【書籍紹介】 なぜ働いていると本が読めなくなるのか (集英社新書) 三宅香帆(著)

2024-06-30、
本日の書籍紹介は、 なぜ働いていると本が読めなくなるのか (集英社新書) 三宅香帆(著)です。

「給料日になったら、書籍の一冊くらい、身銭を切って購入して読みなさい」。。良い言葉ですが、社会的階層の低い方(私もかなり低いが)で生活していれば、失礼ですが、ほぼこの言葉は響かないでしょう。

【人類の永遠の悩みに挑む!】
「大人になってから、読書を楽しめなくなった」「仕事に追われて、趣味が楽しめない」「疲れていると、スマホを見て時間をつぶしてしまう」……そのような悩みを抱えている人は少なくないのではないか。
「仕事と趣味が両立できない」という苦しみは、いかにして生まれたのか。
自らも兼業での執筆活動をおこなってきた著者が、労働と読書の歴史をひもとき、日本人の「仕事と読書」のあり方の変遷を辿る。
そこから明らかになる、日本の労働の問題点とは?
すべての本好き・趣味人に向けた渾身の作。

私の場合、読書を「趣味」だと思っていませんので、「趣味が楽しめない」なんて思いません。ですので、作者の気持ちも分かりますが、「日本の労働の問題点」まで引っ張っている所が中々面白い点です。

 

1.「読書の習慣を身に付ける」。。これが、中々できないのです。

社会人の「勉強の方法」ではなく、まずは「読解力」、次に勉強を継続するための「原動力」は、「好奇心」です。「勉強の方法」では無く。。と云ったのは、「勉強の方法」よりも、まずは「読書の習慣を身に付ける」方が先です。

何が、言いたいかといえば、自分の「読み・書き」の学力のレベルが、どのくらいのレベルにあるのか?人それぞれ、どうしようもない「学力差」が有るものです。

書籍から知識を吸収したいのなら、まずは「読解力」などを身に付けることです。

たくさん本を読んでも、人によっては、理解力(読解力)が足りないことが原因で、せっかく読んでも、身に付くことが少ないのではないでしょうか、特に、若いころから、読書の習慣の無い人、お勉強ができなかった人は、「読解力」を身に付けるのが先でしょう。

暇があると、ついつい、マンガを読んだり、ゲームをしてしまう「生活習慣病」を治してからです。

そして、その次に「勉強の方法」です。

毎日、忙しくて、「読む時間がない」と言い訳けをしますが、マンガを読んだり、ゲームをしてしまう時間を読書に振り向ければいいのですが、これが出来ないのです。

生活習慣」としての読書の習慣を身に付けた後に、「勉強の方法」が始まりますので。。

 

2.現代社会の状況

世の中、「バカ動画」、「エロ動画」、「バカゲーム」、バカどもの集まり「SNS」が、GAFA(アメリカの主要IT企業4社:Google・Apple・Facebook(Meta)・Amazonの頭文字をとった略称)などの思惑通リに流行っていますので、本を読む人が少なくなっているのも確かです。

■代表的な、人気「SNS」
・LINE(ライン) 「メッセージのやり取りで交流するSNS」
・Facebook(フェイスブック) 「日記風の投稿で交流するSNS」
・YouTube(ユーチューブ) 「動画の投稿で交流するSNS」
・Instagram(インスタグラム) 「写真の投稿で交流するSNS」
・Tik Tok(ティックトック)
・X(Twitter)(エックス・ツイッター)

■街灯に「蛾」が群がって飛び回るのと同じ様に。
上記のように、こんなにバカやアホが大好きなコンテンツがあり、バカやアホが、一丁前に「暇つぶし」するのは、十分なコンテンツが揃っています。  バカやアホの特徴は、書籍などめんどくさい物には近寄らず、一丁前に暇つぶしするのにもってこいの「お手軽バカチョンコンテンツ」に群がる傾向にあるのです。
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3.自分の読書歴

■自分の読書歴を振り返ると、両親の社会的階層は低かったが、札幌で一緒に暮らすようになった、母方の祖父は北海道の田舎町の戸籍課の役人、祖母は元助産婦と異色の組み合わせ夫婦で、終戦になり樺太(サハリン)から引き揚げてきた日本人でした。

祖父は、家で、亡くなるまで書籍を読んでいた様に思います。田舎町で夫婦と子供2人で暮らしていた現役時代は、物置の床が抜けるくらい、機会があるたびに書籍を買いあさって読んでいたそうです。

私の場合、若い時から、貧乏と云うか恵まれた生活を送ってはいませんでしたが、祖父母や両親の影響か、書籍を自然に読むようになっていたと思います。

ですので私も、高校生の頃からですが、病気で療養生活も長かったせいもあり、小説などを読むようになり、大学を卒業して社会に出るころになるまでには、文豪たちの文学全集や、五木寛之、遠藤周作、吉行淳之介、松本清張、司馬遼太郎、北杜夫、三島由紀夫など比較的新しい作家の書籍も読んでいました。

現在、もう20年間くらいは、人の頭で想像した「物語」を読んでいる暇は無いのです。

もっぱら、ジャンルで言えば自然科学系(人類学、生物学、脳神経学、脳科学、歴史、社会学、地球物理学、宇宙物理学)などの書籍を読み漁っています。最新の知識が欲しいので、私の場合、「図書館」からは書籍を借りることはほとんどなく、もっぱら書店で平積みしてある書籍を月に10冊程度ですが、購入して読んでいます。

■確かに、書籍を読んでいられる時の自分の状況は、ひどく忙しい時、何か問題を抱えて、悶々としている時など、精神的に余裕のない時は、やはり読む機会が激減している様に思います。
何か、心に余裕がない時など書籍を手に取る気にもならなくなる時がしばしばあるように思いますが、でも気が付けば、また読むようになっています。今回も病気の治療に時間を取られて精神的にも余裕が無くなり、読む書籍の数が減少しています。

ブログを記載しようとする意欲も、何だか、同じ様な気がします。

 

なぜ働いていると本が読めなくなるのか (集英社新書)

目次
まえがき 本が読めなかったから、会社をやめました
序章 労働と読書は両立しない?
第一章 労働を煽る自己啓発書の誕生―明治時代
第二章 「教養」が隔てたサラリーマン階級と労働者階級―大正時代
第三章 戦前サラリーマンはなぜ「円本」を買ったのか?―昭和戦前・戦中
第四章 「ビジネスマン」に読まれたベストセラー―1950~60年代
第五章 司馬遼太郎の文庫本を読むサラリーマン―1970年代
第六章 女たちのカルチャーセンターとミリオンセラー―1980年代
第七章 行動と経済の時代への転換点―1990年代
第八章 仕事がアイデンティティになる社会―2000年代
第九章 読書は人生の「ノイズ」なのか?―2010年代
最終章 「全身全霊」をやめませんか
あとがき 働きながら本を読むコツをお伝えします
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