本日の書籍紹介は「脳の意識 機械の意識」 – 脳神経科学の挑戦 渡辺 正峰 (著)
この書籍を読んで、一番感じることは、人間の脳は、同じものなど、一つもない。「頭のおかしい奴」が現れても、驚くことではない。「それをどう、止めるか」だけです。それに失敗するから、歴史は繰り返すのです。
「天使」も「悪魔(配線が狂っている)」も、両方「脳」に宿る。それが人間の宿命ではないでしょうか。
人工知能といいますが、「知能」のある部分なら、人間を追い越して居ますが、人間の感情まで理解できるところまでは来ていません。
「意識」が、脳のどこに宿るのかも、まだ、これからですので、「人工知能」もまだまだでしょうし、「人工知能」を進化させるには、「脳」の仕組みの解明が、セットで進んでゆくのだと思います。
■脳の意識 機械の意識 – 脳神経科学の挑戦
– 目 次 –
第1章 意識の不思議
第2章 脳に意識の幻を追って
第3章 実験的意識研究の切り札 操作実験
第4章 意識の自然則とどう向き合うか
第5章 意識は情報か、アルゴリズムか
終 章 脳の意識 機械の意識
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■脳の情報伝達、電気回路の仕組み
「ニューロンA」で、発生した電気スパイク(電位変化)が、シナプスに伝わり、神経伝達物質により、「ニューロンB」に伝達される。 (神経細胞:ニューロン)
実に、シンプルと云うか、仕組みで云うと、よく分かっていない奴が「私は頭がアナログなので。。。」と言い訳をしますが、人間の脳は「デジタル」そのものです。
神経伝達物質の存在もありますが、ほぼ「デジタル」です。
従って、「頭が悪い」のは、情報がちゃんと伝わっていない、つまり、配線がおかしいだけです。 「頭が悪い」のは、決して「頭がアナログ」だからではありませんので、ちゃんと、認識しましょう。
■脳を構成するニューロンには、「我」、「意識」を脳に成り立たせるような魔法の仕掛けは一切見当たらないのです。
分かっているのは、膨大な数のニューロン(約1千億個)どうしが、膨大な数のニューロン(約100兆個)で繋がっていて、そこに「我」が発生している? のでしょう。
下図のように、延髄に被いかぶさるように小脳、中脳、大脳、偏桃体、海馬、側坐核など、色々な機能を有した部品で構成されていますが、どれも、ニューロンとシナプスの集合体です。
<脳科学で云えば>
(1)一番原始的な脳は、「爬虫類」にもある脳で、脳幹と大脳基底核です。
(2)次は、鳥類や下等哺乳類になって発達してきた大脳辺縁系です。
(3)そして最後に、高等哺乳類になって発達した大脳新皮質です。
そこの前の部分が「前頭前野」という領域になります。
これに深くかかわっている「側坐核」と「扁桃体」、「海馬」などは大脳辺縁系に位置します。
各部位が、どのような役割をしているのか、おおよその事は分かっていますが、このレベルでも、どこで、どうやって「我」が発生しているのかは、分かっていません。
人工知能(AI)の開発段階でも、まだ、「大脳皮質」の役割をちょっと模倣しただけにすぎません。偏桃体、海馬、側坐核などの機能は、未だ人工知能(AI)では機能していません。
■特殊な処理で、脳内のニューロンをマッピングして、脳の構造を描き上げたそうです。
この配線が、人間みな同じなわかないでしょう。シナプスも、脳内物質も、同じように機能していない人間が必ず存在するのです。
・金箔で表現した脳内のニューロンマッピング映像(カラパイア)より参照
さて、ここ「脳」のどこに「意識」が宿るのでしょうか?
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