【区別が難しい神経疾患について】 「発達障害」と「人格障害」の症状と違いと併存症状について

2023-06-28、
本日のお題は、最近は、脳の配線の違い、特に「ニューロ・ダイバーシティ(神経多様性)」について障害の名前はちゃんと覚えてきたが、実際、被ると云うか、重複する要素が多すぎて、その障害がどっちに該当するのか、わからん事が多々あるのです。

最近は、訳の分からない、頭おかしいなんじゃないのと思える事件が、多く、首を傾げたくなる様な事が多いのです。ヒトは自分の意思だけで行動していると思っていたら大間違いなのです。 脳の活動エネルギー消費の75%は無意識の状態なのです。

そこで特に分かりにく、区別が難しい神経疾患について、どの様に違うのかを理解してみたいと思います。
見分けは、非常に難しく分かりにくいのですが、ポイントを押さえておけば、大きな間違いは起こさないでしょう。

▮ニューロ・ダイバーシティneurodiversity)は、
教育や障害に対するアプローチであり、様々な神経疾患は普通のヒトゲノムの差異の結果として現れるということを認識すべきです。

 

1.自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠陥多動性障害(ADHD)の7つの違いは? 

こだわりや多動はどちらの特性?症状の比較と併存症状について
自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠陥多動性障害(ADHD)は、両方とも神経発達障害の一部であり、一部の症状が重複することがありますが、いくつかの違いもあります。以下に、ASDとADHDの7つの主な違いを示します。

1)社会的相互作用とコミュニケーション:

・ASDの主な特徴は、社会的相互作用やコミュニケーションの困難です。ASDの人々は、他者との関係を構築することや、非言語的なサインや表情を理解することに苦労することがある。

・ADHDの人々は、コミュニケーションに問題はありませんが、注意力や集中力に困難を抱える傾向がある。

2)興味やこだわり:

・ASDの人々は、特定の興味やこだわりに対して強い関心を持つ傾向があります。彼らは特定のトピックに集中し、それについての深い知識を持つことがある。
・ADHDの人々は、興味やこだわりが一時的で頻繁に変わることがある。

3)情報処理:

・ASDの人々は、情報処理のスタイルに特徴があります。彼らは細かいディテールやパターンに注目し、全体像を見落とすことがある。
・ADHDの人々は、情報の取り扱いに難しさを感じることがありますが、主に注意力や集中力の問題が原因です。

4)コミュニケーションの特徴:

・ASDの人々は、非言語的なコミュニケーションの特徴があります。彼らはしばしばジェスチャーや表情を理解するのが難しい。
・ADHDの人々は、コミュニケーションに問題はありませんが、発話や情報の整理に困難を抱えることがある。

5)多動性:

・多動性は、ADHDの主な症状です。ADHDの人々は、静かに座っていることや適切な行動を取ることに困難を抱え、より活発で動き回る傾向があります。
・ASDの人々は、多動性を示すこともありますが、それはASDの典型的な特徴ではありません。

6)注意力と集中力:

注意力と集中力の問題は、ADHDの主な症状ですが、ASDの人々も注意力に困難を抱えることがあります。しかし、ASDの注意力の問題は、主に興味や関心の範囲が狭いことによるものであり、ADHDのような持続的な注意力の欠如とは異なります。

 

7)併存症状:

ASDとADHDは他の症状や障害と一緒に現れることがあります。
一般的な併存症状としては、不安障害、うつ病、学習障害、感覚過敏、睡眠障害などがあります。ただし、併存症状は個人によって異なる場合があります。

これらの違いを理解することで、ASDとADHDの特徴を区別することができます。しかし、診断や治療には専門家の指導が必要です。

 

2.自己愛性パーソナリティ障害とは? 特徴やタイプ、境界性パーソナリティ障害との違いって?

1)パーソナリティ(人格)障害の人の全般的な特徴

通常、自分の特徴的な行動パターンがうまくいかない場合や不都合な結果を招いている場合には、ほとんどの人は、自分の反応パターンを変えようと試みるものです。しかし、対照的に、パーソナリティ(人格)障害の人は、自分がとる反応のパターンが繰り返しうまくいかない場合や不都合な結果を招いている場合でも、そのパターンを変えようとしません。

そのようなパターンは、状況に応じて調節(適応)されることがない為、不適応と呼ばれます。不適応な行動パターンの重症度と持続期間は様々です。

このように、普通の人と違うのは、自分の世界の認識と、他人の認識の違いに気が付かないのです。ですので、反省するのも困難でしょう。「知能」が低くて、脳の認知機能が「低い」と云うより、「狂っている」ために、発生していると考えた方が分かりやすい。

原因
パーソナリティ障害は、単に性格の問題では無く、「生まれ持っての脳の特性」、「幼少期のトラウマ」、「劣悪な環境」、「育て方」に影響を受けていると云われていますが、いまだ、はっきりと原因や因果関係が分っていないのが現状です。

 

▮『精神障害の診断と統計マニュアル』(DSM)により分類

アメリカ精神医学会によって10種類に分類され、自己像(セルフイメージ)と他者やストレスに対する反応のパターンに、それぞれ特徴的な問題がみられます。更に、大きく3つのグループに分類されています。

その中で、B群(クラスターB)、劇場型 (dramatic type)の分類で、感情の混乱が激しく、ナルシスティックで演技的で情緒的なのが特徴的。ストレスに対して脆弱で、他人を巻き込むことが多い。

この分類には、極めて危ない反社会性パーソナリティ障害、境界性パーソナリティ障害(BPD)、演技性パーソナリティ障害、自己愛性パーソナリティ障害などが分類されている。

自己愛性パーソナリティ障害(Narcissistic Personality Disorder)は、パーソナリティ障害の一種であり、一連の特徴的な行動パターンと思考スタイルを示す精神的な疾患です。以下に、自己愛性パーソナリティ障害の特徴、タイプ、および境界性パーソナリティ障害との違いを説明します。

2)自己愛性パーソナリティ障害の特徴:

  1. 自己中心的な態度:
    自己愛性パーソナリティ障害の人々は、自分自身に強い関心を持ち、自分の利益や優越感を追求する傾向があります。彼らは自分自身を特別で特殊な存在と考えることが多いです。
  2. 自己顕示欲:
    自己愛性パーソナリティ障害の人々は、注目や称賛を求め、自分自身を他人に誇示することに執着します。彼らは自己評価を高めるために、成功や優れた特徴を強調する傾向があります。
  3. 対人関係の困難:
    彼らは他人との関係において、利用や優越感を示すことがあります。他人を利用して自分の目的を達成しようとすることがあり、共感や思いやりに欠けることがあります。
  4. 自己肯定感の脆さ:
    自己愛性パーソナリティ障害の人々は、自己評価が脆弱で、他人の批判や否定的な評価に敏感です。一方で、自己肯定感を維持するために、自己陶酔的なファンタジーに頼ることがあります。

 

3)自己愛性パーソナリティ障害のタイプ:

自己愛性パーソナリティ障害にはいくつかのタイプがありますが、一般的には「脆弱型」と「グランドイオウ型」の2つに分類されます。

  1. 脆弱型:
    脆弱型の自己愛性パーソナリティ障害では、自己肯定感が低く、自己評価に対して非常に敏感です。他人の批判や拒絶に強く反応し、自分自身を守るために自己防衛的な態度をとることがあります。
  2. グランドイオウ型:
    グランドイオウ型の自己愛性パーソナリティ障害では、自己肯定感が非常に高く、自己評価を過剰に強調します。自分自身を優れた存在と見なし、他人を軽蔑することがあります。

 

4)境界性パーソナリティ障害との違い:

境界性パーソナリティ障害と自己愛性パーソナリティ障害は、どちらもパーソナリティ障害の一種ですが、いくつかの違いがあります。

  1. 自己中心性と関係の特徴:
    自己愛性パーソナリティ障害の人々は、自己中心的で他人を利用し、優越感を示す傾向があります。一方、境界性パーソナリティ障害の人々は、対人関係において不安定で依存的な傾向があります。彼らは他人に対して強い恐れや不安を抱え、関係  の安定性に困難を抱えることがあります。
  2. 感情の不安定性:
    境界性パーソナリティ障害の人々は、感情の浮き沈みや急激な感情変動を示すことがあります。一方、自己愛性パーソナリティ障害の人々は、感情の安定性には特に問題を抱えることはありません。
  3. 自己評価の脆さ:
    自己愛性パーソナリティ障害の人々は、自己評価が脆弱で批判に敏感ですが、境界性パーソナリティ障害の人々は、自己評価の不安定性や自己イメージの歪みを示すことがあります。

これらの違いにより、自己愛性パーソナリティ障害と境界性パーソナリティ障害は異なる特徴を持つことがわかります。

 

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