【書籍紹介】細胞とはなんだろう 「生命が宿る最小単位」のからくり   武村 政春 (著)

2020年11月7日、
本日の書籍紹介は、細胞とはなんだろう 「生命が宿る最小単位」のからくり   武村 政春 (著) です。

講談社「ブルーバックス」シリーズの1冊ですが、自然科学系の書籍を読もうとすると、これが一番、手頃で読みやすいですね。 読みやすいと言っても、中々、難解な書籍もあります。

人体に、約37兆個存在する「細胞」のお話です。細胞の中には、どんなものが格納されているのか、高校の生物の授業を思い出しますが、生物の授業よりはるかに高度です。

細胞とはなんだろう 「生命が宿る最小単位」のからくり   武村 政春 (著)

目 次
プロローグ 細胞とはなんだろう
第1章 細胞膜──細胞を形づくる「脂質二重層」の秘密
第2章 リボソーム──生命の必須条件を支える最重要粒子
第3章 ミトコンドリア──数奇な運命をたどった「元」生物
第4章 細胞内膜系──ウイルスに悪用される輸送システム
第5章 細胞核──寄生者が生み出した真核細胞の司令塔
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まずは、細胞は細胞核の有無で、「原核細胞(核がない)」と「真核細胞」に分けられる。

人間の頭の中で云えば、「脳神経細胞(ニューロン)」の数は約1千億個、それを繋ぐシナプスの数は約100兆個ありますので、どうでしょう、多いのか少ないのか、よくわかりませんが非常に多くの細胞で人間の体が作られている事だけは確かです。 しかも、細胞で作られた臓器はそれぞれ機能は違うが、臓器同士は、ちゃんとネットワークでつながっているのです。これもまた不思議なのですが、今回のお話には含まれません。

1.細胞について学びながら、ウイルスについても学べる1冊です。

1)細胞とウイルスの関係

「細胞」について書かれた書籍ですが、ウイルスとの関係も詳しく記載されているのですが、ウイルスは、決して、無理やり細胞の中に入り込み、破壊活動(増殖)をするのかと云えば、そうでもありません。

なぜなら、ウイルスは、生物の中から飛び出した物質で、細胞の中に入って初めて生き物としての活動を再開します。 しかも、細胞の中にある器官をうまく利用して、自然に増殖できる仕組みをすでに持っているのです。 それがいかに巧妙なのかという事が書かれています。

人間で言えば、同じ人間なのに、頭(脳)の配線が違うので、人間の一番、弱い所、仕組みを利用して、相手を叩き潰す能力を持っているのです。

2)人間の脳神経細胞について

これが「脳の神経細胞のネットワーク」のCGです。

参照:脳の中を走る神経線維の束をデータから再現した「脳の神経細胞ネットワーク」
(岡田知久・京都大学/NHK)

人間の脳神経細胞の数は生まれた時が、大体MAXで3歳までに刈り込みされて減少します。3つ子の魂百までと言われているのでしょう。 刈り込みされて減少すると言っても、余裕の容量ですので、大丈夫ですが、やはり、頭を使わない「バカ」は脳神経細胞の数が足りないのでは決してなく、脳神経細胞の繋がり、つまり、ネットワークが繋がっていないのです。

アメリカのニューヨークの大学病院で、認知症(アルツハイマー)かかった人で、ある実験をすると、頭を使う頭の良い人と、そうでない人が、病気の進行を比較すると、頭が良い人の方が、悪い人より、進行が早いという結果が出たそうです。

そりゃそうでしょうね。
頭の悪い奴は、脳神経細胞のネットワークが発達していませんので、脳神経細胞が死んでも、影響が少ないでしょう。 ネットワークが繋がっていない、使っていないのですから、影響が無いのです。 実に羨ましい限りです。 影響が少ないのですから。

人間は、脳の機能(神経細胞のネットワーク)の数パーセントしか使っていないと云う説もありますが、そうではなく、広範囲に使用している様です。

よく、「脳みそが足りない」などと云いますが、そうではなく「脳神経細胞」の数が足りないのではなく、「脳神経細胞」同士が、頭(脳)を使っていないので「シナプス」で繋がっていないだけでしょう。

人間でも、他の「野生動物」の様に生きていれば、晩年、認知症(アルツハイマー)の影響をあまり受けないのです。 素晴らしいですね!!

世の中から、バカやアホが居なくならないのは、それなりに存在価値がちゃんとあるのでしょうね。

3)ウイルスが、生物の進化を決めるとき

細胞の中にある「ミトコンドリア」も、元はバクテリアが入り込んで「共生」状態になって居るという説もまります。 ミトコンドリアは、自分の「核」を持っていますが、オスの細胞の「核」以外の器官は受精する時に捨てられますので、当然、ミトコンドリアは、母方からしか受け継がれません。 ですので、ミトコンドリアのDNAを利用すると、どこから移動してきたのか調査できるようです。

受精卵をお腹の中で、育てる為の「胎盤」も、人間の先祖のネズミさんの時代(数億年前)にレトロウイルスに感染して、胎盤が形成されて、卵ではなく、お腹の中で子供を育てる仕組みができたと言われています。

ただ、ホモサピエンスの場合は、頭がデカくなりすぎると、産道を通れなくなるので、他の動物と違い、未熟のまま生まれざるを得ない状況になってしまったと言われています。

 

4)生き物は、遺伝子に左右されて、色々なタイミングで、進化するのですが、一番大きな変化を起こすのは、やはり「ウイルス」のおかげではないでしょうか。

世の中に、頭の配線がおかしい人が居て、こんな人が排除されずに世の中に生き続けているのは、排除されない理由がちゃんとあるのではないでしょうか。

何を言っているのか分からないと思いますので、はっきり言うと、発達障害、人格障害などの症状を持った人たちの事です。 このような人たちは、何千年の昔から排除されずに居るのです。
こんな、人と同調、共感できない人間がいるお陰で、負の部分(戦争を起こす)を生成する人間も、もちろん居ますが、「イノベーション」を起こす人は、こんな「変な」人が多いように思いますし、こんな人でないと起こせないのでしょう。

 

遺伝子が、生物の体の中で、生存して生き延びる為の戦略というか、誰が作ったのか、巧妙に出来上がったシステムでなないでしょうか。

変化を止めると滅びるので、常に、少しづつ、時には大胆にウイルスが入り込んで変化する、宇宙空間、地球上の環境で生存する為の戦略があるおかげで、生き延びている様に思います。

この地球に、何億年も存在した「恐竜」が滅んだように、たかが数十万年しか存在していない人間(ホモサピエンス)が滅んでも、全然、おかしくないので、例え、人類が滅んでも、また違う生き物が、出現して、暫くの間、生存を続けるのです。

 

追記> 新型コロナウイルスの蔓延
コロナ禍の中、札幌も寒くなり、当然の様に感染者数が増加していますが、他の都市と比較しても、かなり多いのではないでしょうか。もう少しで、誰が、感染してもおかしくない状況に入って来るでしょう。もちろん、PCR検査の数にもよりますが、蔓延しているのは確実でしょう。

東京都の人口と札幌市の人口の人口の比率を計算に入れればを、感染者数の割合で言えば、札幌の方が遥かに多いのですが、PCR検査の数にもよりますの何とも言えません。

私などは、「すすき野」などには、3年に1回くらいしか行きませんので、すすき野でクラスターが発生したところで関係ないと思いますが、感染しても無自覚者が大勢いる中では、すすき野で遊んだ人が、どんな仕事をしているのかまで分かりませんので、どうしようもありません。

感染しても、症状が出ない人がほとんどですので、始末に悪いのですが、ここまで来ると、毎年のインフルエンザの流行と同じでしょう。 ビクビクしている奴は、勝手にすれば良いだけです。

 

追記2>  脳オルガノ(ヒト幹細胞を使い、実験室で脳細胞を培養、成長させてたもの)
新型コロナウイルスの研究においても、脳や神経系への影響を調べる為に「脳オルガノ」を使った実験が行われています。

この「脳オルガノ」に電気信号のパターン(脳波)が現れるそうです。こんなものを培養して、とんでもないものが出来なければ良いのですが、何が起こるのか分かりませんので、ちょっと怖いですね。

ただ、脳神経細胞だけで、何かが起こる、意思を持つことは無いでしょうが、信号を出すと云う事は、本物の脳と同じような機能を発揮しようとしているのだけは確かです。

 

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