そろそろ内定をもらう時期に来ていて、なんでも、今年は「売り手市場」になっているらしいのですが、それでも、まだ売れ残っている人も居るでしょうね。
就職活動をしている学生さんたちと話をする機会があるのですが、各社、新卒選考時や、中途採用をするときも、採用側から、よく聞きます「良い人が欲しい」。。。と、さて、「良い人」ってどんな人なんでしょうか?
簡単に言えば、「良い人」は、会社組織にとって都合の良い人です。
じゃ、会社組織にとって「都合の良い人」って、どんな人?
会社は組織で動くのですが、そこで働くのはロボットではありません。こいつとなら一緒に働けるかどうかです。 新人のくせにクソ生意気だったり、自分の事しか考えていない奴、協調性が無い奴など、チームの中に入れて一緒に仕事をしたく無い奴かどうかです。
新卒の学生さんたちに、「良い人」ってどんな人か、分かる?。。。と聞いても、ちゃんと答えることのできない学生さんが殆どです。 まあ、これは無理もありません。
入社して、どんな仕事を、どんな人たちと、一緒にするのかを想像することができれば、大体、見当つくのでしょうが、やはり、組織の中で、働いたことが無いと、想像できないのかもしれません。学生時代のように、サークルや仲の良いお友達とだけ付き合うわけにはいきません。
就活してい学生さんは、まあ、この様にちゃんと答えられななくても、しょうがない部分もありますが、しかし、採用側も、この「良い人」とはと聞いても、結構、漠然としていて、「素直な子」、「意欲のありそうな子」。。位しか出てきません。
Sponsored Links
1.10分や15分の面接の中の会話で、何が分るのか?
就活中の「女子学生」さんたちと話をする機会があるのですが、面接で、面接官が何を知りたいかわかる? と女子学生さん達に、聞くのですが、よくわかっていないようです。
業種にもよりますが、「ちゃんと職場の中で、上手くやってゆけるだろうか。。」という漠然とした、でも大切な「能力」を見ているような気がします。どのくらい社会に関心があるかなど、質問の受け答えでわかるのは、そんなに多くないのです。そして、一番、得をしているのは、短時間の会話の中で、人柄をちゃんと、自然に出せる子のようです。
1)「人は見た目が100%」か
「人は見た目が100%」などと云いますが、面接官は、そこまでバカではありません。しかし、そんない多くの事が、分かる訳でもありません。
では、初対面の人にでも、「好印象」を出せる子は、どんな子なんでしょう。
私が、いつも行く飲食業界のお店には、アルバイトの女子大生たちが大勢いるのですが、やはり、その子によって、すぐに親しくなれる子と、少し時間がかかる子、かなり時間がかからないと分からない子が、歴然と存在します。
ここで、すぐに親しくなれるか、なれないかで、その子が良い子かどうかの判断も、なかなか難しいのですが、時間がかからない子の方が得なような気もします。用心している子より、人懐っこい方が、やはり有利ではないでしょうか。。。
そんな意味において、学生時代に、飲食業界などでアルバイトをするのは、勤務したその会社にもよりますが、大いに社会勉強になることも多いと思います。何故なら、私の様な「めんどくさい」オヤジでも、ちゃんと相手にできる子、捌ける女子は、やはり、内定をもらうのは速いように思います。慣れるまで、身構えて、なかなか自分を出せない子は、ちょっと苦労しているような気がします。
2)面接時間の長さ
女子の場合ですが、ある子は、そんなに時間がかからず、面接が終了した。 また、他の子は10分か、15分なのに私の場合、1時間も面接時間がかかったなどと。。。。
<時間が短い場合>
面接官が、興味を持てない子、感心の薄い子は、定時間内で、質問もあまりされず終了するでしょう。
<時間が長い場合>
あ、この子良いなと、面接官が関心を持つと、多分時間が長くなる様に思います、逆に、何だこの子?と思った時は、説教好きな面接官は、時間を取る場合もあるようです。
自分を否定されたり、あまり興味を持たれず、すぐ面接が終わったりと、へこんで帰ってくる子たちには、大いに、励ましています。
「今度、キャラを少し変えて面接しようかな」とか言ってくる子がいますが、そんなときは、「どうせ、作ってもすぐばれる。素直に、そのままで行け」とアドバイスします。
大体、何故ダメだったか、反省しても、もう「遅い」場合が殆どなのです。 準備不足とかの問題では無く、あなたの人柄ですので、すぐに直せるものではないのです。
3)「人は、自然に出せる人柄が100%」です。
1週間程度の準備では、到底、賄えない事柄です。 これは、その子の個性もありますが、家庭での育てられ方による影響も、結構あると思います。
■極端な例かもしれませんが、会った瞬間に分かりやすい子、「社会性の無い親」に育てられれば、同じように難しいでしょう。
■裏と表がある子、警戒しているのとは違い、目つき、態度で、大体わかるでしょう。
■スマホなどでSNS使い、結構、「みみ年増」なんだけれど、新聞も読んでいない、もちろん書籍も読んでいない、だから、持っている情報が表面的、薄っぺらなのが、話をしている内にバレてしまう。
就活をする準備なんて、本当は、今の時期では、もう何もないのです。 あなたそのものですので、準備をする必要も無いのです。
面接する会社のこと、その業界のことなど、調べようとしても、そんなのすでに務めている社員に聞かないと、会社の中の組織の雰囲気なんて、つかめるはずも有りません。せいぜいIR情報を見るしか手はありませんよね。
4)ある中小企業のクソ経営者ですが、こんな奴も居ます。
採用する時、「きれいな子(美人)は採用しない」と。。。なぜなら、結婚してすぐやめてしまうから、なるべく「気が強くても良い、やる気のありそうなブスを採用する」と。。。
とんでもないことを言うと思うでしょうが、これが、結構、当たっていて、十年以上勤めて、なかなか辞めないで、バリバリ仕事ができる「おばさん」(失礼!)が多いのです。 地方に、小さな支店を複数所持っている会社の女子事務員の場合ですが。。もう会社にとっては、結婚できなくても、一人だけでも、辞めずにバリバリ仕事ができる方が、何よりも都合がいいのです。 そんなに会社の「待遇」が特別良い訳でもないのに、辞めずにバリバリ仕事をしてくれるのです。
この話は、男女差別が入っていますので、あまり、言ってはいけないのですが、男社会ですので、この様なことが歴然と残っていて、現実に使える事務員になって居るのが、これも事実でしょう。
会社の規模、業種によっても、求められるものが、全然、違うのです。ですので、自分に求められているものは、何なのか? くらいの想像力が必要です。
5)最近は、内定を出そうと考えている子を食事会、飲み会に誘う場合が、あるようです。
企業側としては、採用対象者の事をもう少し知る上と、留めるためには、必要な行為なのかもしれません。普段の姿を観るのは、酒飲んでいるときと、飯を食っているときが一番かもしれませんね。
「スタバ女子」で、国立大学の大学院の「リケ女」なのですが、大手のコンサル業界の会社から、内定をもらいましたが、まだ、就活を続けるといって張りきっている子も居ます。
IT系の仕事がしたいと言うので、これからは、人工知能、ゲノム編集の時代だから、ベンチャーでもいいから、どこか無いか探してごらんと云いましたが、「私、お金持ちになりたい!!」と。。。。珍しいことを言う子で、旦那ではなく、自分の力で「お金持ちになりたい」なら、スキルを身に付けて、可能性に賭けて、自分で起業するしかないと。。。。
私の場合、色々な人に一緒に起業しようと誘われたことが、何度もありますが、気が小さいので、すべてお断りしています。 「失敗して借金を抱え込むのだけは、絶対に嫌ですので。。。」賭けに出ることは、これからもないでしょう。
「ホリエモン」の様に、失敗しても、殺されずに、それまで、密かに、ため込んだ「金」があれば、何とかやっていける姿を見て、すごいと思いますが、次元が違い過ぎますので参考にはなりません。
6)最近は、「発達障害」に近いと云うか、グレーゾーンの子が多いのですが、その扱いについて
これは学生も、新社会人も同じなのですが、グレーゾーンの「発達障害」を抱えた子などに多いのですが、親元から通っている時は、何とか大丈夫なんですが、一人暮らしを始めると、自分の身の回りの事さえも、全然、できなくて、生活が破たんしてしまう場合が、かなりの頻度で起こります。
最近は、「発達障害」に近いと云うか、グレーゾーンの子が多いのですが、これを見抜ける面接官は少ないでしょう。むしろ、米国のシリコンバレーに勤めるIT系の人間たちの様に、アスペルガー(ASD:自閉症スペクトラム症)を抱えた人間の方が、いい仕事をする場合も、職種によっては、十分考えられます。
今や、雇う側も、このも問題を認識していないと、駄目な時代なんですが、如何せん、認識が幹部の中で進んでいませんので、現場に配属されて、現場の人間たちに任せっきりになります。
仕事の指導の仕方も、このような子達は、ちょっと、違った指導の仕方をしなければならないのですが、普通の子と同じように扱ってしまい、後から問題になります。
学校教育の中で、「発達障害」、「人格障害(パーソナリティ)障害」、「愛着障害」を教えていません。でも最低でも、この3つくらいは、会社に入った時点でも良いので、教育する必要があると思います。 増してや、幹部クラスの方が、この様なことを知らないでしょう。
「変な奴」くらいのレベルでしか、認識していない。
完璧に、「発達障害」などに、はまっている人は、分かるでしょうが、この障害は、スペクトラム、と云うか、白と黒のグラデーションだとすれば、限りなく黒に近いのか、グレーなのか、色々な状態に居る方が居ますので、会社の「コンプライアンス」を考える上にも必要な知識になると思います。
これが、分からないで、人を採用すると、一番困るのが、現場のスタッフたちです。下手すると、仕事のモチベーションまで下がってしまいます。
ですので、これは経営者、経営幹部、社員の認識を合わせておく必要があります。このような人を排除せずに、上手く社会人として能力を発揮させることのできる会社は、懐の深い会社組織ではないでしょうか。
こんな事さえも認識できない、ほぼ全員「バカ」の会社もありますが。。。。。
2.私が思う「良い人が。。欲しい」の「良い人」って、何?
ただ、自分の会社ではありませんので、こんなことは言いませんでしたが、今、もし会社を経営していて、若い人を雇い入れる時に、こういうでしょう。
1)どこの学校を卒業したかで、大体、「偏差値」は分かりますので、「学力」の違いは想像がつきますと。
ただ、社会に出るまえに、社会的な常識が、どの程度、付いているかは、質問すれば、隠そうとしても、すぐばれてしまいますと。。。
会社以外に、「社会」に対する関心も薄いと、就職してからも、同じように感心が薄いでしょう。そうすると、まあ、良くて、中の事務仕事くらいはできるのだか、外に出すのが少し不安になる子がいます。
いまどき、「意識高い系」とか揶揄されていますが、「意識高い」のは当たり前のことです。
これだけ情報が溢れている時代に、「幼稚園児」ではないんですから、色々な「社会問題」くらいは、聞かれたら、ちゃんと自分の意見を言えるくらいでないと。。。
2)そんなに、するどく「人間観察」ができる、面接官は居ないと思っても、大丈夫です。
私も、昔、IT系の中小企業に勤めていた時に、何度も、面接をした経験があります。
どの「業界」に就職するのかによっても、求められるものが、大きく変わってくるでしょう。
私の失敗談として、ある仕事をしてもらうために、中途採用をとる場合、気を付けなければならないのが、仕事はできるのですが、一人暮らしで、朝も起きることができなく、私生活が、全然ダメな子を採用してしまうこ事です。
採用したは良いが、客先に出向させると、客先から電話がかかってきて、「お宅の会社の人間が、まだ出社していないのだけれど、どうなっているの?」になってしまい、当時、携帯電話も普及していなかった頃、何度、朝、車でアパートまで出向いたことか、とんでもない事になります。
本当は、採用後、しばらく社内で勤務させて様子を見ればいいのですが、余裕のない場合は、すぐに客先に出してしまう場合があり、とんでもない事になってしまいます。
3)この会社にずっと、しがみ付く必要はないと。
引き抜かれるくらいの力が付いて、辞めたくなって、もっと「金」が欲しければ、私の所に交渉しに来なさいと言っていました。
よく「転職」と云うけれど、職を変えなければ、転職ではないでしょ。「転社」でしょう。
以前、務めていた会社は、IT系の会社ですので、毎日、残業が続き、疲れ果てて、嫌になる若手の社員も沢山いましたが、飲みに連れてゆき、よく言いました「いつ辞めても良いが、どうせ辞めるなら、この会社で、せっかく給料を貰っているのだから、その中で自分のスキルを磨いてから、辞めても遅くはない」と、「楽な職場に云っても、自分のスキルを磨くという考え方が無いと、どこへ行っても同じだ」と。。
私も、御多分に漏れず、ガチガチの「SE」でしたが、ある時、女社長に呼ばれて、「あんた、そろそろ、パソコンにしがみついてばかり居ないで、外に出なさい。外の仕事もできる様になりなさい」、「いつまでパソコンにしがみついている気?」と。。。。後に思うのですが、外に出されたことを感謝しています。
もう、当時、本当に営業絡みの仕事は嫌でした。 本当に辞めたいと思いましたが、この理由では、決して止めませんでした。
大きな会社ですと、出世せず、一生、現場で終わることもあるでしょうが、中小企業ですと、現場を離れて、管理職になる機会が多いでしょう。 私の様なダメ社員でも。。。ですので、社員を定年退職するまで、同じ仕事をさせておくことはできないのです。特に男子は。
大きな組織では、現場の仕事から、管理の仕事をするようになると思います。どんなに専門職でも、この様な立場になった時、その力がちゃんと発揮できるかどうか、その才能も有るかどうか、会社側としては、経営を続けるためには、人や物を引き継いでいかなければならない宿命がありますので、人を見る時に、どうなるか分かりませんが、この点に「希望」を見いだせるかどうか、ちゃんとした子かどうか、信頼できそうかどうか、どうしても観察してしまうでしょう。 ハズレかもしれませんが。。。。
4)大事なことは、社会に出て、組織の中に入っても、仕事はもちろん、その他の事も、自分でちゃんと勉強する、気概、意欲を持っているかです。
つまり、田舎の爺ちゃん、婆ちゃんみたいに、仕事が終わって、家に帰り、風呂に入って、飯食って、テレビやスマホ、パソコンで、バカ動画を観て、馬鹿笑いして、糞して寝るだけの生活をし続けても、自分自身に、何も疑問を持たないような、考え方をしているような人間は必要ないと。。。
一見、仕事のスキルと関係ないように考えがちですが、そうではありません。
どんなに専門職で有っても、その仕事しかできない「職人」は要らない。 成長が止まらない「エンジニア」が欲しいと、はっきりと言います。
よく医者になろうとする人たちは、「一生、勉強する気概がないとだめ」と言われていますが、これは医者だけではないと思います。 金(給料)をもらって働いている以上は、知識集約型の労働でなくても、必要なことに思います。
公務員になり、言われたことだけ、できれば良いや。。。と考えて、定年まで、給料をもらって、退職してゆく、生活を送れる人、民間企業で、いつ倒産するか、分からない会社に、何も考えず、しがみついている人生を送るか。
人生、選択の連続ですが、あとで困らないように、会社に雇ってもらわなくても、自力で仕事を取って、稼ぐくらいの能力を、「飼い犬」のうちに、身につけておくことも、必要な時代になってきているのではないでしょうか。
就職、就職と選択肢が一つしか無いような考え方しかできないと、一生、「飼い犬」から抜け出すことはできません。
たとえ、「飼い犬」から抜け出せなかったとしても、経営者的な感覚で、常に仕事をしていれば、「飼い犬」のトップの方にのし上がる可能性は、十分にありますよね。
「飼い犬」から、抜け出す野望をもった、若者がたくさんいれば、もっと労働市場も変化するのでしょうが、まあ、今年は、売り手市場ですので、とりあえず、良しとしますか。。
—関連記事—
・【面白記事】「ゆるい大企業」を去る若手たち。ホワイトすぎて離職?働きやすいのに“不安”な理由
・【面白記事】最新の脳研究が明かす「頭がいい人、悪い人」は何が違うのか 単純ではなく、脳科学的にも興味深い内容です。
・【書籍紹介】 ジェンダーと脳――性別を超える脳の多様性 女脳/男脳は存在しない ダフナ・ジョエル(著)
・【書籍紹介】2015年 夏休み 読んでおきたい書籍14冊 人工知能、脳科学、遺伝子・生物学、人類学
・【社会学?】日本の社会はどうなっているのだろう? 社会構造と個々の脳の配線状態 2021年3月に考えてみる。
Sponsored Links
コメント