2023-07-09、
本日の書籍紹介は、自律神経の科学 「身体が整う」とはどういうことか 鈴木 郁子 (著) です。
歳のせいか、近頃、どうも体の調子の悪い時がありますが、そんな疲れが取れなくダルい時は、最寄駅のそばにある「天然温泉」に、ゆっくりではありませんが、入浴して来ると何だか体が軽くなり助かります。更に「サウナ」もあるのですが、私の場合は絶対に入りません。 ましてや、サウナから水風呂なんて、「心臓麻痺」を起こしてしまうので絶対に入りません。
若い頃、オホーツク海の流氷の来る港街で暮らしていた頃は、春の運動会から、秋の運動会まで、焚き火にあたりなからでも、冷たい海でも、潜ってウニやつぶを取ったりして遊んでいましたが、熱いところから、冷たい所に入るのだけは、絶対無理ですね。
■サウナ後の水風呂は、本当に体に悪いですか?
サウナで高温にさらされた後、冷たい水風呂に入ることで体温が急激に下がります。
それによって血管が急激に収縮し、心臓に負担がかかります。 すると、心臓疾患や心不全が発生するリスクが高まってしまいます。 特に、高齢者や心臓に持病がある方は注意が必要です。
サウナで、「身体が整う」と言いますが、科学的には、あまり良いことではない様です。
脳科学については、色々と学んで来ましたが、自律神経について、学ぶのは初めてで、脳神経と密殺な関係にあるのに、なぜ? 気が付かなかったんだろうと思います。
「腸」は第二の「脳」と言われているのは知っていましたが、「腸管神経」細胞は、脳と直接に繋がっていませんが、「脳」と連絡を取るためのネットワークを他の臓器を経由して、ちゃんと持っているのです。第三の自律神経と呼ばれる腸管神経は大事な働きをたくさん持っています。
いずれにしても、この「自律神経」とは、交感神経と副交感神経という2つの主要な部分から構成されていて、自分で意識しなくても、ちゃんと調節してくれる自律機能を有しているのですが、如何せん、体の調子が乱れれば、自律機能がうまく働かなくことだけは、確かで、若いうちは多少無理をしても、すぐに回復するでしょうが、歳をとると、うまく機能しなくなるのでしょう。 そして女性の場合は、更年期障害など、閉経後には、生殖関連のホルモンのバランスが、思いっきり変わりますので、大変でしょうね。
自律神経が心身を巧みに調整しているのですが、さーて、どんなふうに、どんな仕組みで、自律的に調整しているのでしょうか?
■自律神経の科学
<目次>
第0章 神経について、基本をおさえる
第1章 自律神経とはなにか
第2章 涙や唾液と自律神経 ――瞳をみれば、自律神経の活動がわかる?
第3章 汗やホルモンと自律神経 ――皮膚への刺激で、自律神経の活動が変わる?
第4章 ストレスと自律神経 ――闘うか逃げるか、私たちを守るメカニズム
第5章 喜怒哀楽と自律神経 ――怒りや恐怖で、心拍や体温が変わるわけ
第6章 内臓の情報を伝える自律神経 ――新たにみつかった「第三の自律神経」とは
第7章 自律神経から考える「心身を整える方法」 ――不調の原因を探ってみる
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看護師、介護士など、施設などで高齢者の健康維持を仕事としている方なら、この書籍は大変勉強になると思います。高齢者の血圧、脈拍、脈圧の日々の変動と本書のリズム論は一致している様です。
【全身を調整する自律神経のしくみがわかる】
「心身の不調は自律神経が原因かもしれない」「自律神経のバランスが乱れている」などとよく耳にします。
そもそも、自律神経とはどのような神経なのでしょうか? 簡単に言えば「内臓の働きを調整している神経」。全身の臓器とつながり、身体の内部環境を守っています。
自律神経に関わる歴史的な研究を辿りながら、交感神経・副交感神経の仕組みや新たに発見された「第三の自律神経」の働きまで、丁寧に解説していきます。
■腸管神経細胞の働きと脳との関係は
腸管神経細胞は、腸管(消化管)
内に存在する神経細胞の集合体で、腸管内の動きや消化吸収、 腸管の免疫応答などを制御する重要な役割を果たしていて、 これらの神経細胞は、腸管壁に広がる腸管神経系(エンタリック・ ニューロン・システム)の一部です。
腸管内の刺激や情報を感知し、それに応じて腸管の動きや分泌、血流などを調節します。また、 腸管神経細胞は免疫細胞とも密接に連携し、 腸管の免疫応答に関与します。 腸管神経細胞は、自律神経系の一部であり、
主に副交感神経の支配下にあります。しかし、 腸管神経細胞は独自の神経回路を持ち、 脳との双方向のコミュニケーションを行う。 脳と腸管神経細胞の間には、
腸脳相互作用(Gut-Brain Axis)と呼ばれる相互の影響関係が存在します。この相互作用は、神経伝達物質、ホルモン、 免疫シグナルなどのさまざまな経路を通じて行われます。 腸管からの信号は、腸管神経系を介して脳に伝えられます。
腸管の状態や内部環境に関する情報は、 迷走神経を通じて脳幹に到達し、脳の感情や情動、ストレス反応、 食欲制御などに影響を与えます。 また、脳からの信号も腸管神経細胞に影響を与えます。
ストレスや情緒的な刺激は、 自律神経系を介して腸管に影響を及ぼし、 腸の運動や分泌の変化を引き起こすことがあります。 さらに、腸管細菌叢(腸内細菌の集合体)
も腸脳相互作用に重要な役割を果たしています。腸管内の細菌は、 神経伝達物質や短鎖脂肪酸などの物質を生成し、 腸管神経細胞や脳に影響を与えることが知られている。 総括すると、腸管神経細胞は腸管の運動や消化吸収の調節を行い、
脳との相互作用を通じて腸脳相互作用に関与しています。 腸管神経細胞、脳、 および腸内細菌叢の相互のコミュニケーションは、 腸管機能や精神的・ 身体的健康に重要な影響を与えると考えられています。
・腸は「第2の脳」といわれていますが、「第1の脳」かもしれません
https://www.isoda.or.jp/3132
<著者プロフィール>
( ) ( )
1962年、北海道生まれ。幼少期を米国、ドイツで過ごす。お茶の水女子大学理学部生物学科卒業。東京医科歯科大学大学院歯学研究科高齢者歯科学専攻修了。歯学博士・医学博士。専門は生理学。東邦大学医学部生理学講座助手・講師を経て、現在、日本保健医療大学保健医療学部教授、昭和大学医学部生理学講座客員教授兼務。
主な著書に
・『やさしい自律神経生理学 命を支える仕組み』(中外医学社)
・『やさしい環境生理学 地球環境と命のつながり』
・『人間と生活 地球の健康を考える』(いずれも錦房)
・『生理学をめぐる旅 研究を紡いだ若者たち』(中外医学社:近刊)
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