2018年05月27日、
本日のお題は、「ひきこもり」の問題について
非常に難しい問題でもあります。何故なら、社会心理的な問題、生物学的な問題でもあるからです。
そして、「ひきこもり」の問題は、ごく一部の家庭の問題であり、自分の家庭とは関係のない話で、「他人事だ」と捉える方が殆どでしょう。
ですが、「ひきこもり」状態ではなくても、フリーターやニート(仕事も通学も求職もしない)のように、定職についていない子供さんが増えている現状を考えれば、ひきこもり家庭の状況は決して、他人事とは言い切れないはずです。
親としては、子供が自立して生活できるようになることが、一番の願いでしょうが、それがままならない。。。。家庭内だけでは「なんともならない」が、日本の様な「村社会」では、身内の恥をさらさないという思いがあるせいで、なかなか、問題が見えずらくなっているのも、確かです。
1.「社会的ひきこもり」の定義は、
「就学・就労などの社会参加を回避し、半年以上に渡り家庭に留まり続けている状況」とされています。
この定義に従い、かつ15歳から39歳に限った場合の推計人数が、日本国内で50万人以上であると言われている。
じゃあ、その上の年齢層はどうなの? 実態がつかめていませんが大勢いるようです。つまり、高齢化した「ひきこもり」が着実に増えているのです。
内閣府の調査は、40代以上のひきこもりも調査対象外としていたが、中高年世代を対象とした初の実態調査を行うことを決めた。2018年秋ごろ、40歳から60歳前後までの約5千人とその家族に、引きこもりの原因や期間などを尋ねる訪問調査を実施する。
・中高年世代を対象する調査は、こんなを極めるだろうと言っています。
中高年ひきこもりの実態調査が極めて困難な
・「8050問題」:
高齢化した「80歳(親)、50歳(引きこもり子供)」親子の問題などもあります。
2.「ひきこもり」の原因は、
・パーソナリティ障害の特徴に、似ている部分がある。
・もう一つ、国内ではあまり知られていない「ひといちばい敏感な子」(Highly Sensitive Child=HSC)だとも言われています。
・発達障害(ADHD、ASD)に間違えられやすいが、過敏な原因が愛着障害やASD(自閉症スペクトラム)にある場合もあるとも言われています。
1)回避性パーソナリティ障害の特徴に関連性が見られた
「社会的ひきこもり」の生物学的背景 九州大学ら国際研究グループが発見
結論を一つあげると、
ひきこもりの傾向と、回避性パーソナリティ障害の特徴に関連性が見られたという。心理社会的側面以外に、「生物学的因子」が、ひきこもり傾向と関連する可能性を示す初めての報告です。
なお、研究の詳細は、Scientific Reportsに掲載されている。神庭重信教授(精神医学)、加藤隆弘講師(同上)、早川宏平共同研究員(同上)、米国オレゴン健康科学大学のアラン テオ助教(精神医学)、マレーシア・モナッシュ大学の渡部幹准教授(社会心理学)らによる国際研究グループが発見した。
『精神障害の診断と統計マニュアル』(DSM)により分類
人格(パーソナリティ)障害は、アメリカ精神医学会によって10種類に分類され、更に、大きく3つのグループに分類されています。
回避性パーソナリティ障害とは、
C群1(クラスターC)、不安型 (anxious type)に属していて、不安や恐怖心が強い性質を持つ。共通して抑うつ的な行動や思想にかられる人が多い。周りの評価が気になりそれがストレスとなる性向がある。
人付き合いが苦手であり、批判や拒絶に敏感であり、新たな関係を避けがちであるが、スキゾイドパーソナリティ障害とは異なり、人間関係は希求しており、親しい人を何人か持っている。青年期前後にさらに回避的になってくることがあるが、加齢と共に寛解してくる傾向がある。
2)「HSC(Highly Sensitive Child=ひといちばい敏感な子)」
5人に1人が、生まれつき「ひといちばい敏感な子」(Highly Sensitive Child=HSC)だといわれています。 学校ではADHDやアスペルガーと誤解されてしまうこともあります。
■『ひといちばい敏感な子』(エレイン・N・アーロン:著、明橋大二:翻訳/1万年堂出版)。
■『過敏で傷つきやすい人たち』 (幻冬舎新書) 岡田 尊司 (著)
3.子どもたちがなぜ学校へ行かなくなるのか、その「きっかけ」は何なのか。
不登校になった原因は、「友人との関係」が半数以上を占めています。
その中で、「いじめ」が生まれやすい構造(クラスカースト)が確立してきているのが原因の1つになっているともいわれています。
カーストとは、ヒエラルキーと違うのですかね。サルの世界では、親のヒエラルキーがしっかりできている為に「いじめ」が起きないようですが、スクールカーストは、「いじめ」が発生してしまう?
■スクールカーストの闇
最後に、
「ひきこもり」は、親が「金」のある内は、何とか、現状を打開できない悩みを抱えながらも生活できるでしょう。また「貧困問題」とも関連があり、これから親も高齢になり、そのあと、どうすんだろうと思う時、国や自治体での支援が必要になってくるのでしょう。
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