【書籍紹介】2017年 冬休み 読んでおきたい「脳」に関する書籍6冊です。 AI(人工知能)に興味を持つ前に

書籍紹介】 2017年 冬休み 読んでおきたい「脳」に関する書籍6冊です。

いよいよ、「卒業」まじかの学生さんは、内定も取れて最後の冬休みに突入します。そして社会人は、もう少しでお正月ですね。冬休み、お金が無くて、どこにも行かない方、帰省しない学生、社会人の方、読書のタイミングです。どこにも行かなくても、ちょっと静かな「スタバ」などの喫茶店で読書などいかがでしょうか。

さて今年、流行っている事柄で、一番の興味は、AI(人工知能)についてです。
開発のペースも各社上がっています。GoogleやMicrosoft社など、自社の人工知能を開放して、使えるようにしていますが、まだまだです。

WEB、IT、Book、パソコン講座 関連記事
Googleが、自社開発の人工知能ライブラリ 「TensorFlow(テンサーフロー)」 をオープンソース化して公開

Microsoft社が、AI(人工知能)技術を利用した深層学習ツールキット「The Microsoft Cognitive Toolkit」の最新版2.1を公開

 

AI(人工知能)に興味を持つ前に、以前から脳科学、脳神経学について興味があり、色々な書籍を読んできました。 そうすると、AI(人工知能)について考える時に、切っても切り離せないのが、不思議な「脳の仕組み」です。

そうです。「脳の仕組み」が分っていないのに、どうして優秀な「AI(人工知能)」と云えるのでしょうか? AIの優秀さ、危うさは、「脳の仕組み」が分っているから評価できるのでしょう。 チェス、将棋、碁で人間に勝った程度では、ある意味「優秀」ですが、まだまだです。

自分の「脳」を不思議と思いませんか? 「猿」なら思わないでしょうが、いまだ、肝心なことは、解明されていません。自分って何なんでしょう? と考えると、とんでもない迷宮に迷い込みます。

脳って、ブラックボックスでしょうか? 全部、中がどのような構成でできているか分かっていますが、心は、意識は、どこにあるのでしょうか? 分かっていません。

■まだ解明されていません。 今世紀最大の「謎」でもあります。

こう考えると、AI(人工知能)って、全然、未完成で、脳の仕組みを解明しない限り、この先、どれだけ人間に近づけるか、近づく必要があるのか、人間並みにすることが、果たして良い事なのか、まずい事なのか、まだ誰にも分かりません。

AI(人工知能)を人間並みにするのは、人間の「脳」をリエンジニアリングする必要が有りますが、心は、意識は、どこにあるのか、その仕組みを解明する必要が有るでしょう。

そこで、今回は、「脳」に関する書籍を集めてみました。

AI(人工知能)の開発者ではなくても、人間の脳の「不思議」について、改めて考えることは、「自分って、何者?」と云う単純な疑問ですが、深い考えがわき上がってくるでしょう。

 

1.AIは「心」を持てるのか

テーマは、「AI・ロボットは人類を救うか?」です。 著者は研究者では有りませんが、著者の考えは、人類を救うためには「心を持ったAIがカギとなる」というものです。

目次
第1部 電気羊の夢(「新しい心」の誕生;ゴーストの森の生活;機械仕掛けのトルコ人;異人を愛する;鎖を解かれたプロメーテウス;神の帰還)

第2部 心の問題(世界の青写真;身体のない心;レジスタンス;心を見つめる;サイバネティックな脳)

第3部 不思議の国のエイダ(「すべてのクレタ人は嘘つきだ」;プログラム;ブレッチリー・パークからグーグルの構内へ;思考するマシン;カオスの縁にいるダーウィン)
—————————————————

言語学、数学、哲学、人工知能関連・量子コンピュータ関連の事まで、幅広く記載されていますが、脳神経学の分野は、まだ詳しく記載されていません。

そこで、脳の最大の「謎」について、少しでも近づくために、下記の書籍を紹介します。

 

2.脳の意識 機械の意識 – 脳神経科学の挑戦

– 目 次 –
第1章 意識の不思議
第2章 脳に意識の幻を追って
第3章 実験的意識研究の切り札 操作実験
第4章 意識の自然則とどう向き合うか
第5章 意識は情報か、アルゴリズムか
終 章 脳の意識 機械の意識

関連記事
【書籍紹介】脳の意識 機械の意識 – 脳神経科学の挑戦 (中公新書)

意識が、どこに宿るのか? どのような仕組みなのか? 視覚を元にして試行錯誤している内容が、面白いと思います。

 

3.意識の進化的起源: カンブリア爆発で心は生まれた

目次
第1章 主観性の謎
第2章 一般的な生物学的特性と特殊な神経生物学的特性
第3章 脳の誕生
第4章 カンブリア爆発
第5章 意識の発端
第6章 脊椎動物の感覚意識の二段階的進化
第7章 感性の探求
第8章 感性の解明
第9章 意識に背骨は必要か
第10章 神経生物学的自然主義―知の統合
————————————-

他の書籍と違うところは、進化の歴史から、脳・神経系の構造など解説してしています。

意識はいつ、どのように生まれたのか―鍵は、動物が一気に多様化し「たカンブリア爆発」と、世界をイメージとして捉える視覚の進化にあったと記載されています。

 

4.心はいつ脳に宿ったのか: 神経生理学の源流を訪ねて

目次
序論:神経科学の源流をたずねて
古代の脳に関する記述
古代ギリシャ・ローマにおける脳に関する知見
ヨーロッパ中世における脳の認識
外科医アンブロワーズ・パレ:幻肢の報告とその現代的解釈
ベルギーの解剖学者:アンドレアス・ヴェサリウス
17世紀の新しい科学革命
デカルトの自然哲学とこころの問題
機械的生理学と動物精気の検証実験
生物電気の発見:近代神経生理学の夜明け
実験医学とデテルミニスム(決定論)
ベルナール以後の神経生理学
心身問題の近現代への流れ:ラ・メトリーからメルロ=ポンティへ
ニューロンとシナプスの生理学と脳機能
自由意志とリベットの研究
量子力学と脳科学
まとめ
———————————————–

絵画の歴史と科学の歴史には、相関関係があると言われていて、ルネサンス期やオランダ絵画の隆盛とほぼ時期を同じくして、脳・神経科学にも大きな転換点が訪れたのではないかと言っています。脳・神経科学の源流をたどり、同時に神経科学の側からこの問題の哲学的側面を考察した一冊です。

17世紀のこの時代に、もう脳・神経科学の学問が考えれれていた事にも、驚きですが、「脳」については、未だ、解明されていないことが、たくさんあり、謎だらけと云うことにも驚きです。

脳は、脳細胞(ニューロン)が「シナプス」によりネットワークを構築していますが、未だ、どこで、何をしているのか、脳の各部位は、他の部位と、どう連絡を取り合って、全体を制御しているのか。。。。大体しかわかっていません。

 

5.脳は「ものの見方」で進化する

目次
◎現実だと思って見ていたものは、本当に現実なのか
◎私たちが世界を「ありのまま」に見ることができない4つの理由
◎脳はつねに「新しい普通」をつくり出す
◎錯覚そのものが錯覚であるということ
◎「確証バイアス」は別名「私は正しいバイアス」
◎歴史上の事件や悲劇は「間違った思い込み」が招いた結果
◎「なぜ?」から始まる冒険
◎「新しいものの見方」を獲得する方法
◎可能性の空間は、「自分が何を見るか」で決まる
◎脳は確実性とノイズの両方を好む

著者のボー・ロットは、ロンドン大学の神経科学者で、人間の知覚の働きとアートを組み合わせた独創的な活動を行っている方です。

「人は見た目が100%」などと言いますが、これほど、当てにならないことはないでしょう。

「自分が見ている世界」は、あなただけが見ている世界で、他の人も皆、同じだと思っていたら大きな間違えです。 それぞれ「違う世界」を見ています。

私達が見ているものは、脳が知覚して、解釈したものですので、実に都合良く出来ています。

世界を「ありのまま」に見ている人はいない。まず、このことに気づかせてくれる内容が盛り沢山に記載されています。

 

6.〈わたし〉は脳に操られているのか : 意識がアルゴリズムで解けないわけ

目次
人を殺したのは脳のせい?
意志はころがり落ちる石なのか
二つの対立する答え
頭のなかの嵐
抑えられない衝動
神経科学者の見解は間違っている
理性は情動に依存する
決断の引き金が明らかに
マジシャンとしての脳
心や体の動きを予測する
人間はプログラムされたマシンか
悪徳の種が脳に植えられている?
倫理の終わり
意識の深さを探る
アルゴリズムは「限りのない問題」を解けない
内面世界を意識的に旅する
道徳的行為主体はいかに生まれるのか
心の宮殿
—————————————-

つい悪いことをしてしまうのも、脳のせい?
なにかをしようとする前に、すでに脳(無意識)がそれを決めているのですが、それでは、人間に自由な意志はあるのか? と云う問題が出てきます。

著者のエリエザー・スタンバーグ氏は、イェール大学附属病院の神経科医で、脳神経科学と哲学をバックボーンに、「意識」と「意思決定」の謎について研究している先生です。

関連記事
【書籍紹介】 2017年 夏休み 読んでおきたい書籍6冊です。

【書籍紹介】 2015年 冬休み 読んでおきたい書籍6冊です。

「人類の進化」に関係した、DNAの変異に関する不思議なお話です。

 

コメント