2024-04-17、
本日のお題は、企業の採用担当にとって重要な記事です。
面接で「優秀な人を見抜く」 超効果的な質問術 です。 見抜くには見抜く側の能力も必要なのです。
判断をする会社の業種、職種やレベルにもよるが、難しい事柄でしょう。日本の企業における「中途採用の社員」の割合は、2023年度の採用計画において過去最高の「37.6%」に達していますので、新卒もそうですが、社会人として働いている方の中途採用にも慎重になる必要があるのではないでしょうか。
特に多いのは「いい人が採れない」という課題です。
「いい人」の定義は会社によって異なりますが、経歴よりも意外に重要なのは「自社に合うか」。たとえ優秀な人材を採用できても、自社に合わなければ、すぐに辞めてしまいます。
逆に優秀でないやつが居残っている場合もあります。「社員成長の決め手は、人事が9割」
「いい人が採れない」という悩みを解決するには、
1.どうしたら自社に合った「いい人」を採用できるのでしょうか? 3つのポイント
採用する側が、将来的にも、どのような仕事をさせたいか?
ジョブ型の仕事か? 一般事務職、営業、経理、総合職か?
小さな会社で総合職で、将来、幹部候補まで、見込んでいるなら、採用のポイントとしては、間違っていないでしょう。
せいぜい、下級役職にも登らせるつもりのない社員を選考する場合は、三つ目のポイントが必要で、他はあまり重要な基準にはならないでしょう。
1)「エネルギー」
採用面接で、タスク(目標設定・計画立案・進捗管理・目標達成)の完遂能力を指します。
対人関係におけるエネルギー(積極性・主体性・共感性など)も重要です。
■これらを見抜くためには、面接で以下のような質問をするといいでしょう。
・「これまでに“やり遂げた”のは、どのようなことですか?」
・「目標を達成しなかったことはありますか? その原因は何でしたか?」
・「周囲の人をどのように巻き込みましたか?」
・「うまくいかなかったことはありますか? どのようにすればよかったですか?」これまでの振り返りと反省を「具体的なエピソード」として話してもらうのです。
目標を設定し、計画を立案し、進捗を管理し、目標を達成する。このPDCAサイクルを回していくことは業務の基本。組織で働く以上、周囲を巻き込む力も不可欠です。これらの質問に対して、具体例が出てくれば出てくるほど、自社にとっての「いい人」を判断しやすくなります。
一方、具体的なエピソードがなく、抽象論に留まるようなら、「エネルギーがあるとは判定できない」と考えていいでしょう。
自社の面接官が、こんなレベルの質問をして、答えを瞬時に分析できる知的レベルの高い面接官(社員)が会社にいるのか? と云う事も問題になります。
大体、こんな事を考えて仕事をしている社員が、自社に何人いるかです。
社内に「いい人」が居ないから、「いい人」が欲しいのか?
それとも「面接官」の能力がダメなのか?
良い人が居ない会社に、良い人など集まらないでしょう。
そんな状態なら終わっています。
2)「知能」
中小企業では、面接だけで、試験など実施しない会社(特に零細企業)などでは殆どでしょう。
ここが困った所で、たまに変な人が紛れ込んでしまう時があります。かなり頻繁に。
「適正検査」も「一般常識検査」も実施しない会社の場合は、自業自得で、とんでもない人が入って来ても当たり前の場合がある。 後で苦労するのは、面倒を見る現場の人間だけです。
■知能とは、
物事を理解したり判断したりする力、または心理学で、環境に適応し、問題解決をめざして思考を行うなどの知的機能を指す言葉です。具体的には、自分で考え、推理し、課題を解決する能力のことを指します。
さて、知能には「概念知能」と「感情知能」の2種類があり、仕事をするためにはどちらも必要です。これらの違いは、概念知能が主に知識や理解力に基づく一方、感情知能は感情や共感性に基づくという点で明確に区別されます。
(1)概念知能とは
物事を構造的に理解し、それをわかりやすく伝える能力。
言語情報、イメージ、考え方、あるいは人生経験のような記憶を分類したり、まとめたりしたものを指します。
概念知能は、優先順位をつけて仕事を段取りよく進める「タスクマネジメント」につながります。
「次の会社に求めるものを3つ教えていただけますか?」 概念知能を判断するには、このような質問をするといいでしょう。
要点をいくつかのポイントにまとめ、わかりやすく伝えるためには概念知能が必要です。自身が会社に求めているものを3つにまとめ的確に伝えられる人は、概念知能があると判断できます。
(2)感情知能(EI: Emotional Intelligence)とは、
自己や他者の感情を認識あるいは理解したり、自己や他者の感情を制御したりする能力を表わす概念であり、人間が集団生活を営むために必要な基本的知的能力の一つとされています。感情知能の主な下位概念として自己の自覚,自己の制御,社会的自覚,他者との関係の制御が挙げられています。
これらの知能は、それぞれ異なる側面を強調していますが、両方とも人間の認知と行動に深く関与しています。
概念知能は情報の理解と組織化に重点を置き、感情知能は感情の理解と管理に焦点を当てます。これらの知能は、個々の人間がどのように情報を処理し、理解し、行動するかを理解するための重要なツールとなります。
3)「パーソナリティ」
これは性格的特徴や行動傾向性を指します。パーソナリティは、生まれつき備わっている性格や素質に加え、家族や生活環境、周囲との人間関係など、子どもから大人への成長過程で次第に形成されるものと考えられています。そのため、人によって考え方や行動に以下のような違いがあります。
「周囲に気を使う」⇔「周囲に惑わされずに行動する」
「物事をすぐに決めたい」⇔「決めるまでに慎重に行動する」
「計画好き」⇔「アドリブ好き」
「人と一緒にいたい」⇔「周囲に惑わされずに行動したい」
これらは、どちらかが「正しい・間違っている」ということはありません。しかし、自社の仕事や社風に「合う・合わない」はあると考えられます。たとえば、チームプレーを重視する会社なら「周囲に気を使う人」を採用すべきでしょう。逆に主体的に動くことを重視する会社なら「周囲に惑わされずに行動する人」を採用すべきです。
職種や仕事内容、社風によって、採用すべき人材のパーソナリティは異なります。
自社が求める人材像を明確にしたうえで、それに合った性格的特徴や行動傾向性を持つ人を採用していけば、採用後のミスマッチや離職を防ぎやすくなります。
面接のやりとりだけで応募者のパーソナリティを判断するのは、正直かなり難しいものがあります。パーソナリティの判定については、「SPI」などの適性検査(パーソナリティ検査)も活用する事をお勧めしますが、中小企業などのほとんどは、こんな適性検査さえも実施しないでしょう。
面接による主観的な判定の妥当性は2割未満と言われていますが、適性検査の妥当性は長期的には4割、その時点におけるものなら7割ぐらいの確率で出力できるとされています(長期的には、人は環境等によって変化していくので妥当性は下がります)。
いずれにしても比較的高い確率で応募者のパーソナリティを判定できると考えていいでしょう。適性検査も併用することによって、より自社に合った人材を採用しやすくなります。
2.その他、対応策として面接時に「自社」と応募者の話を半々にする
面接官のコミュニケーションスキルが、低すぎると難しいでしょう。「昭和丸出し」価値観の会話では、絶対にうまくゆかないが、これがまかり通っているから不思議です。
自社にとっての「いい人」を採用するためには、面接における大事なポイントがもう1つあります。それは「応募者の話を聞く」だけでなく「自社についての話もする」こと。優秀な人材を獲得するためには、これは特に重要です。
応募者に対して「自己紹介」「志望動機」「長所・短所」「将来のキャリアビジョン」などを質問するのと同じように、採用担当者も「自社の紹介」「募集理由」「強み・課題」「中長期的な経営戦略」などを伝えるようにしましょう。
面接とは、企業と求職者がお互いについて情報交換をする場。企業が「いい人」を求めているように、求職者も「いい会社」を求めています。企業がより良い人材を選ぼうとしているのと同じように、求職者もより良い企業を選ぼうと考えています。
優秀な人材は、特にその傾向が強いです。彼ら・彼女らは、やりたいことが明確にあり、それができる環境を探しています。ましてや今は、あらゆる業界が人手不足。優秀な人材を欲しがっている企業はいくらでもあります。自社についての情報提供を行い、しっかりアピールしなければ、優秀な人材ほど寄ってきません。
自社の情報を伝えたうえで「いかがですか、応募されますか」と尋ねると「でしたら、ちょっと違いますね」と辞退する人もいるでしょう。しかし「ぜひやってみたいです」と入社意欲を高める人もいます。自社にとっての「いい人」は、当然後者です。
面接が1時間だったら「自社の話」と「応募者の話」は半々ぐらいが理想的。それぞれが30分ずつぐらい時間をかけて情報提供を行い、「合う・合わない」の判断をする。そうすることによって、自社にとっての「いい人」を見つけやすくなります。また、採用のミスマッチや離職を防ぐことにもつながります。ぜひ参考にしてみてください。
最後に
良い人が集まらない要因の一つは、採用担当の人間性、能力も問題があることも多々ある。採用担当のレベルで問題の場合、なかなか差し替えが効かないのです。 なぜなら、幹部が担当しているからです。
採用活動の方法で、時代に合わない採用活動や、求職者とのミスマッチが原因で人材が集まらないこともあります。これらの原因を踏まえ、中小企業が直面している問題は、優秀な人材がそもそも少ないことと、それらの人材を見分け、惹きつけるための戦略が不足していることの両方かもしれません。
対策としては、労働条件の改善、採用戦略の見直し、多様な人材の活用(出社、退社時間の柔軟性)、教育体制の強化などが考えられます。また、AIやシステムの導入による生産性の向上や、アウトソーシングによる業務の効率化も有効な手段ですが、中小企業のレベルでは、費用の問題もあり難しい面も多々あるので、難しいでしょうか。
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コメント
参考になります。
特に面接でなくてもその人がどのような人が判断する為にも、
・「これまでに“やり遂げた”のは、どのようなことですか?」
・「目標を達成しなかったことはありますか? その原因は何でしたか?」
・「周囲の人をどのように巻き込みましたか?」
・「うまくいかなかったことはありますか? どのようにすればよかったですか?」
これをサラッと聞き出せれば、相手がどのようなサイクルで仕事が出来る人か判断できますね。
ロボットの世界では頭のネジが飛んでいようが、面白ければいいと考えています。
精進します。