「脳」に関する面白い記事を見つけましたので、ちょっと紹介します。
自分が、自分自身の強い「意志」で動いていると考えているなら、大きな間違いです。
もちろん、生まれる前からの遺伝的要素、生まれてからの生活環境、養育環境にも影響されますが、自分の意志以上に脳のネットワーク(ニューロンとシナプスの配線)と情報の伝達にかかわる神経伝達物質に影響されて生きています。
精神活動の面で影響が有る神経伝達物質は、主に、γ-アミノ酪酸(GABA-ギャバ)、ドーパミン(快感神経系のスイッチを入れるのがドーパミンで、A-10神経系で生成される)、ノルアドレナリン、セロトニンなどです。
あとは、最近、研究が進んできた、脳の80%を占めているグリア細胞についても、人の精神活動に関わっている事が分かってきています。
1.キレる人は、なぜキレるのか? 脳科学から見る「3つの原因」
キレやすい人が増えている背景には、「前頭前野の未発達」、「セロトニンの不足」、「血糖値の乱高下」という3つの原因が考えられる様です。
1)未発達な前頭前野がキレる人を生む
人間の脳には「前頭前野」という部位があり、ここが物事全体を把握して、欲望や感情を抑える働きをしている。「前頭前野」が、不活性であること、未発達であることです。
幼児期の「いやいや」は、大脳の「前頭前野」と「側坐核」が、未発達の為に起こると言われています。
発達障害、愛着障害など精神疾患を有している場合も同じです。
脳は使えば使うほど発達するが、使わなければ発達しない。したがって、子供の頃、我慢や抑制をせずに育つと、この抑制機能をはたす「前頭前野」部分の発育が弱くなる。
一番、分かり易いのは、親に甘やかされて育った「腐れガキ」。。。
「前頭葉が幼稚なのです」。 育てた親の責任ですが、どの親も責任を取らない。
また、高齢化社会になってくると、歳のせいで、大脳「前頭前野」の抑制機能が衰えて、大脳辺縁系の「偏桃体(:恐怖、怒りなどを発動する機能)」が勝ってしまうで、すぐ切れる老人が出現していますが、これは仕方ありません。
2)疲労やストレスを生むパソコン・スマホ生活
「前頭前野」の機能をスムーズに動かすために必要な物質が、脳の中にあるセロトニンという神経伝達物質で、セロトニンを分泌させるセロトニン神経は、脳の中心である脳幹のさらに中央部分の縫線核というところにある。
疲労、ストレス、夜型生活、運動不足、人とのコミュニケーション不足などで、セロトニン神経の働きが弱まってしまうという。すると、たとえば、通りすがりの人とちょっと肩がぶつかったくらいで怒りが抑えられなくなり、暴力沙汰になるというわけです。
3)甘いものを食べすぎると、逆に低血糖になってキレる?
脳のエネルギーはブドウ糖であり、消化器官から脳に糖を届けるためには、空腹時でも血糖値が80くらいないと脳が正常に働かない。
「血糖値が80を下回ると、脳は不安になってくるんです。それではまずいので、体は血糖値を上げるホルモンを連打してくる。その中には人を興奮させるホルモンであるアドレナリンも含まれています。だから興奮して攻撃的になりやすい。
通常、血糖値は空腹時でも80程度をキープするように制御されていますが、それを下回ってしまう低血糖症の人は意識が不安から攻撃へと転移するので、それでキレやすくなる」様です。
参照:http://news.livedoor.com/article/detail/11647635/
<感想>
社会の中で、些細なことで激しく怒りだし、ひどいときは暴力沙汰に発展することもあるが、どんなに「前頭前野」が未発達でも、「扁桃体」が機能していれば、どっちが強いか? 小賢しくも、自分より強いか弱いか、ちゃんと理解し、判断して「キレ」ているのです。人格障害に近いかもしれません。
しかし、どっちが強いか?を理解しないで噛みついてくる奴は、「頭の配線」のオカシイ人ですので、ちょっと注意が必要です。
ですが、誰も見ていなければ、こんな奴は完璧に「叩き潰す」だけです。 そう、動物の様に「扁桃体」に恐怖を叩きこんでやるしかないんです。
言葉で言っても理解できない奴には、脳の「器官(偏桃体)」に直接的に作用させるのが、一番です。
2.糖尿病になると脳が縮む 1200人のMRI画像分析
「糖尿病」になると記憶にかかわる脳の「海馬(Hippocampus)」という部分の萎縮が進むことが、福岡県久山町の住民を対象とした九州大チームの研究で示された。
糖尿病歴が長いほど脳の容積が小さくなる傾向だった。
中でも記憶と関係が深く、脳の奥の方にある「海馬」の容積をみると、糖尿病歴が10~16年だと糖尿病でない人に比べて約3%、17年以上だと約6%小さいという結果が出た。
参照:http://www.asahi.com/articles/ASJ6J21PCJ6JUBQU001.html
3.子どもの「自閉症」の原因に 殺虫剤・農薬の空中散布地域はリスクが急増
「自閉症」が急増している原因は、はっきりしていない。診断の基準が改定されたためや、親の高齢などの要因もある。また、水銀や農薬、栄養不足などの環境要因も考えられている。
今回、米国小児科学会は、新たな知見を発表した。飛行機による殺虫剤散布をしている地域で出生した子どもは、自閉症リスクが約25%も上昇しており、自閉症の発症に大きく影響しているというのだ。
4.ADHDをもつ子供たちと、持たない子供たちとの違いとは?研究結果が発表
「私たちはみんな報酬を得られる行動を繰り返す傾向があります。自分にとって好結果をもたらす行動はどれかを学んでいるのです。」
ただ、報酬を確実に得るためのガイドラインが、提示されることは滅多にありません。それでも、多くの人は社会生活において、報酬を得られるチャンスを最大化するために、試行錯誤して様々な行動を取ろうとしますが、ADHDを持つ子どもたちにはそれが難しいのです。
参照:http://getnews.jp/archives/1476883
<感想>
別の見方をすれば、みんな持っている「ずるさ」を身に着けていない、身に付けることのできない子供達なのかもしれません。
そう、みんなと同じ行動を取るための「感受性」を持っていない為に、ちょっと、生きにくい生き方をしなければならない人達なのかもしれません。
これは非常に難しいかもしれませんが、親が小さい時から、どのように状況が変化した時は、「みんなこの様に行動を変化させるのよ」と、ある意味「ずるさ」を身に着けさせる必要があるのかもしれません。
人類は、弱い人間同士が集まって生き残ってきましたが、結果、生き残ってきたが、周りに合わせる気持ちが発生しない人間もまた、生き残っているのも事実です。
イノベーションを起こしてきた人たちの多くは、普通の人間より、かなり変わった人たちが起している様に思います。要は排除されずに、排除せずに、へたくそでも社会の中で生きて行ける社会が有れば良いのではないかと思います。
5.人間の脳は考えられていたよりも10倍(1ぺタバイト)記憶できることが判明!
しかし頭のデキが悪いと悲観するなかれ、我々の脳の“記憶容量”はこれまで考えられていたよりも各段に大きいという最新研究が報告されている。
■脳の記憶容量は1ペタバイト
米・ソーク研究所のテリー・セチノウスキー教授が主導する研究では、人間の脳はこれまでの定説より10倍もの情報を記憶できることが発表された。
同研究チームがライフサイエンス誌「eLife」で発表した論文によれば、脳神経細胞の結合部であるシナプスのサイズを測ることで記憶容量を測定することに成功したという。平均的なシナプスは4.7ビット(0.5875バイト)の記憶容量があるということで、脳全体では約1ペタバイト(1,024テラバイト)の情報の記憶が可能であるということだ。これは従来の学説の10倍の記憶容量になり、書類をめいっぱい収納した4段式キャビネットの2000万個分の文字情報に相当するというから驚きだ。辞書一冊どころの話ではないのだ。HD品質の映像ならなんと13.3年分のデータ量である。
研究チームはマウスを使って、記憶を司る脳の海馬の部分のメカニズムの解析を行ない、顕微鏡と計算アルゴリズムを活用して脳組織の神経伝達回路をナノ分子レベルの3D画像で再現した。この過程を経て、脳内に夥しく存在するシナプスのサイズがこれまで考えられていたよりも一定(サイズ差8%以内)であることがわかり、記憶容量も1本につき4.7ビットであることを算出。これにより脳全体の記憶容量が約1ペタバイトであることを突き止めたのである。
■学習と記憶のメカニズムの研究にも寄与
脳の記憶容量の大きさだけではない。この研究では脳がいかに“省エネ”であるかも再確認されることになった。
「今回の研究は神経科学の分野を騒がせるものになります。我々は、いかに海馬ニューロンが低エネルギーで高性能の演算機能を有しているのか、その構造を紐解くための鍵を発見したのです」とセチノウスキー教授はソーク研究所のサイトで言及している。
一般成人の起床時の脳は20ワットのエネルギーしか消費していないという。最新型のLED蛍光灯1本分といったところだ。この省エネに優れた脳の構造を研究することで、将来は僅かな電力消費とパワフルな演算機能を両立させたコンピュータの開発に応用することができるという。
「この研究はまた、学習と記憶のメカニズムに関する研究に新たな一章をもたらすものになります」と研究チームのメンバーであるテキサス大学のクリステン・ハリス教授は語る。
ハリス教授は今回の研究で新たな研究課題が多く生まれたことを指摘している。例えば海馬以外のほかの部分にあるシナプスの研究や、学習初期の段階におけるシナプス接続の発達過程などである。
参照:http://tocana.jp/i/2016/01/post_8711_entry.html
<感想>
人間の脳は、ほぼフルスペックで生まれてきますが、成長して脳の記憶容量が、1ペタバイト有ろうが無かろうが、やはりバカは、バカです。
「知能」が低い訳でもないのに、頭が悪いのは、怠けて生きているからです。
神経細胞は、人並みに有るが、怠けて生きているから、脳内の神経細胞のネットワークがちゃんと繋がっていないのです。
電車の中で横を見れば、スマホ片手に、バカゲーム、バカ動画、三昧です。 もう、世の中、バカが、圧倒的多数を占めています。
—関連記事—
・「記憶を思い出すための神経回路を発見」 脳の謎についての研究成果です。
6.アルツハイマー病で記憶は失われていない可能性
ADマウスにおける記憶想起の障害が、神経細胞同士をつなぐシナプスが形成される「スパイン」という構造の減少と関連していることを突き止め、光遺伝学を用いてこのスパインを正常化すると記憶想起も正常化することを実証しました。
樹状突起スパインとは神経細胞の樹状突起から突き出ている小区画であり、脳のほとんどの興奮性シナプスの入力を『受信』しています。 「AD患者の記憶は失われておらず、思い出せないだけかもしれない」
参照:http://www.riken.jp/pr/press/2016/20160317_1/
8.宇宙旅行、脳に永続的な影響か
宇宙に滞在した宇宙飛行士の体を調査した結果、無重力状態で長期間滞在すると、地球に帰還して7カ月が経過しても、脳に影響が残りうることが明らかになったようです。
「人間は地球の重力下で立って生活するように適応しており、重力がなくなると、体内の液体はすべて頭の方に移動します」と論文の共著者でドイツ、ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘンの教授ペーター・ツー・オイレンブルク氏は話す。論文によると、宇宙から帰った直後は、脳の「灰白質(主に神経細胞の細胞体が集まる組織)」の体積が最大で3.3%減っていた。宇宙に滞在中に、過剰な脳脊髄液が圧迫していたためと考えられる。そのときに減った分は、しばらくすると回復したものの、数カ月経つと今度は別の場所の灰白質が減っていた。宇宙に行く前と比べると、灰白質は全体で計1.2%ほど減っていた。
参照:https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/102900467/
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・【書籍紹介】脳の意識 機械の意識 – 脳神経科学の挑戦 (中公新書)
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