2024-05-31、
これは持論ですが、「一度、腐った職場は、組織は、元には戻らない」と思います。腐ったミカンが箱に1つでも入っていると、他のミカンも腐っていくのと同じ現象です。
なぜなら、理由は下記の様な事柄です。
腐った職場を何度も観てきましたが、改善した試しは一度も観たことがありません。大抵は「腐ったボス」が元凶で、例え病気で亡くなっても、定年で退職しても、残された人間達(社員)は、変わらないからこそ、むしろ、その劣悪な環境でも、逃げずに、しぶとく辞めないで生きてきた「有能ではない人たち」なのです。
これはどんな人たちか?と云うと、
ある意味、この会社から、生活の為に給料さえもらえれば良いと云う、考え方の人達で、別に仕事に向上心を持って臨んでいる人たちでは決してありません。逆らわずに、言われた事だけやり、毎日過ごしていれば給料が貰える、いずれ「バケモノ」が居なくなるのをじっと待っている能力しかない状態になっているのです。もちろん、被害に遭うのが嫌で、退職する場合もあるが、問題を起したり、揉めに揉めて退職する。
ですので、こんな人たち(社員)が、会社組織の中で、生き残ってしまうので、「バケモノ」が居なくなっても、元には戻らないと云うより、元々、腐ったままの組織なのです。
むしろ、生き残った社員たちも、徐々に「シャッフル(退職させ入れ替える)」させる必要があるでしょう。
ですが、例えば会社組織自体に問題がある場合、子会社などは、親会社から定年退職前の「能無し役員」が降りてくる場合が殆んどですので、正に構造的に発生しているので改善することは、ほぼ無理でしょう。
こんな状況になってしまう。
1.従業員間の信頼が失われる。
2.組織の文化が形成されない。
3.リーダーシップの問題(ヒエラルキーのない文鎮型の組織になってしまう)。
4.職場環境が悪化すると優秀な人材は逃げてしまうので、生産性は上がらない。
■ここからが、本書の問題で、劣悪な環境の中で、自分がおかしいのではないか? 病院に駆け込んだ、まだましな人たちのお話なのです。 それを先生がまとめて著書にしたのです。
根性論を押し付ける、相手を見下す、責任転嫁、足を引っ張る、自己保身、人によって態度を変える……どの職場にも必ずいる、彼らはいったい何を考えているのか?
これまで7000人以上を診察してきた著者は、最も多い悩みは職場の人間関係に関するものだという。
理屈が通じない、自覚がない……やっかいすぎる「職場を腐らせる人たち」とはどんな人なのか? 有効な対処法はあるのか? ベストセラー著者が、豊富な臨床例から明かす。
■なぜ、腐ったミカンが箱に1つでも入っていると、他のミカンも腐っていくのか?
「長年にわたる臨床経験から痛感するのは、職場を腐らせる人が1人でもいると、その影響が職場全体に広がることである。腐ったミカンが箱に1つでも入っていると、他のミカンも腐っていくのと同じ現象だ。
その最大の原因として、精神分析で「攻撃者との同一視」と呼ばれるメカニズムが働くことが挙げられる。これは、自分の胸中に不安や恐怖、怒りや無力感などをかき立てた人物の攻撃を模倣して、屈辱的な体験を乗り越えようとする防衛メカニズムである。このメカニズムは、さまざまな場面で働く。たとえば、子どもの頃に親から虐待を受け、「あんな親にはなりたくない」と思っていたのに、自分が親になると、自分が受けたのと同様の虐待をわが子に加える。学校でいじめられていた子どもが、自分より弱い相手に対して同様のいじめを繰り返す。こうして虐待やいじめが連鎖していく。
似たようなことは職場でも起こる。上司からパワハラを受けた社員が、昇進したとたん、部下や後輩に対して同様のパワハラを繰り返す。あるいは、お局様から陰湿な嫌がらせを受けた女性社員が、今度は女性の新入社員に同様の嫌がらせをする。
こうしたパワハラや嫌がらせの連鎖を目にするたびに、「自分がされて嫌だったのなら、同じことを他人にしなければいいのに」と私は思う。だが、残念ながら、そういう理屈は通用しないようだ。」ーー「はじめに」より
どんな行動を起こし、どんなふうに他人を脅かすのか、詳細に記載していますが、こんな「バケモノ」のような「脳」に、なぜ?引きずれれるのかは記載されていますが、「バケモノ」が、どんな「精神疾患」を抱えているのかは、ちょと説明が少ないように思います。
■職場を腐らせる人たち (講談社現代新書) 新書 片田 珠美 (著)
<目次>
■第1章 職場を腐らせる人たち
■第2章 なぜ職場を腐らせる人は変わらないのか
■第3章 腐る職場でどう生きるか
見きわめる――自己保身か、悪意か、病気か
ターゲットにされやすいのは弱くておとなしい人
断れない三つの理由
ターゲットにされやすい人のその他の特徴
1他人の話を真に受ける
2経験不足
3何となくおかしいという直感に蓋
4他人を喜ばせたい願望が強い
5自信がない
6他力本願
7波風を立てなくない
8孤立している
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<補足説明>
■精神分析で「攻撃者との同一視」と呼ばれるメカニズム
「攻撃者との同一視」は精神分析における概念で、他者から攻撃を受けたときに、攻撃者と同じ属性、攻撃者の人格の一部を内在化し、全体的もしくは部分的に、同じ性質を身につけることを指します。この概念は、精神分析治療家である「フェレンツィ・シャーンドル」が初めて用いました。
具体的には、心理的トラウマによって被害者と攻撃者の二極での絶望的なジレンマに陥ったときに、攻撃者の役割や機能的属性を引き受けること、あるいは攻撃者の攻撃的な行動様式を模倣するという防衛機制です。
「攻撃者への同一化」の過程には認知の歪みが伴っており、生命の危機への恐怖、本来の自己の無力化、攻撃者への同一化という3段階があります。自我の防衛能力を超えた恐怖に対応するために繰り出される防衛手段であり、強制力があり、解離のメカニズムが働いています。
また、子どもが自身の力で不安の源をコントロールし、安定を得るために、不安を与える存在を内在化するという防衛機制であり、アンナ・フロイトが提示しました。
■このメカニズムは、さまざまな場面で働く。
例えば、職場環境で頻繁に見られる行動や言動がネガティブなものであれば、その影響を受け、大人になってもその影響を受け続ける可能性があります。このように、同一化は私たちの成長や行動、考え方に多大な影響を及ぼす現象であり、それを理解することは、自らの行動や思考の原点を知るための大切な手がかりとなります。
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