【前期高齢者のひとり言】 介護認定を受けたばかりの96歳の婆さんが、とうとう入院してしまいました。

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2024-04-14、
本日の話題は、「前期高齢者(65歳から74歳まで)のひとり言」と題して、ここ1カ月の間に、区役所の保健師さんの勧めで「介護認定(要介護1)」を受けたばかりの96歳の婆さんが、とうとう入院してしまいましたが、気づいてやれなかった反省点について。

高齢者の健康管理と日常生活の重要性を浮き彫りにした出来事で、私も初めて体験した次第です。

人生100年時代になってきていますが、「健康寿命」の平均は男性72歳、女性75歳。80歳を目前に寝たきりや要介護になる人は多い。ただ、80歳を過ぎても元気で生活できているからと言って、「後期高齢者(75歳以上)」を野放しにするのも、ある程度の行動制限するのも難しいですね。自分の体ではありませんので、高齢になり、体がどうなっていくのか、ちゃんと勉強していないと、突然、大変なことになる場合があります。

歳を取るほど大切なのが、「栄養」で、好きな物を食っていれば良い訳でもない。自分でご飯支度ができなくなった後期高齢者に、栄養のバランスを考えて食事を提供するのは、栄養学を学んでおかないと難しいと思います。

倒れるまでの経緯
コロナ禍になる3年くらい前、朝起きたら、居間に倒れて起き上がれない状態で、苦しそうにしていたので、かかり付けの病院から大きな病院を紹介してもらい、大きな病院から入院はできないが、診てあげると言われたので救急車を呼んで、とりあえず救急搬送してもらい病院で2時間くらい診てもらったが、膝に水が溜まっていたくらいで、どこも悪くないと先生に言われ、帰りに院内のタリーズコヒー店で、コヒーを悠々と飲んで、タクシーに乗って帰ってきた経験があります。なんだそれ? 多分、貧血をおこして倒れたのではないかと。

健康問題と生活の制限
こうして倒れるまでは、自分で自由に出歩けるので、私も干渉しないで好きにさせていました。
そうすると、好きな時に好きな物だけ、買い食いして、ちゃんと食事をしている様子は見たことがない状態で、毎日のように、街にふらふら出かけて、おかずなどを買い物して、内緒で風呂に入って家に帰りつく生活を長年送っていた様でした。ですので、好き勝手に生活していたのを一切制限してしまいました。

それ以来、コロナ禍では、すぐ傍の公園の周りを散歩するだけで、買い物にも、風呂にも行かせず、ワクチン接種を一回もせずに、コロナにも感染もせずに過ごしてきました。
「頭(脳)」の状態は、軽度の「認知症」程度で年に数回「せん妄」状態になり、見えないものが見えたり、聞こえないはずの音が聞こえたりと云う状態が出現することがありました。

今まで、自身の食事の支度する姿を見たことがなかったのですが、おやつなどを一切出さず、食事を作り、食べさせるようにすると、出されたものは量が多くてもペロッと喰ってしまう食欲で、とても、96歳の婆さんの食欲ではないのです。「大食い婆さん」状態でした。唯一、嫌いだった「納豆」も毎日食べさせて食べれるようになっていました。 唯一、「肉」を食べさせる量が少なかったように思います。私も96歳になる婆さんが、こんなに食事をするのかと、少し呆れていましたが、毎日、3食食べさせないと、段々痩せてゆくのでした。

人間、体がどこも悪くないと、高齢になっても、仕事をして働いている人と同じくらい食うのです。

入院と治療
しかし、先日、あるきっかけで、とうとう入院させました。
数週間前まで、自分で歩いて外を散歩できる状態でしたが、家の中でトイレに行く途中に転倒して多分、腰を強く打ち、痛みがなかなか取れない状態が続き、レントゲン検査で背骨が内部骨折していたのです。 その後、足の脛が赤く腫れあがってきたと思ったら、みるみる内に足の先まで内出血が広がり、真っ黒になってしまいました。多分、黴菌が入り、免疫力の無い状態になっていて感染が広がったのでしょう。

何でも食べて、好き嫌いは無かったので、一見「健康」そうに見えていたのですが、やはり、栄養のバランスが良くなかったのでしょう。当然、そのような状態が続くと「免疫力」が弱くなり、「感染症」になり易かったのでしょう。みるみる内に内出血で足の先まで内出血が広がり、真っ黒になってしまいましたのは、そのせいではないかと思います。

冬の雪のある間は、外で散歩させない様にしていましたが、家の中でも、ちゃんと「杖」を使って歩けと言っているのですが、ちょうしこいて、杖を忘れてトイレに行こうとするのです。 一番怖いのが、転倒してケガをする事なのです。

病院に入院して、背骨を特注のコルセットで固定して矯正し、内部骨折を直す事、足の表面に黴菌が入って、皮膚が壊死しそうになっている部分を治す事。多分数か月間は入院が必要になりそうで、夏までに退院できるかどうかでしょう。

この様に、ちょっとしたきっかけで、大丈夫だった体が、途端に入院しなければならなくなる怖さを持っています。 そんな意味では、80歳を過ぎて、一人で暮らしている高齢者で「衣食住」の事をちゃんと考えて暮らすのは至難の業ですので、ちゃんとできる方は「人生の達人」の様な人に思います。


80歳の壁  (幻冬舎新書)
新書  和田 秀樹 (著)

目次
プロローグ 80歳の壁を超えていく
第1章 医者・薬・病院の壁を超えていく(幸齢者になったら健康診断はしなくていい;
医療に頼るなかれ。医師には「健康」という視点がない ほか)

第2章 老化の壁を超えていく(浴風会病院の高齢者医療。私が自信を持って話せる理由;
明日死んでも後悔しない人生の時間の過ごし方。三つのムリをやめる ほか)

第3章 ボケ・認知症の壁を超えていく(認知症への誤解。思い込みがみんなを不幸にする;
知らない不幸。生きる知恵は残っている ほか)

第4章 高い壁を低くするヒント 50音カルタ(長生きが大事なのか。残りの人生が大事なのか;
寝たきりは終わりではない。だからこそできることもある ほか)
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免疫学者の奥村先生と対談で本を作ったのだが(「『80歳の壁』は結局、免疫力が解決してくれる」宝島社新書)、その際に、これまでのコロナ対策では、免疫力を下げるし、かえって重症化や死者数の増加を招くと言っておられたのが印象的だった。

新型コロナ対策を基本的に仕切ったのは、新型インフルエンザ等対策有識者会議・新型コロナウイルス感染症対策分科会(尾身茂分科会長)という専門家の会議だったが、その構成員には何人かの感染症学者は入っていたが、臨時構成員を含め、免疫学者は一人も入っていない。

 

最後に、
下手に体が丈夫で、いつまでも長生きすると、将来、誰か面倒を観てくれる人が居れば良いのですが、核家族化が進み、独居暮らしの高齢者が増え、大変な時代に、もう突入しているのです。

田舎の家族から離れて、都会で暮らす「単身者」も、いずれは他人の世話にならないと、ちゃんと生きて行けないのです。

人間、上手く出来ていて、グレーゾーンの「発達障害(ASDなど)」、「愛着障害」を抱えていると、若い時は、人との関りを避けて、一人でいるのが気楽で、寂しさも感じず、生きて行けるでしょうが、高齢になると、体が動かなくなり、他人の世話が必要な時期が必ず訪れるのです。

心不全」などで、苦しまずに、ぽっくり亡くなる人も確かに居ますが、「憎まれっ子世にはばかる」と言われている様に、そんなに都合よく死ねないのです。

<追記>

宮城県で5万人規模で行われた大規模調査では、40歳のときの平均余命がいちばん長いのは、BMIが25~30のやや太め(25以上だとメタボの基準に当てはまる)の人で、やせている人(BMI18.5未満)と比べると男性で7.1年、女性で6.26年長生きしていたことがわかった。

参照:https://mainichi.jp/premier/health/articles/20240313/med/00m/100/007000c

少し「デブ」のほうが長生きできるということは、「栄養状態」がいいという証拠で、そんな高齢者の方が長生きできるということだろうという事でしょうか。

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