【書籍紹介】世界の起源 ━ 人類を決定づけた地球の歴史 ルイス・ダートネル (著)

本日の書籍紹介は、世界の起源 ━ 人類を決定づけた地球の歴史 ルイス・ダートネル (著)です。

札幌も新型コロナウイルスのおかげで、札幌駅、商業施設もガラガラです。休日は、無理して出かけずに、未読の書籍でもじっくり読むのが一番です。また、一度読んだ書籍を開いて、お気に入りの「ロールバン」のノートにまとめてみるのも面白いと思います。

ルイス・ダートネル氏は、どこかで覚えがあるなと思っていたら、『この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた』の著者でもありす。そして彼は、レスター大学のイギリス宇宙局の研究者で宇宙生物学が専門で火星における生命の痕跡を探すプロジェクトに関わっている様です。

人類が、地球のどのような変動(大昔の気候変動など)や環境変化の中で、大移動を繰り返し、世界中に広がったのか、そして、その地でどのように発展していったのかが、分かる一冊です。

ちょっと、ぶ厚いのですが、索引を除くと300ページ位の書籍ですので、すぐに読めます。
各章で、興味深い内容が記載されていますので、読んでいて、段々面白くなってゆき、一気に読んでしまいました。

「人類学」的な書籍を、他にも多数読んでいれば、この書籍は、大変、面白いと思います。地球物理学、古代からの地球環境の変化の影響など、色々な知識を補完してくれる1冊になるでしょう。

■世界の起源━ 人類を決定づけた地球の歴史

– 目 次 –
第1章人類の成り立ち
地球寒冷化 /進化の温床 /樹上から道具へ
気候の振り子 /プレートテクトニクスの申し子の人類

第2章大陸の放浪者たち
寒冷な時代 /天空の時計じかけ /温室から氷室へ
脱 出 /波及効果 /島 国

第3章生物学上の恩恵
見つかってから失われた楽園 /新石器の革命 /変化の種
後戻りできなくなった時点 /野生を手なづける /性革命
文明のAPP /世界の発熱 /ユーラシアの利点 /給水塔

第4章海の地理
水を富に変える /内 海 /シンドバッドの世界
香辛料の世界 /交通の難所 /黒い動脈 /黒い帯

第5章何を建材とするか
生物由来の岩石 /木材と粘土 /石灰岩と大理石
チョークとフリント /火と石灰岩 /地殻の汗 /足下にある地層

第6章僕らの金属の世界
青銅器時代の到来 /海底から山頂へ /錬鉄から鋼鉄へ
星からの鉄の心臓 /世界が錆びたとき
ポケットのなかの周期表 /絶滅危惧元素

第7章シルクロードとステップの民
東西のハイウェイ /草の海原 /立ち退かされた民
ローマ帝国の衰退と崩壊 /パクス・モンゴリカ
一つの時代の終わり

第8章地球の送風機と大航海時代
海の回転——航海者たちの革新的な方法 /嵐の岬へ /新世界
地球の送風機 /モンスーンの海へ /モンスーンのメトロノーム
海の帝国 /グローバル化に向けて

第9章エネルギー
太陽と筋力 /動力革命 /化石になった太陽光
石炭をめぐる政治 /黒死病 /仲介役の排除
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人類学と云うか、地球のどんなプロセス(地球の地質学的な歴史)が、人類の進化を促したのか? を記載していますが、この書籍を読んでいる途中に、進化生物学者「ジャレド ダイアモンド」(著)の「銃・病原菌・鉄」を思い出してしまいました。

■「銃・病原菌・鉄

年代の幅は少し狭いですが、地球の地形や動植物相を含めた「環境」により、格差が生じて、発展してきた人類の歴史が描かれているのです。

例えば、ジャレド ダイアモンド博士は、ユーラシア大陸のステップに生息した「騎馬民族」のことを「蛮族」と言っているのですが、ルイス・ダートネル氏は、もう少し詳しく彼らの行動を記載していて、歴史的な民族についての事柄は1冊だけ読んでも、知識が深まらないことが、よくわかりました。

ルイス・ダートネル氏は、年代の幅も広く、より地球の地質学的なところからも人類の歴史を紹介していますが、ジャレド ダイアモンド博士は地政学的な部分で、人類の歴史を紹介しています。

合わせて読むなら、ジャレド ダイアモンド博士のこの1冊でしょう。

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