【書籍紹介】 貧困と脳 「働かない」のではなく「働けない」  鈴木大介 (著)

2024-12-01、
本日の書籍紹介は、貧困と脳  「働かない」のではなく「働けない」  鈴木大介 (著)

貧困問題は、脳の問題でもあり、「自己責任」などと云う言葉では、決して締めくくれない問題を多く含まれていますが、「脳の機能」を理解できないと、問題の本質が見えてこないでしょう。

どこまで支援の手を差し伸べれば良いのか?

生まれてからの生育環境の中で受けた心的外傷などを持った人たちを「非定型発達者」と云うなら、やはり、「脳」の特性の問題で、「定型発達者」のように生活して、脳が不安を感じないような、「発達支援的ケア」が必要だが、支援する側も、一番大切で、大事な問題まで理解していないとも、言っているのですが。。。。

たぶん、こう言うと、「本当に求めている人のみ、救済の手を差し伸べればいいのでは」という意見もあります。

確かに、絶対的貧困で、食べ物も教育も受けられないアフリカの子供たちに救援のてを差し伸べても、何人の子供が、援助を受けて、教育を受けて、貧困から抜け出したのか、その数は不明です。

劣悪な環境で育った「非定型発達者」にとって、脳が、そこでフィックスしてしまうと、そこから抜け出そうとする気持ちも無くなってしまいます。 何故なら「脳」にとって、その人にとって、安定した環境になってしまうからです。

「非定型発達者」も劣悪な環境下で、慣れてしまうと変化を嫌う。ましてや「定型発達者」も、同じ様に脳の特性として、変化を嫌う。

そこは、安定した環境ではないと、他人の「脳」に、教え込むのは、非常に、難しいことです。有る意味、マインドコントロールを解く作業より、難しいことのように思います。

どこまで、支援の手を差し伸べれば良いのか、みんなで考える必要があると思います。

 

貧困と脳  「働かない」のではなく「働けない」  鈴木大介 (著)

目次
第1章 「なぜ?」の原風景
第2章 自己責任的に見える当事者
第3章 やっとわかった彼らの言葉
第4章 「働けない脳」の僕たち
第5章 なぜ彼らは座して破滅を待つのか
第6章 なぜ彼らは制度利用が困難なのか
第7章 「働けない脳」でどうするか?―当事者と周辺者・支援者へ
第8章 唯一前進している生活保護界隈
最終章 貧困の正体
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最貧困女子 鈴木大介 (著)

最初に書き下ろした問題作です。

目次
第1章 貧困女子とプア充女子
(貧困女子=小島涼美さん(23歳)の場合
「わたしは犬以下」 ほか)

第2章 貧困女子と最貧困女子の違い
(「最貧困女子」は、セックスワークの底にいる;清原加奈さん(29歳)の場合 ほか)

第3章 最貧困少女と売春ワーク
(なぜ家出少女たちは売春の世界に吸収されていくのか;「非行少女」から始まる ほか)

第4章 最貧困少女の可視化
(ふんわり系美女の副業;地方週一デリヘル嬢 ほか)

第5章 彼女らの求めるもの
(加賀麻衣さん(21歳)の場合 
母親がケツもちで売春の勧め ほか)
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