストがかかりますが。。
・プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)
・リパーゼ(脂肪分解酵素)
・アミラーゼ(デンプン分解酵素)
・セルラーゼ(繊維分解酵素)
4)いよいよ、汚れ落としの作業
浴槽から、1着づつ取り出して、洗い場に、衣類を広げる。
どう洗う? 簡単です。
ブラシ? なければ、歯ブラシ。。。。時間がかかるので、あんまりおすすめではないが。
小さい「タワシ」でもOKです。これお勧めです。
コート、ジャンバーでしたら、小さな「タワシ」が一番でしょう。
30分くらい経ったら、ブラシを用意して、襟、袖口、ポケットなど、肌が触れる部分を中心に、軽くブラッシングする。
先ほど、洗濯バサミで特定した汚れの位置は、ちょっと濃い目の洗剤液を桶に作っておいて、それをタワシに浸して、ブラッシングする、頑固そうな汚れの場合は、手でもみ洗いする。
その後、衣類を浴槽に戻す。
コートなど、裏地などが、分離できるようになっている場合は、裏地のみ、綿が入っているものがありますので、洗います。
どうやって?
裏地などは、直接、汚れていません。
わきの下など「汗汚れ」を取るのがメインです。 浴槽の中に入り、足で、その裏地を踏んずけて下さい。 それで、しみ込んで、「汗汚れ」が出てくるでしょう。
ちなみに、クリーニング屋のドライクリーニングでは、残念ながら「汗汚れ」は、ほぼ落ちませんので。。。。。肝心なことを知らないから、トンチンカンなことを言うのです。
クリーニング屋の「ドライクリーニング」できれいになったと。。。「汗汚れ」は、目に見えませんので、仕方ありませんが。。。。
「ドライクリーニング」とは、「油」で洗う方法ですので。。。汗汚れは、ほぼ落ちません。
ここまで来て、お分かりの様に、洗濯機で、ガラガラ回す必要など、全くないのです。
ある程度、お湯に浸していると、界面活性剤の働きで、汚れは落ちますし、頑固な汚れは、タワシで、ピンポイントで、ブラッシングするだけで良いのです。
これで、「ドライクリーニング」で20回洗うより、10倍、きれいになります。
5)ゆすぎと脱水
ここまで来れば、あとは、そんなに手間はかかりません。
浴槽から洗濯機に、衣類を移して、濯ぎ1回と脱水5分、設定すれば、洗濯機で、再度、洗う必要などありません。
実際には、
1回目は、泡を取るために、かるく脱水——>すすぎ——>2回目の脱水——>リンス剤につける——->脱水で完了(泡を取るために1回脱水しているので、すすぎは1回で十分かと思います)。
ウール物は、
すすぎ後、脱水するのですが、その前に、リンス剤を入れた水にちょっと、服を浸します。
それを手で絞らずに、脱水します。
髪の毛と同じですので、リンス剤でちゃんとリンスします。 仕上がりが違います。 生地がサラサラになります。
セーターなどは、脱水で、洗濯機が最高回転になったら止めましょう。
3.乾燥
厚手の衣類、綿の入った裏地は別々にして干します。
コート類でしたら、丸1日、日陰で乾燥させた方が良いでしょう。
裏地が厚い場合は、乾燥途中で、必ず、ひっくり返して、干してください。
仕舞いこみますので、時間をかけて、ちゃんと乾かすこと。
カビなどが発生する可能性がありますので注意です。
4.タンス、クローゼットにしまう前にすること。
すぐ着ないコート、ジャンバーなどの衣類は、本当は、乾燥後、「防水(撥水)スプレー」をかけるのですが、私の場合は、季節が来て、始めて着る前に、防水(撥水)スプレーをかけるようにしています。
長期間使わないのに、しまう前に「防水(撥水)スプレー」をかける意味があるのか? 。。。着る時にかければと思っています。
▮ウール物をしまう時の注意点
ハンガーにかける物、畳んでしまう物に別れるでしょうが、タンス、クローゼットにしまう時、ウール物は、特に注意が必要です。「虫」に食われてしまいますので、普段、着ている服と一緒にしまわない方が良いです。
服に付いた「卵」が、孵化して幼虫になり、「餌」になりますので、ウールをかじります。
見事に「穴」が開いているのは、かじられた跡です。。。悲しいですよね。
こんな感じで、一気に10着以上、まとめて洗ってみると、すっきりします。 ちなみに、私は、自粛生活の中で、もう終了しました。もう少し、温かくなれば、数十枚ある半袖の「ボタンダウン」のチェックのシャツを出して、アイロンで仕上げなければなりません。
今年は、「エディバウアー」のシャツを買い足す必要があります。「カラーシャツ」などは、自分で「水洗い」して、アイロンで仕上げれば、長持ちさせるコツがありますので、5年以上は着れますよ。
▮エディバウアー :https://eddiebauer.jp/ (2021年12月 日本から撤退しました)
■ユニクロ :https://www.uniqlo.com/jp/ja/
—関連記事—
・ウール物のスーツ上下の洗濯方法 その1 なぜ、水で洗うと縮むのか?
・ウール物のスーツ上下の洗濯方法 その2 洗濯方法について
・お気に入りのカラーシャツをいつまでも綺麗に着れるように仕上げる方法
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