2026年2月11日、
本日の書籍紹介は、世界の大転換 小泉 悠 (著) です。
著者はロシア軍事・安全保障の専門家として知られる研究者、小泉悠(東京大学先端科学技術研究センター准教授)です。
ウクライナ侵攻を経て決定的に変わってしまった世界情勢を、軍事・安全保障の視点から鋭く分析した一冊です。
<目次>
第1章 中国から見る大転換 小泉悠×津上俊哉(中国経済)×熊倉潤(中国政治)
第2章 アメリカから見る大転換 小泉悠×金成隆一 (アメリカ政治)
第3章 ロシアから見る大転換 小泉悠×小林昭菜(ロシア政治)
第4章 ヨーロッパから見る大転換 小泉悠×合六強 (欧州政治)
第5章 安全保障から見る大転換 小泉悠×村野将(安全保障)
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■本書では次のような国・地域について分析が行われています。
・中国 :台頭する中国の戦略や対米・対地域政策
・アメリカ:リーダーシップ低下や社会内部の分断
・ロシア :ポスト冷戦期の戦略、ウクライナ戦争の背景
・欧州 :エネルギー、安全保障の転換
:日本 :戦略不在がもたらすリスクと選択肢
各章では現状の問題点とこれから起こりうる世界秩序の可能性が議論されています。
対談形式:著者が専門家と語り合う形で進むため、単調な解説書よりも多角的な視点が得られます。
本書は単なる戦況解説ではなく、「なぜ世界はここまで不安定になったのか」という構造的な変化を、以下の3つの大きな軸で解説しています。
① 「力による現状変更」の常態化
冷戦終結後、私たちは「対話と経済的相互依存が戦争を防ぐ」という幻想を抱いてきましたが、ロシアのウクライナ侵攻はその前提を打ち砕きました。小泉氏は、主権国家がむき出しの武力を行使する「19世紀的なパワー・ポリティクス」の再来を指摘しています。
② 軍事技術と「ハイブリッド戦」の進化
ドローン、衛星通信(スターリンク等)、SNSを用いた情報戦など、現代の紛争における新しいテクノロジーの役割を詳述しています。武力行使だけでなく、サイバー攻撃や心理戦が組み合わさる「ハイブリッドな現実」を解き明かします。
③ 日本の置かれた地政学的リスク
「欧州の危機」を対岸の火事とせず、それが中国、北朝鮮を抱える東アジアの安全保障にどう波及するかを考察しています。特に「核の威嚇」が現代においてどのような意味を持ってしまったのか、という問いは重く響きます。
■どんな人におすすめか?
・ニュースで流れる国際情勢がバラバラの点に見えて、つながりが分からない人
・軍事技術が具体的にどう戦争を変えているのか知りたい人
・日本の防衛政策の議論を、より深い背景から理解したい人
「かつて私たちが信じていた『戦後の常識』はもう通用しない」 本書はこの厳しい事実を受け入れるところから、新しい思考を始めるためのガイドブックと言えるでしょう。
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