2016年9月16日、
ルポライター鈴木 大介さん「貧困に喘ぐ人と「支援者」がすれ違う根本理由」の記事を読んで、支援の難しさについて
先日、日本で、「引きこもり」の人が、全国に54万1千人いるという。。。。この状態はなぜ? 出会い系のシングルマザーたち―欲望と貧困のはざまで」( 著)の中で、下記の様ことが記載されていると紹介しました。
僕は出会い系サイトで売春することで生計の足しにしているシングルマザーという、極端な隘路に迷い込んだ女性たちを取材したが、彼女らは目も覆いたくなる ような貧困状態にありつつ、ほぼ精神科通院中か通院歴があり、そしてやはりほぼ全員がDVを主因とした離婚の経験者だった。
脳のトラブルの結果として陥る貧困というものがあること。そして貧困状態の継続は、その脳のトラブルを悪化させるということ。そしてそうした当事者の痛みや苦しみは、見えない、理解が非常に難しい(自身が当事者になってみるまでわからない)ということだ。
1.「定型発達者」と「非定型発達者」
そして、今回、「貧困に喘ぐ人と「支援者」がすれ違う根本理由」の冒頭で、下記のように、支援の難しさについて、もう一つ、大切な角度から、記載されています。
第1に、貧困をバックグラウンドにした虐待や育児放棄などの過酷な生育環境は、「非定型発達者」を生む。
第2に、その非定型発達者の中には社会的排除を受けがちなパーソナリティがあり、結果として彼らの貧困リスクは高く、そこから抜け出しづらい。
第3に、そんな環境を要因とした高い貧困リスクを抱える者たちには、脳卒中者へのリハビリ医療を発展させたような「脳の発達支援的なケア」が効力を発するのではないか。
ここで、言っている「非定型発達者」とは、生まれつき発達障害を持った人たちと、劣悪な生育環境により生じてしまった人たちがいるとすれば、どちらかと云えば、後者のことを指しているのではと思います。
2.「マイルドヤンキー」と「意識高い系」の共通点?
なぜ?貧困の問題が「脳科学」関連しているかというと、
「マイルドヤンキー」の方々と、「意識高い系」の方々には通じるところがあるな、と感じたので、今朝はそのことについて書いてみたいと思う。
共通する点とは?
昨日ふと思ったのは、「意識高い系」の方々は、グローバル化や英語、向上心という物語を「コンフォートゾーン」として、そこに安住しているという意味では、「マイルドヤンキー」の方々とそんなに変わらない、ということである。そう考えると、いろいろ腑に落ちた。
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変化しているか、それとも安住しているか、という視点から見ると、「マイルドヤンキー」と「意識高い系」には共通点があるのだと思う。変化を志向する人は いつもざわざわして、ごつごつして、そのざわざわ、ごつごつにこそ、自分のアイデンティティをすり減らし、育てていくダイナミクスの本質がある。
この「脳科科学者」とは思えない発言で、ちょっと戸惑います。
”変化しているか、それとも安住しているか、という視点から見ると、「マイルドヤンキー」と「意識高い系」には共通点があるのだと思う”。。。。
「マイルドヤンキー」と「意識高い系」の共通点を求めて、そこに何があるのか、どんな意味があるのか? だから何なんだ?。。。。という事です。
「マイルドヤンキー」と「意識高い系」との間の、このような「共通点」を見つけても、本質とは、なんの関係もない部分ではないかと思います。
何故なら、「マイルドヤンキー」と「意識高い系」の本質は、おバカかどうか。。と云い違いだけでしょう。
変化しているか、それとも安住しているか、という視点で云えば、人間の「脳」の生存をかけた、いわば、本能に基づく部分の問題で、「マイルドヤンキー」と「意識高い系」の共通点として持ってくるのは、ちょっと、比較対象が違うのではと思います。
ましては、一番わかっているはずの「脳科学」を研究している人が、共通点として、これを上げるなら、他の色々な項目が、共通点として当てはまってしまいます。
茂木 健一郎氏の
「変化しているか、それとも安住しているか、という視点で云えば、人間の「脳」の生存をかけた、いわば、本能の部分で、「マイルドヤンキー」と「意識高い系」の共通点と云っているのですが、そこで比較対象に「マイルドヤンキー」と「意識高い系」を持ち出すことが、なんとも、トンチンカンです????
3.人間の「脳」の特性
茂木 健一郎氏の記事は、もう、このくらいにして、
に話を戻します。なぜ、茂木氏の記事をわざわざ取り上げたかというと、人間の「脳」には面白い特性が、沢山あるからです。
例えば、貧乏人が、数億円の宝くじに当選すると、人生が狂ってしまう(もちろん、狂わない人もいる)。
なぜか? いつも金が無く、貧乏な人が、大金をを持つと。。。精神(潜在意識)が不安になる。 いつも持っていない物(金)を持っていると、脳が不安になるのです。
ですので、すぐ、使ってしまい、元の何もない状態に戻ろうとする。そしてお金がすぐ無くなってします。 そのうち、慣れてくるころには、お金が少なくなっているのに、頻繁に金を使おうとする。だから破綻する。
「悪銭、身につかず」と云うのもあります。
この様に「脳」は、不安を解消すべく、潜在意識の中で、安定すべく、持っている金をどんどん使おうとさせます。
金持ちは、いつも「金」を持っていることで、精神が安定していますので、金を使いません。使うと、脳が不安になりますから、 だから、金持ちは、ケチに見えるのでしょう。
ですので、脳は、「変化しているか、それとも安住しているか」と云うと、変化することを嫌いますので、元の位置に戻ろうとする性質を持っていると云っていいと思います。
このくらいの「脳」の特性は、茂木 健一郎氏なら、百も承知なはずですが、なぜ、共通点として持ち出すのか? 意味不明でした。
4.貧困の多くは「脳のトラブル」に起因している
貧困の多くは「脳のトラブル」に起因していると記載していますが、大きく分けて言えば、貧困リスクの高い者には、生まれつき(先天的)もった障害と、生まれてからの成育環境の中で受けた心的外傷などを持った人たちが、いると思いますが、この後者の人たちを支援するのが大変難しいと云っています。
一人の取材対象者を例に挙げて記載されています。
DV彼氏の下を脱出して、キャバ嬢時代の元客の20歳年上の予備校講師と結婚したが、DV彼氏との生活に、戻ってしまいます。。。。
「なぜトラブルまみれの人生に戻るのか」。。。。
「非定型発達者は非定型発達者同士のコミュニティの中にいるかぎり、比較的高いQOL(生活の質)を感じながら生きることができる」ことである。
という言い方もできますが、
生育環境により、「脳」が、下記のような「状態」になってしまう場合もある。
これは私の聞いた話ですが、例えば、合コンなどで、幼少期に虐待やネグレクト(放置)を受けた子は、普通の子には目もくれずに、同じような境遇の男性を「嗅覚」でかぎ分けて、見つけて、くっ付いてしまう傾向があるようです。
愛されたいために、普通の男性には目もくれず、ダメな男を見つけだし「私が居なくてはダメ」的な男を選んでしまう。
そう、「自分の存在価値が、誰かの役に立っていないと見いだせない」という感覚になっている。だから「クズ」を選んでしまう。そして、DVをまた受けても、「共依存」の関係に陥っているので別れられなくなったり、「クズ男」と別れたとしても、また同じことを繰り返してしまう。 傍から見れば、すぐに別れればいいが、幼少期に愛情を受けずに、虐待やネグレクトの中で育った子は、クズ男を自ら引き寄せてしまう傾向があるようです。
5.人類進化の中で
何かの書籍で、人類(ホモサピエンス)がアフリカを出て、新天地を求めて、地球上を移動したのは、気候変動だけではなく、今で云う処の「発達障害(ADHDなどの)」に似た「脳」の特性を持った人類が、変化を求めて、世界中に移動していったからだとも言われています。
世界の偉人や、世界的に有名な経営者なども、先天的な「発達障害」を持った方が、たくさんいます。
いつも思うのは、「発達障害」の「障害」は、人が通常持っている脳の機能的特性のバラツキではないかと思うのです。このバラツキが、普通の人間より、バラツキの幅が、ちょっと大きい部分があるだけで、決して「障害」では無いように思います。
この様な人間が、存在したから、人類は、良きにせよ、悪しきにせよ、発展・進歩してきたように思います。
6.どこまで支援の手を差し伸べれば良いのか
生まれてからの生育環境の中で受けた心的外傷などを持った人たちを「非定型発達者」と云うなら、やはり、「脳」の特性の問題で、「定型発達者」のように生活して、脳が不安を感じないような、「発達支援的ケア」が必要だが、支援する側も、一番大切で、大事な問題まで理解していないとも、言っているのですが。。。。
たぶん、こう言うと、「本当に求めている人のみ、救済の手を差し伸べればいいのでは」という意見もあります。
確かに、絶対的貧困で、食べ物も教育も受けられないアフリカの子供たちに救援のてを差し伸べても、何人の子供が、援助を受けて、教育を受けて、貧困から抜け出したのか、その数は不明です。
劣悪な環境で育った「非定型発達者」にとって、脳が、そこでフィックスしてしまうと、そこから抜け出そうとする気持ちも無くなってします。 「脳」にとって、その人にとって、安定した環境になってしまうからです。
「非定型発達者」も劣悪な環境下で、慣れてしまうと変化を嫌う。ましてや「定型発達者」も脳の特性として、変化を嫌う。
そこは、安定した環境ではないと、他人の「脳」に、教え込むのは、非常に、難しいことです。有る意味、マインドコントロールを解く作業より、難しいことのように思います。
どこまで、支援の手を差し伸べれば良いのか、みんなで考える必要があると思います。
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