2009年9月、
本日の役に立つ記事は、コレをやったら失敗する、中小企業の「働き方改革」
本当は、この記事、中小企業の経営者向けではないかと思いますが、しかし従業員でも思い当たるのではないでしょうか。これを感じなければ、きっと要らない(不要)社員でしょう。
1.現在、「就活解禁」でも「レベルの高い学生が全然いない」状態になっている様です。
就活解禁日とは、経団連による就活ルール「採用選考に関する指針」に決められた、会社説明会などが解禁される3月1日のことだが、もうとっくに、昔で云えば「青田買い」と言われていた仕組みに似た状態になり、大学3年生向けに、6月頃にインターンシップ(:就労体験)合説(合同企業説明会)なる説明会を開いて、優秀な学生をさらっている様で、ゆえに、もう3月1日の時点で意識の低い学生ばかりが目立ってしまったのだそうです。
新3年生は今年の秋から冬にかけて内定が出る?。。。とまで言われています。
「早ければ早いほど優秀な学生と会える」。。。本当に、そんなでしょうか?
中小企業は、たまったもんじゃないでしょう。 まるで、最後のクズを拾うのか。。
■何が優秀か?
試験の成績が良い人?、偏差値の高い学生?
■経営者は、よく「良い人」が欲しいと言いますが、何をもって良い人か?
価値観にもよりますが、ここが非常に重要になります。
組織の中で機能してゆく上で、どんな人物が良い人と言えるのか?
頭の良さ(知能など)は、ある程度、試験で振るいをかけれるが、普通の「面接官」レベルでは、人柄や人間性まで、良いか悪いか判断できる訳が無いでしょう。
2.「優秀な人材」が採れないなら「普通の人材」を育成せよと言うが。。
「優秀な人材」が採れないなら「普通の人材」を育成せよ
技術力や営業力ばかりではなく、きちんと社員を育成して、自分たちで自分たちの会社を良くするという「自浄能力」のある会社が生き延びる会社なのだと私は考えています。
この記事で、「働きアリの法則」が書かれていますが、人間も、誰にも言われなくても「閾値」で、働いたり、働らかなかったりできれば、誰にも文句も言われずに、給料を貰えるでしょうが、人間社会では、そうはゆきません。
中小企業場合、「優秀な人材」は来ないのですから、
「普通の人材:6割」から「優秀な人材」押し上げて、「働かない:2割」をなるべく「普通の人材」にする方法を考えればいいのですが。。。
「普通の人材」から「優秀な人材」に育てると言っても、殆どの場合「優秀な人材」が居るから育てられる可能性があるのであって、それが無い場合は、無理でしょう。
もう一つ、経営者が、ダメな奴を勝手に拾ってきて、「こいつ、宜しく頼む」と云って、丸投げされた社員。。。これはもう大変です。
中小零細企業の場合、このパターン結構多いのです。
「ダメな人材」から「普通の人材」に育て上げた時点で、給料を倍にしてほしいものです!
<補足説明>
「働きアリの(2:6:2)の法則」 :2割が非常によく働き、6割が普通、2割は働かない。
コロニーを形成して生活している「アリ」や「ハチ」は誰も命令しません、自分の役割を果たしているだけですが、その個体の「閾値(しきいち)」で働いたり、働らかなかったりしています。
例えば、巣の温度が上昇した時、冷却しようと、ある温度になれば、働くアリでも、その温度にならなければ働かないと云う風に、全員で働いで、全員ダメにならないように、全員では働かないのです。集団を守る仕組みになっています。 常時、働いていないのは2割程度は居るのです。
3.「中小企業の生産性向上のためには、まず離職者をなくすこと」と言うが。。。
これも、離職者を無くすことは、一理あります。すぐ辞められるとスキルが身に付きませんので。しかし、長年居てもスキルが身に付かない「ダメ社員」が結構いるのです。
これも組織によっては、生産性の低い社員が、辞めずに、ごろごろしている会社など、たくさん在ります。
1)「できる社員」が離職して困る理由
ただ単に、仕事の内容や、人間関係だけで、離職してゆくわけでもないのです。ずーっと、生産性の低いまま、居続ける場合もあるのです。 むしろ、「できる社員」が離職してゆく環境になってしまっているのです。
すると、どんなことが起きるかと云えば、
「できる社員」が離職してゆくと、「できる社員」の人数が減ってしまうので、増々、忙しくなる。 大抵「できる社員」は2人分くらいの仕事をカバーしているのです。
ですので、「できる社員」が1人居なくなれば、2人居なくなった状態になるのです。
「できない社員」が、カバーできるはずもなく、居なくなればなるほど、忙しくなるのです。そして、「できない社員」は、のほほーんとしているだけで、何の役にも立たないのです。
2)「できる社員」が離職してゆく理由1
「問題社員」の問題です。 例えば、
■「根はいい人だけど、仕事が出来ない」というタイプ。
何とかなる場合と、ならない場合がある。
■事務系の職場で云えば、同じ「お局さま」でも、
・仕事ができないが「お局さま」と言われている「お局さま」
・ちゃんと仕事のできる「お局さま」が居る。
<一番、危ないタイプ>
■仕事が出来ても、会社に対して文句や不平不満ばかりを口にして組織に悪影響を及ぼす社員
これも、本当は会社に問題がある場合もあるので、区別が難しい処でもある。
「問題社員」のおかげで、まじめな社員が次々と離職してゆく場合も、十分ある。
これらも、人事の「評価制度」が明確になっていない会社は、普通に発生している事柄でしょう。
3)「できる社員」が離職してゆく理由2
特に、子会社などは、経営トップからして、本社から「定年まじか」で降りて来た「クズ・カス」が就任しますので、社員1人、1人の能力まで見えていませんし、それより、自分が定年で居なくなるまで失敗しない様にするには。。程度しか考えていません。
この様な会社に限って、ヒエラルキーが有りません。 ピラミット型ではなく、ぶんちん型です。 トップが持ち手で、後は、全部、横並び(役職は付いているが権限がない状態)。
この様な会社だと、働かないと云うより、能力の低すぎる社員(事務系だが新入社員に1ヶ月で抜かれる)が、何十年でも居続ける「良い会社」になってしまう。 誰からも、責められないので、のうのうと、毎日、会社に遊びに来る状態が続いてしまいます。
まるで、アリやハチの世界と同じ。。。
何十年居ても、仕事のスキルが身に付かない、社員が、毎月給料とボーナスをもらえるのです。 ウハウハでしょう。 自分が給料「泥棒」と言われてい事に気が付かないのです。
そして、大抵、この様な人たちは、発達障害を患った、障害の状態が極めてグレーに近い人たちなのです。 普通の人たちは、それに気が付かないだけのです。
「ニューロダイバーシティ(神経構造の多様性)」に対する対応が、全然、取れていないために、密かに発生している状態になっているのです。
何も言われなくても、仕事を覚えて、自立して、働く能力が、「脳」に持ち合わせていないのです。 自覚すればと普通の人は思うでしょうが、それさえも無理な人たちなんです。
この「多様性」に気が付いて対応するのは、まず会社でしょう。 個人で対応すると、「いじめ」と誤解されて、とんでもない方向へ行きますので。。。。
経営トップが、人を見る目が無く「評価制度」が明確にならない場合、「できる社員」は、嫌になるでしょう。
4.最近は「発達障害」に近いと云うか、グレーゾーンの子が多いのですがその扱いについて
これは学生も、新社会人も同じなのですが、「発達障害」を抱えた子などに多いのですが、親元から通っている時は、何とか大丈夫なんですが、一人暮らしを始めると、自分の身の回りの事さえも、全然、できなくて、生活が破たんしてしまう場合が、かなりの頻度で起こります。
最近は、「発達障害」に近いと云うか、グレーゾーンの子もいますが、これを見抜ける面接官は少ないでしょう。むしろ、米国のシリコンバレーに勤めるIT系の人間たちの様に、アスペルガー(自閉症スペクトラム)を抱えた人間の方が、いい仕事をする場合も、職種によっては、十分考えられます。
今や、雇う側も、このも問題を認識していないと、駄目な時代なんですが、如何せん、進んでいまえんので、現場に配属されて、現場の人間たちに任せっきりになります。
仕事の指導の仕方も、このような子達は、ちょっと、違った指導の仕方をしなければならないのですが、普通の子と同じように扱ってしまい、後から問題になります。
学校教育の中で、「発達障害」、「人格障害(パーソナリティ)障害」、「愛着障害」を教えていません。でも最低でも、この3つくらいは、会社に入った時点でも良いので、教育する必要があると思います。 増してや、幹部クラスの方が、この様なことを知らないでしょう。
「変な奴」としか、認識していない。
完璧に、「発達障害」などに、はまっている人は、分かるでしょうが、この障害は、スペクトラム、と云うか、白と黒のグラデーションだとすれば、限りなく黒に近いのか、グレーなのか、色々な状態に居る方が居ますので、会社の「コンプライアンス」を考える上にも必要な知識になると思います。
これが、分からないで、人を採用すると、一番困るのが、現場のスタッフたちです。下手すると、仕事のモチベーションまで下がってしまいます。
ですので、これは経営者、経営幹部、社員の認識を合わせておく必要があります。このような人を排除せずに、上手く社会人として能力を発揮させることのできる会社は、懐の深い会社組織ではないでしょうか。
こんな事さえも認識できない、ほぼ全員「無知」の会社もありますが。。。。。
5.「社会人基礎力」が大事と言うが。。。
経済産業省は「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」を「社会人基礎力」として、「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」の3つの能力(12の能力要素)で構成してその重要性を説いています。
経営者が求めるのは、自ら考え、行動できる自律型人材ですが、これができない人間も居るのです。
通常の「人材育成」が通用しない人たちも、現実に居るのです。
それは、「働き方改革」の中でも、色々な多様性の中で「ダイバーシティ」の問題です。
特に、発達障害などを含める「ニューロダイバーシティ(神経構造の多様性)」というキーワードのが、この先重要になると考えます。
「人口減少、人手不足だから働き方改革で生産性を上げましょう」と云うと誰も反対しないが、じゃ具体的に、どう、生産性を上げるの? となると、誰も手をつけたくない「ニューロダイバーシティ(神経構造の多様性)」が一番問題になる点ではないでしょうか。
なんぼ言っても、ダメな社員って、こういう人たちが多いのです。
なんぼ言っても時間を守れない、人の話を聞いている顔して聞いていない、落ち着かないなど数えればキリがないが、こんな特性を持った人たちをチームの中でどう働かせるか? です。
そして「社会人基礎力」をどうやって、身に着けさせる?のではなく、
言い方を変えれば、元々「社会人基礎力」などとは、「無縁」の人たちをどう使う? かです。
「ダメな社員」のダメな所は分かっていても、なんでダメなのか、原因を見破るところまで行かないと、解決策など見つける事さえできないでしょう。
最後に、
社員数、数百人ではなく、数十人規模の会社の経営トップが、世の中大勢居るのでしょうが、この人たちが、まず、どう動くかどうか? 日々の業務に追われ、目先の利益に追われていると、こんな事を考える暇もないでしょう。
「社員の育成」までできる能力のある中小企業の「経営トップ」が居るかどうか。。。。
経営トップが、社員の育成もせずに、就業規則だけ、いじったり、会社の方針に上辺だけ沿わせたりするような「働き方改革」は必ず失敗する。
一番差が出るのは、経営者、経営幹部の「コミュニケーション能力」が問われるのではないでしょうか。これが無い会社は、全然、形ばかりで進まないでしょう。
経営トップから従業員全員までの「意識改革」、さらに「評価制度」が明確にならないと、働き方改革など「笛吹けど踊らず」で、誰も従わないでしょう。
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